事業拠点における温室効果ガス(GHG)排出量の削減

 

富士通グループのアプローチ

富士通グループでは、地球温暖化防止を重要課題と捉え、中長期環境ビジョン「Fujitsu Climate and Energy Vision」を策定し、2050年までに自らが排出するCO2のゼロエミッションを目指していましたが、これを前倒しして2030年に達成を目指すこととしました。

自らの事業所(工場、オフィスおよびデータセンター)から排出する主なGHGとしては、エネルギー(電力・燃料油・ガス)の消費に伴うCO2排出、製造プロセスで使用するPFCs、HFCs、SF6、およびフロン漏えいによるPFCs、HFCsの排出があります。これらについて、関連法律を遵守するとともに削減目標を設定し、使用量および排出量の削減・抑制に努めています。

エネルギー消費に伴うCO2排出量の削減

富士通グループにおけるGHG総排出量のうち、エネルギー消費に伴うCO2排出量が約99%を占めています。そこで富士通グループでは、CO2排出量の削減に向けて以下の省エネルギー対策を継続的に推進しています。

  • 原動施設を中心とした設備の省エネ対策(フリークーリング、インバーター、省エネ型設備の導入、燃料転換など)、設備の適正運転、管理向上
  • 製造プロセスの見直しによる効率化(生産革新活動、グリーン生産技術開発)
  • オフィス空調温度の適正化、照明・OA機器の節電、照明のLED化
  • エネルギー消費の計測による「見える化」と、測定データの活用推進

CO2以外の温室効果ガス排出量の削減

CO2以外の温室効果ガスとして、富士通グループでは主にパーフルオロカーボン類(PFCs)、ハイドロフルオロカーボン類(HFCs)、六フッ化硫黄(SF6)、などを、製造部門において使用しており、地球温暖化係数(GWP)の低いガスへの切り替えや、新規・既存の製造ラインへの除害装置の設置などを継続的に実施しています。また空調機器のフロンの漏えいによるPFCs、HFCsの排出については関連法律を遵守するよう点検整備を実施しています。

2023年度実績

第11期環境行動計画 目標項目2023年度実績
事業拠点のGHG排出量を基準年(2020年度)の50%以下に削減する。(2023年度目標:30%削減)(注1)58.4%削減(注2)
  • (注1)
    対象組織:富士通および富士通グループの自社事業所。主要なデータセンターを含む。
  • (注2)
    マーケット基準によるGHG排出量の削減率

エネルギー消費に伴うCO2排出量削減を推進

各事業所における施設の省エネ設備投資(空調設備や照明設備を中心としたBAT(注3)対象機器の導入更新)や運転適正化、製造プロセスの効率化、オフィスの空調・照明・OA機器の節電、エネルギー消費の「見える化」と計測データの活用などに継続して取り組んでいます。

例えば、照明の設備投資においては高効率LED照明の継続的かつ効率的な導入により388トン-CO2の削減に貢献しました。また、空調機器においては高効率機器への更新や台数制御などの運用条件の見直し、ポンプや空調機の停止など施設運用の改善(4,775トン-CO2)を実施しており、さらには廃熱回収による空調温水の生成など(380トン-CO2)、自助努力として合計約 11千トン-CO2(前年度排出量比2.7%)の削減施策を実施しました。

こうした取り組みの結果、第11期環境行動計画の目標である、SBTに準じたマーケット基準によるGHG排出量の削減は基準年の41.6%pt削減(2022年度比17.7%)となりました。

第11期環境行動計画GHG排出量削減第11期環境行動計画GHG排出量削減

  • (注3)
    BAT(Best Available Technologies):温室効果ガス削減のための利用可能な最先端技術。
  • (注4)
    基準年(2020年度)、2023年度実績値は行動計画対象事業所の最新バウンダリー反映による集計値。
  • (注5)
    購入電力のCO2換算係数は基準年(2020年度)、2023年度実績値ともにマーケット基準。

2023年度の総排出量は516千トン-CO2

2023年度のGHG総排出量は、516千トン-CO2(売上収益当たりの原単位:13.7トン-CO2/億円)となり2022年度と比べて5.8%減となりました。

温室効果ガス排出量の推移温室効果ガス排出量の推移

  • (注6)
    国内/海外CO2排出量の実績報告における購買電力のCO2換算係数は、国内2013~2015年度 0.570トン-CO2/MWh、2016年度 0.534トン-CO2/MWh、2017年度 0.518トン-CO2/MWh、2018年度 0.497トン-CO2/MWh、2019年度 0.461トン-CO2/MWh、2020年度 0.444トン-CO2/MWh、2021年度 0.441トン-CO2/MWh、2022年度 0.436トン-CO2、2023年度0.437トン-CO2
    海外 2013~2018年度 国内と同じ係数使用、2019年度以降は該当年度のIEA最新値(国別)で算出。
  • (注7)
    CO2以外の排出量:地球温暖化(GWP)によるCO2相当の排出量に換算。
ページの先頭へ