資源循環

 

外部動向

グローバルな資源循環の強化

2015年9月に国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」では、目標12に「つくる責任 つかう責任」を掲げ、天然資源の効率的な利用、製品ライフサイクルを通じた化学物質・廃棄物の適正管理および大気・水・土壌への排出の大幅削減、などが謳われています。また、欧州委員会が、2020年3月に策定した新サーキュラーエコノミーアクションプランの要となる「持続可能な製品イニシアチブ」(SPI)を第一弾政策パッケージとして2022年3月に公表しました。さらに2022年11月には第二弾政策パッケージとしてバイオベース、生分解性等含むプラスチック循環政策枠組みや包装・包装廃棄物指令改正案、2023年3月には持続可能な環境訴求規則案や製品の持続可能性について発表されました。今回発表されたEU市場における持続可能な製品の標準化に関する一連のパッケージに対し、企業は今後の動向を注視していく必要があります。

プラスチック廃棄物問題

経済協力開発機構(OECD)の新報告書によると、世界全体におけるプラスチック廃棄物の量は2019年の353 Mtから2060年には3倍に増加すると予測されています。また、2022年2月に開催された第5回国連環境総会再開セッション(UNEA5.2)では、プラスチックの有用性については認識しつつも、海洋を含むプラスチック汚染が地球規模の課題であることから、国際約束の作成に向け2022年後半に政府間交渉委員会を設立し、2024年末までに妥結を目指すことが決定されました。こうしたことを踏まえ、企業はライフサイクル全般でプラスチック資源循環に取り組む必要があります。

富士通グループの状況

資源循環に向けて

富士通グループは、従来からプラスチックをはじめとして資源の3R(Reduce:使用量削減、Reuse:再利用促進、Recycle:再生資源利用促進)に取り組んでいます。製品の資源循環においては、特に世界の動きが活発であり、上述のとおり2020年3月に欧州で新サーキュラーエコノミーアクションプランが公表され、再利用、リサイクル性、再生材の利用などの議論が進んでいます。このような動きを考慮して、従来からの取り組みであるICT製品への再生プラスチック利用、梱包材のプラスチックから紙材料への転換のほか、製品の部品点数削減、小型・薄型・軽量化をより一層推進しています。また、使用済みICT製品や事業所から発生する廃棄物の資源再利用にも注力しています。なお、使用済みICT製品の資源再利用については、これまで環境行動計画の目標の1つとして取り組んできましたが、事業系使用済みICT製品の資源再利用率は90%以上を達成したため、現在は管理目標として取り組みを継続しています。さらに上述のようにプラスチック廃棄物の課題解決のための対策が急務となっているため、包装材をはじめとしたプラスチック廃棄物へフォーカスした取り組みを進めていきます。事業構造の変化により、廃棄物の発生量は減少傾向にあるものの循環型社会へのさらなる貢献を目指し、廃棄物の削減と資源の循環利用を強化していきます。

プラスチック資源循環法への対応

国内外におけるプラスチック使用製品の廃棄物をめぐる環境の変化に対応して、プラスチック製品使用の合理化をはじめ、市区町村による再商品化、事業者による自主回収と再資源化を促進するための制度の創設などを行うことにより、プラスチック製品の資源循環を推進することが求められています。こうした考えを踏まえ、多様な製品に利用されているプラスチック素材に着目し、製品の設計からプラスチック廃棄物の処理に至るまでの各段階において、プラスチックの資源循環の取り組み( 3R+Renewable )を促進するため、2021年6月に「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」が制定されました。

富士通は、法律の定める「多量排出事業者」として、プラスチック廃棄物の排出抑制および再資源化の目標を設定し活動を推進していきます。

目標:プラスチック廃棄物のゼロエミッション活動およびリターナブル化の推進
2022年度廃プラスチックの排出量:1,347t

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