
ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン
ありたい姿
多様性を尊重した責任ある事業活動(レスポンシブルビジネス)に取り組む。
誰もが一体感をもって自分らしく活躍できる、公平でインクルーシブな企業文化を醸成する。 個人のアイデンティティに関わらず、誰もが違いを認め合い、活躍できるようにする。
インクルーシブなデザインやイノベーションを通じて、社会により良いインパクトをもたらすよう努め、エンパワーし合うことで、持続可能な世界の実現を目指す。
2025年度目標
全分野共通
年齢、性別、文化、民族、性的指向、アイデンティティ、能力に関係なく、すべての社員がサポートされ、尊敬されていると感じられるようにする
- 従業員エンゲージメントの 「個人の尊重」に関する質問に対する回答結果の平均を7ポイント向上(80ポイント)
誰もが一体感をもって、自分らしくいられるインクルーシブで公平な企業文化を構築する
- 従業員エンゲージメントの「機会の均等」に関する質問に対する回答結果の平均を4ポイント向上(74ポイント)
ジェンダー
リーダーシップの役割にも重点を置き、女性の参画を同等にする
- リーダーシップレベルの女性比率を20%に向上
健康・障がい・アクセシビリティ
すべての社員、お客様、及び社会のステークホルダーが当社のソリューション、製品、サービス、システムを利用し、当社のコミュニケーションを理解できるようにする
- デジタルアクセシビリティをブランドコミュニケーション、顧客エクスペリエンス、ワークプレイスを含む企業戦略の1つとして推進および提唱
文化・民族
文化に配慮した偏見のない職場環境を実現するために、尊敬と寛容を促進し、私たちが働く社会の中で経営者レベルから下位層へと反映する
- 地域やグローバルな取り組みをしつつ、グローバルに通用する文化・民族の総合戦略を構築
LGBTI⁺
LGBTI⁺包摂に関するベストプラクティスを推進し、富士通のすべての拠点で社員とその家族をサポートする
- LGBTI⁺の社員に平等な機会と一体感をもたらすため、FWEI (富士通ワークプレイス平等指数) を導入*
- *FWEIは、ヒューマン・ライツ・キャンペーンによる企業平等指数、ストーンウォールによる職場平等指数、Pride in Diversityによるオーストラリア職場平等指数などの包括的な基準に基づいており、富士通が支持している「国連LGBTIに関する企業行動基準」にも沿うものです。
FWEIでは最小基準と拡大基準を設定し、ビジネスを行う国々において法的・文化的に可能なものとしています。
2022年度までの目標
- インクルーシブな企業文化の醸成
- 従業員エンゲージメントでのDE&I関連設問の肯定回答率向上。連結66%(2019年度)→69% / 単体59%(2019年度)→63%
- リーダーシップレベルにおける女性比率増。連結8%(2019年度)→10% / 単体6%(2019年度)→9%
方針
富士通グループでは、Fujitsu Wayのパーパス・ステートメントに記載しているとおり、「公正と平等を重んじ、ダイバーシティ&インクルージョンを推進します」という考えに基づき、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)の取り組みを進めてきました。
2022年に、「Global DE&I Vision & Inclusion Wheel」を刷新し、より誰もが一体感をもって自分らしく活躍でき、公平でインクルーシブな企業文化を目指すこととしました。新しいビジョンで示しているエクイティ(公平)は、全員に同じものを等しく提供する「平等」とは異なり、あらゆる人が異なる境遇にあること、状況に応じた多様なリソースや機会が必要となることを認識し、対応することを意図しています。こうしたDE&Iに対するより包括的・全体的なアプローチを通じて、自社のビジネスだけではなく、技術やソリューションが社会に与える良いインパクトについても視野に入れ、持続可能な社会の実現を目指しています。
Global DE&I Vision & Inclusion Wheel
推進体制
富士通では、2008年にダイバーシティ推進のための部署を設置し、社長およびダイバーシティ担当役員の下、富士通グループのDE&Iを推進しています。
定期的に全リージョンのDE&I推進担当者が参加する会議を開催し、各リージョンにおける課題や施策の共有、グローバルで連携した推進施策の企画立案を行っています。また、推進の現状を認識するため、毎年、グローバルに実施しているエンゲージメントサーベイの中にDE&Iに関する設問を設けています。加えて、重点領域ごとに支援者の代表としてエグゼクティブスポンサーを選任し、各領域における推進活動を支援しています。
日本国内においては、グループ会社各社の推進責任者と情報を共有するとともに、富士通との連携強化や施策の共有化などを図りながら、DE&Iを推進しています。
さらに、2020年度より上位の幹部社員の目標にDE&Iに関連する項目を含めることができる制度としています。
企業文化の醸成に向けた取り組み
DE&I Session
DE&I Session 2022
2022年度は「誰もが自分らしく活躍できる企業文化の醸成に向けて、DE&Iについて再認識し、新たなマインドセットや行動変容を喚起する」ことを目的に開催しました。様々な地域からの参加を可能とするため同日に開催し、「社長・DE&I担当役員・CSOと社員との対話セッション」「社員や現場の好事例の共有」をグローバル全体で行いました。
East Asiaはヒューマン・ライツ、DE&Iウィークを、Europe(CEE地域)はインターカルチュラル・アウェアネス・セッション “日本人社員と働く”を、また、Europe(NWE地域)はインクルージョン・ウィーク2022を開催するなどし、各リージョンがDE&Iの包括的な浸透を図っています。
アンコンシャスバイアスに関する取り組み
2022年度、富士通グループでは、「アンコンシャスバイアス」と上手く付き合い、コミュニケーション向上を目的とした、動画コンテンツを作成し、グローバルで展開しました。社外講師による事例を用いた対談を通じて、社員が自身の「アンコンシャスバイアス」に気づき、多様性を受け入れるインクルーシブな職場づくりにつなげていく内容となっています。
EuropeとGlobal Deliveryは共同で、アンコンシャスバイアスを理解し、それを解決するためにインクルージョンを意識(コンシャス)する新しいトレーニングを実施しました。
国際規範への賛同
富士通グループは、国連グローバル・コンパクトとUN Womenが共同で作成した「女性のエンパワーメント原則」のCEOステートメントに2017年度に署名し、同原則への賛同を表明しました。また、2018年度には、同じく国連が公表した「LGBTIに関する企業行動基準」に日本企業として初めて賛同を表明するなど、グローバルなダイバーシティ推進の動きを積極的に取り入れています。
ジェンダーに関する取り組み
富士通グループでは、リーダーシップレベルの女性社員比率の増加を目標に掲げ、目標達成および企業文化変革のための取り組みを推進しています。
富士通では、各部門のリーダー層から管理職登用候補を人選し、職場・経営層・人事・DE&I推進室が連携しながら、個人に合わせた育成プログラムを策定、実施しています。また、管理職登用候補となるリーダー層だけでなく、全ての層に対してキャリアの振り返りや今後のキャリア形成につながるワークショップ、イベントを開催することで、女性社員の登用促進のためのパイプラインを拡充・整備するとともに、一人ひとりの女性社員の活躍を支援しています。他リージョンにおいてもリージョンや国の状況に応じて戦略的な施策が果敢に実施されています。

女性社員向けキャリアワークショップ
富士通および国内グループ会社では、リーダークラスの女性社員を主な対象に、女性社員のさらなる登用促進を目的とした外部講師による啓発や複数のロールモデルとの対話、経営幹部とのディスカッションを行っています。完全な手上げ方式による本ワークショップの受講を通じて、女性自身の管理職登用に対する先入観の払拭やキャリアにおける選択肢拡大、上位ポジションに求められる広い視野の獲得、キャリアオーナーシップの育成などを図っています。
国際女性デーの取り組み
富士通グループでは、毎年3月8日の国際女性デーの機会をとらえ、経営トップからのメッセージ発信、ソーシャルメディアによる社外へのプロモーションを行っています。また、富士通グループのジェンダーのテーマカラーである緑色でグループ内の統一感と一体感を創りつつリージョンごとにWebinarや講演会など様々なイベントを開催し、企業文化の変革を加速させています。さらに、富士通および国内グループ会社では、2018年度より社内外ゲストによる講演やネットワーキングイベントなどを開催し、他の各リージョンにおいても、この国際女性デーをジェンダー領域の重要な機会とらえ、イベントや施策を実施しています。
2022年度は、富士通では、働き方が変化する中で、これまで以上に感謝の気持ちを伝え合い、文化として定着することを目的とした当社の「サンクスプロジェクト」と連動させ、国際女性デーをきっかけとし積極的に周囲の社員に感謝を伝える呼びかけ・取り組みなどを実施しました。
その他の取り組み
Americas では、女性をエンパワーするための社員ネットワーク(WIN)がチャレンジや成功を共有するシリーズを提供しました。East AsiaとAPAC(ASEAN+India)では、Asia Human Rights, DE&I Weekにオンラインでコーヒーテーブル対話を開催。女性のキャリア支援にフォーカスし、ゲストとして迎えた2名の女性リーダーから女性社員にアドバイスを提供しました。EuropeとGlobal Deliveryは11月19日の国際男性デーを祝福し、男性に関するDE&Iの理解と実現のための機会を提供しました。Europe(NWE地域)とGlobal Deliveryではジェンダー・ペイ・キャップ・プログラムに取り組んでいます。富士通ドイツはドイツのGirl’s Dayのイベントを開催し、女子生徒がAIを体験できる機会を提供しました。Global Delivery は女性リーダーにフォーカスした学びとメンタリングのプログラム、INSPIREを提供しています。
健康・障がい・アクセシビリティに関する取り組み
富士通では、障がい者の職域を限定することなく採用活動を行っており、営業、SE、開発、研究、事業スタッフなど、様々な職種で障がいのある社員が活躍しています。
採用にあたっては、障がいのある求職者向けのパンフレットやWEBサイトを用意し、社員のインタビューや、障がい者雇用の考え方、入社後の職域の広さを掲載することで、障がいの有無にかかわらずいきいきと働ける環境を伝え、不安を解消しています。また、入社後も長く働けるよう、人材育成から定着まで長期的なフォローを行っています。この一例として、入社時の教育や、本人の能力が最大限発揮できるよう職場と連携した面談を実施しています。
職場向けのマニュアル「ワークスタイルガイドライン」では、障がいのある社員とともに働くにあたって双方が考慮すべき点について障がいの状況ごとに記載し、職場での理解に役立てています。
また、富士通および国内グループ会社の共通サービスとして、ダイバーシティ・コミュニケーションツール「FUJITSU Software LiveTalk」を展開し、聴覚障がいのある社員を含めたコミュニケーションの円滑化と業務効率化をサポートしています。他リージョンにおいてもリージョンや国の状況に応じ、採用、アクセシビリティ改善、社員ネットワーク活動等の施策を戦略的に実現しています。
国際障がい者デーの取り組み
富士通グループでは、12月3日の国際障がい者デーに際し、富士通グループの健康・障がいのテーマカラーであるパープルでグループ内の一体感を持たせ、経営トップからのメッセージ発信を行いました。各リージョンにおいては、DE&I推進チームと社員ネットワークグループが協力してWebinarやラウンドテーブル等の障がい者理解促進のためのイベント開催や、社員への意識付けなどの様々な取り組みを行い、障がいに関しての理解を高めています。
障がいのある社員の自主運営ネットワーク
富士通グループでは、各リージョンに障がいのある社員が中心となった自主運営ネットワークグループがあります。エグゼクティブスポンサーの支援のもと、グローバルネットワーク(Global Network of Persons with Disabilities)を形成しながら、障がいへの理解促進とインクルーシブな環境を創るための活動をしています。
障がい者雇用の促進に向けた特例子会社の設置
富士通および国内グループ会社では、障がいのある方々に働ける場をより広く提供していくことを目的として、特例子会社を設立しています。各社では、一人ひとりの障がいの特性に配慮し、より活躍できる職場を目指しています。
設立 | 障がい者 | 主な作業 | 事業所 | |
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富士通エフサス太陽
株式会社 | 1995年 | 31名 | ATM・プリンタ関連・パソコンのリペア、富士通製品の保守サービスに関する各種業務、システムサービス業務 | 別府 |
富士通ハーモニー
株式会社 (2023年3月31日時点) | 2013年 | 197名 | 文書のPDF化、事業所内清掃、事務用品の補充、名刺作成、
健診着のセッティング、ノベルティの作成、ヘルスキーピングサービス(社員向けマッサージ) | 札幌オフィス
沼津オフィス 新潟オフィス 青森オフィス 仙台オフィス 川崎オフィス 長野オフィス 那須オフィス 幕張オフィス Kawasaki Tower 蒲田オフィス 新川崎オフィス 中原オフィス 福岡オフィス さいたまオフィス 大阪オフィス 那覇オフィス 名古屋オフィス 広島オフィス* 汐留オフィス* 神奈川オフィス* * ヘルスキーピングサービスのみ |
アクセシビリティ
富士通グループでは、多様な特性をもつすべての人に開かれた、アクセスしやすいコミュニケーションを目指しています。
ブランドコミュニケーション、製品サービス、職場環境にわたるアクセシビリティの実現のために、関連部門がコラボレーションを進めています。
新たな企業ブランドでは、多様性を意識したデザインを適用するとともに、読みやすさに配慮した独自のコーポレートフォントを開発するなどアクセシビリティを重視しています。
その他の取り組み
富士通UKでは新たに開始した「Be Completely Youパスポート」を活用して社員が職場で必要なサポートを共有し、職務が変わっても合理的配慮が継続的に得られることを社員ネットワークグループとともに実現しました。富士通タイランド、富士通ベトナム、富士通インドネシアおよび富士通シンガポールでは、障がいのある子供や、教育、テクノロジーおよび就労機会へのアクセスに恵まれない子供を支援するための寄付や奨学金を寄贈しました。
文化・民族に関する取り組み
富士通グループは、多様な文化や民族を尊重する企業文化づくりを進め、グローバルスケールで、民族・文化に関する活動を始動しています。各リージョンにおいては、多様な民族や文化を理解するための社員ネットワークグループの活動、国や地域の文化を理解するイベント、特定民族の理解を深める活動、少数民族支援活動などが行われています。
富士通UKでは自主的に民族ペイギャップを2021年より開始し、人種的平等を強化しています。Americasのアフリカ系社員のインクルージョンネットワーク(BEING)は、Black History Monthの祝福やNPOとのパートナーシップを介して、文化について教育を提供しました。また、BEINGは若者へのSTEM領域のキャリアのために、影響を与え、社内戦略的コミュニティ投資2022を獲得しました。富士通オーストラリアはオーストラリアのシェルブールにある先住民が運営するデジタルサービスセンター(First Nationsサービスセンター)を立ち上げ、8名を雇用し、トレーニングやサポートを通じてキャリア形成を支援しています。富士通NZ法務コンプライアンスチームは、マオリと太平洋の人々のインクルージョンプランに関する、New Zealand Law AwardsのD&I Initiative of the Year Awardのファイナリストに選定されました。また、富士通では、国内外の留学生向けキャリアイベントへの参加や自社セミナーの開催などを通じて、外国人留学生や海外大学生をはじめとするグローバルな人材を採用しています。その結果として2022年度末時点で674名の外国籍社員が富士通で働いています。インターナショナルな社員が富士通の組織環境や日本での生活に溶け込めるよう、メンタリングプログラム、社内情報の日英併記を進める社内推奨活動、イントラサイト・社内ソーシャルメディアによる情報共有を実施してきました。日本で創設された社員の自主活動グループであるEnglish Club(英語で交流する社員ネットワーク)には活動のオンライン開催を機に他リージョンからの参加者も加わり活発な交流活動に発展し、異文化理解に活力を与えています。


LGBTI⁺に関する取り組み
社内有志にてパレード参加(撮影2019年, 2018年)
2018年6月、富士通は、日本企業として初めて「国連LGBTIに関する企業行動基準」への支持を表明しました。誰もが働きやすく能力を存分に発揮できる環境づくりのために、全社員に向けたトップメッセージを継続的に発信しながら、性の多様性への理解を深める取り組みを進めています。
国内では、同性パートナーについても、慶弔見舞金の支給、休暇、休職などの社内制度の適用範囲を拡大しています。また性自認に基づく通称の使用など、職場環境への配慮を行っています。
人権研修やセミナー、イントラネットでのメッセージ発信などにより、全社的な認知を進める一方で、多様なLGBTI⁺当事者と一緒に話し合うアライミーティングを開催し、“アライ”(Ally=理解者、支援者)の輪を広げる取り組みも実施しています。2017年以降、LGBTI⁺とアライをテーマとした映画上映会などを開催してきました(2017:「ジェンダー・マリアージュ」、2018:「カランコエの花」、2021、2022:「私はワタシ」、2022:「I am Here 私たちはともに生きている」)。社員が、オンラインミーティングにLGBTI⁺の尊厳を象徴するレインボーカラーの背景を使用するなど、自然に“アライ宣言”をする動きも出始めています。
また、多様で持続可能な社会づくりに貢献する活動にも力を入れています。セクターを超えた団体・個人・企業が連携してセクシュアル・マイノリティに関する情報発信を行い、さらに次世代のLGBTQの若者が安心して集える常設の居場所づくりを目指すプロジェクト「プライドハウス東京(注1)」にパートナーとして協賛しています。これら一連の取り組みが評価され、任意団体work with Prideによる「PRIDE指標」において、最高位の「ゴールド」を受賞しました。
Americasでは、全てのジェンダーが使用できるトイレを設置し、トランスジェンダーに着目する4個のPRIDE(LGBTI+に関する施策)イベントを祝福しました。富士通アメリカはBest Places to Work for LGBTQ+ Equality 2022に選定されました。Europe のCEE地域ではIDAHOBIT(国際反ホモフォビア・トランスフォビア・バイフォビアの日)を祝福し、また、富士通UKはLGBTI+の社員にとって平等な職場としてStonewall Workplace Equality Index で上位50社に選定されました。
Fujitsu Pride
グローバル共通ロゴ
「Fujitsu Pride」は、 富士通グループにおいて各リージョンのLGBTI⁺の当事者とアライの社員ネットワークグループの代表者が集まり、エグゼクティブスポンサーの支援のもとグローバルスケールで連携して取り組む活動です。2020年からは「Fujitsu Pride」が主催するオンラインイベント「Global Fujitsu Virtual Pride Week」を開催しています。富士通および国内外グループ会社から役員および社員が参加し、バーチャルパレード、オンラインセミナー、パネルディスカッション、小さなグループ単位でLGBTI⁺について語るイベントを開催するなど、活発な活動を行っています。
世代間
富士通グループでは、すべての年齢層が尊敬されていると感じ、成功する機会を持てる企業文化を目指しています。
その一環として、富士通では、世代を越えた社員の対話の場を設定し、それぞれの価値観や働き甲斐を語り合う中で、相互理解を深めました。
Americasでは退役軍人である社員によるネットワークグループの活動が行われています。富士通ベトナムでは、負傷や疾病のある退役軍人に、ギフトと寄付を寄贈し、退役軍人を勇気づけました。Global Deliveryはサンドイッチ世代(高齢の家族のケアと子供のケアを必要とされる世代)のためのウェビナーを開催しました。その他、各リージョンでも様々な取り組みを行っています。
仕事とプライベートの両立支援
富士通は、仕事と出産・育児、介護などを両立するための仕組みの整備を進めています。テレワーク制度の導入・浸透に加え、コアタイムなしのフレックス勤務体制の拡充や男性が取得できる当社独自の育児休暇取得可能日数の拡大など勤務体制の整備により、育児・介護との両立を促進しています。
出産・育児
「次世代育成支援対策推進法」に則った「行動計画(注2)」を策定し実行しているほか、ベビーシッター費用補助制度の整備や事業所内保育所の設置・運営をしています。また、育児休職からの復帰直後の社員および育児中社員を部下に持つ上司を対象に、職場復帰支援やネットワークの構築を目的としたセミナーを毎年複数回実施し、ダイバーシティマネジメントの推進を図っています。さらに、産休・育休を控えた社員を対象とした支援セミナーに加え、将来的に産休・育休取得を踏まえたキャリアプランを考える社員や配偶者の出産を控える社員、当事者を部下に持つ上司などを対象としたセミナーも開催し、育児との両立を全面的に支援しています。
- (注2)行動計画:
2005年から実施しており、現在は第7期行動計画(2021年4月1日~2024年3月31日)を実行中です。
介護
介護については、社内外の支援制度や介護に対する心構え、介護に向けた事前準備などの基礎知識を学ぶ機会を設けています。また、2020年度には仕事と介護の両立への活用を目的に、介護のステージごとに押さえておきたい知識・行動や、利用できる社内制度についてまとめた介護ハンドブックを発行しました。さらに、富士通グループの介護サービス会社「株式会社ケアネット」と連携して「介護相談窓口」開設し、富士通全グループ社員一人ひとりの抱える介護の悩みに対応することで社員のウェルビーイング実現を目指しています。
社外表彰・認定
富士通のダイバーシティ活動に対して社外からいただいた過去の評価・表彰はこちらをご覧ください。
リージョン名 | 2022年度の表彰・認定 |
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Americas |
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APAC |
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Europe |
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Global Delivery |
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2022年度実績
企業文化の醸成に向けた取り組み
- DE&I Session(旧:ダイバーシティ全社推進フォーラム):2022年度参加者516名(富士通、国内グループ会社および海外各リージョン)
- 毎年実施の従業員エンゲージメントに関するグローバル共通調査へのDE&Iに関する設問の組込
- ヒューマンライツ、DE&Iウィークを開催(East Asia)
- インターカルチュラル・アウェアネス・セッション “日本人社員と働く”を開催 (Europe リージョン(CEE地域))
- インクルージョン・ウィーク2022の祝福(Europeリージョン(NWE地域))
- インクルーシブな採用のためのトレーニングを提供し多様性のあるタレントの採用を目指す(Europeリージョン(NWE地域))
- インクルーシブ・リーダーシップ・トレーニングの実施(Global Delivery)
- 見方に関するリバースメンタリングプログラムはリーダーが多様なバックグラウンドの若手社員であるリバースメンターと参加し、1対1の環境でインクルーシブなリーダーの行動を養成(Europe)
- 「ミステリーコーヒー」は、職場のインクルーシブな雰囲気と一体感を創るためにEuropeリージョンで開始し社内グローバルに拡大(Europe(CEE地域))
ジェンダーに関する取り組み
- 女性社員比率:19.5% 、女性幹部社員(管理職)比率:9.1%、新任女性幹部社員(管理職)比率:25.8 %(富士通)
- 女性社員向けキャリアワークショップの実施:2022年度参加者 356名(富士通および国内グループ会社)
- 国際女性デーを祝福する施策の実施(各リージョン)
- 国際男性デーを祝福する施策の実施(Europe, Global Delivery)
- 社外研修派遣(富士通)
- ジェンダーエンパワーメント・ダイバーシティネットワークグループの活動(各リージョン)
- ジェンダー・ペイ・キャップ・プログラムの実施(Europe (NWE地域)、Global Delivery)
- ドイツのGirl’s Dayのイベントを開催 (富士通ドイツ)
- 女性リーダーのためのプログラム(INSPIRE)を提供(Global Delivery)
健康・障がい・アクセシビリティに関する取り組み
- 障がい者雇用率:2.45% (2022年6月時点)(富士通)
- 国際障がい者デーイベントの実施(Japanリージョン):当事者によるDE&Iへの想いに関するインタビュー動画の掲載
- 国際障がい者デーを祝福する施策を実施(各リージョン)
- 「LiveTalk」の社内展開(富士通および国内グループ会社)
- 新入社員研修における障がいのある社員による講話の実施(富士通)
- 障がいへの理解促進に関するセミナーの開催(2022年度:2回実施)
- 障がいを持つ人のための社員ネットワークグループの活動(各リージョン)
- 障がい者を支えるペットの写真コンテストを実施(Americas)
- ケアラーを支えるための#CaringforCarersキャンペーンを実施(Global Delivery)
- 障がい者の雇用・働き方を改善するための横断的プロジェクトによる当事者へのアンケート実施
文化・民族に関する取り組み
- 多様な文化や特定民族を理解するための社員ネットワークグループの活動(各リージョン)
- アフリカ系社員インクルージョンネットワークグループの活動(BEING)(Americas)
- ラテン系社員インクルージョンネットワークグループの活動(LatinX Link)(Americas)
- 外国人社員のメンタリングプログラムの提供およびEnglish Club(英語で社員が交流する社員ネットワークグループ)の支援(富士通)
- 富士通NZの法務コンプライアンスチームが、マオリと太平洋の人々のインクルージョンプランに関し、New Zealand Law AwardsのD&I Initiative of the Year Award のファイナリストに選定
- ナショナル・リコンシリエーション・ウィーク(オーストラリアの文化や歴史などを理解し先住民とより良い関係を創るための1期間)を祝福(APAC(オセアニア地域))
- マオリ族と太平洋の人々のインクルージョンプランの一環として、初めてマオリ族の新年を祝う星マタリキを祝福(富士通NZ)
- 日本を母国としない社員による日本での異文化体験のストーリーを共有
LGBTI⁺に関する取り組み
- Global Fujitsu Virtual Pride Week 2022の開催(富士通グループ)
- LGBTI⁺とアライによる社員ネットワークグループの活動(各リージョン)
- オンライン映画上映とディスカッションを開催(映画「私はワタシ -0ver the rainbow-」、「I am Here 私たちはともに生きている」)
- 日本における婚姻の平等を求める企業キャンペーン「Business For Marriage Equality」参加(2020年11月~)
- プライドハウス東京「LGBTQ⁺ユースEXPO」にてキャリア・ワークショップに登壇
- ナショナル・カミングアウト・デーおよびトランスジェンダー・アウェアネス・ウィークの祝福(Americas)
- Stonewall Workplace Equality Index で上位50社に選定(富士通UK)
- IDAHOBIT(国際反ホモフォビア/トランスフォビア/バイフォビア・デー)の祝福(Europe(CEE地域))
- The PRIDE Champion AuditによりPride Champion Silver 2022 を獲得(富士通ドイツ)
世代間に関する取り組み
- 退役軍人の社員ネットワークグループの活動(Americas)
- サンドイッチ世代(高齢の家族のケアと子供のケアを必要とされる世代)のためのウェビナーを開催(Global Delivery)
- 子供の日に、障がいのある子供や孤児のためにアグリカルチャー・ホスピタルやチャリティ団体へギフトや寄付を寄贈(富士通ベトナム)
- 負傷や疾病のある退役軍人に、ギフトと寄付を寄贈し、退役軍人を勇気づけた(富士通ベトナム)
- 障がいのある子供や、教育、テクノロジーおよび就労機会へのアクセスが無いか少ない子供を支援するための寄付や奨学金を寄贈(富士通タイランド、富士通ベトナム、富士通インドネシアおよび富士通シンガポール)
仕事とプライベートの両立支援に関する取り組み(富士通)
イベント名 | 回数 | 参加者 | 内容 |
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DE&I/育児中社員向けセミナー | 2回 | 114名 | 保健師からの健康アドバイス、外部講師講演、役員クラスとの対話、グループディスカッション |
DE&I/育児中社員の上司向けセミナー | 2回 | 314名 | 保健師からの健康アドバイス、外部講師によるマネジメントに関する講演、グループディスカッション |
産休・育休取得前準備セミナー | 2回 | 412名 | 制度説明、保健師からの健康アドバイス、産後ドゥーラによる講義、パネルディスカッション、グループディスカッション |
- 育児・介護制度利用者数および育児・介護休職からの復職率・定着率(富士通)
制度利用者数(2022年度:富士通)(単位:名)(注3)
- (注3)年度末(3月20日)時点に在籍している正規従業員を対象とします。
- (注4)出産後8週間以内に取得した短期育休とその後の再取得(いわゆるパパ休暇)はそれぞれ1名とカウントしています。
- (注5)年度内出産かは問わず、対象の子に対して初めて育児休職を取得した社員(育児休業の取得状況公表に伴う算出方法に準拠)(育休との併用含む)
- (注6)年度内出産かつ年度内に当該取得した従業員(育休との併用を含む)
育児・介護休職からの復職率・定着率(2022年度:富士通)
復職率 | 定着率 | |
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育児休職 | 100% | 96.6% |
介護休職 | 100% | 85.7% |