トップメッセージ

 

代表取締役社長 CEO/CDXO 時田 隆仁代表取締役社長
CEO/CDXO
時田 隆仁

COVID-19の影響が長期化し、感染拡大をできる限り防ぎながら社会経済活動を維持するウィズコロナの生活が広まりつつあります。パンデミックを機にデジタルトランスフォーメーションが加速し、新しい生活様式への対応も進んでいます。その一方で、ウクライナ情勢などの地政学的リスクをはじめとして社会の分断は深刻化し、市場環境の複雑さや経済の不安定化と相まって、世界中に大きな不安や影響を与えています。このような先の予測がつかない不透明な状況から、課題に俊敏に対応し、誰一人取り残さない社会システムの構築に貢献することの重要性を改めて認識しています。さらには、短期の事象のみならず、グローバル規模の環境・社会リスクについて、あらゆるステークホルダーへの貢献を念頭に、長期的な視点で対応することも経営には欠かせません。例えば、「気候危機」とも言われる気候変動問題に対しては、2050年カーボンニュートラルな社会の実現に向けて、今、行動を起こすことが求められています。このようにサステナビリティの課題を経営の中核に据え、お客様をはじめ様々なステークホルダーと共に対応し、社会の持続可能性と事業の両立を目指していくことが当社の役割と考えています。

富士通グループのパーパス(存在意義)は「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていく」ことです。策定の背景には、富士通グループがこれまで長年にわたりテクノロジーを通じてお客様に価値を提供してきた企業として、その変革に主体的に貢献する責任があるという強い思いがあります。また、パーパスは社会の持続可能性の向上に向けて、グローバル12万人の社員が、それぞれの思いを結集させて力を発揮していくための羅針盤でもあります。当社は、全ての事業をパーパスの実現にアラインさせていくために、社内のあらゆる仕組みや制度、企業カルチャーの変革を推し進めています。特に昨年度は、社会への価値提供と、当社の中長期的成長に最も重要な資本は人材であるという考えのもと、社員が自身のキャリア形成を見据えた仕事や学びに挑戦し、成長し続けることを後押しする人材マネジメントへのフルモデルチェンジを行いました。
パーパスの実現には、財務に加えて非財務面での経営指標も定め、社会に対して長期的で安定した貢献を行い、それが当社自身の成長機会の創出にもつながるサステナビリティ経営が必要です。そのため、人権、多様性、ウェルビーイング、環境、コンプライアンス、サプライチェーン、安全衛生、コミュニティといった7つの重要課題を設定し、GRB(グローバルレスポンシブルビジネス)という枠組みでの取り組みを進めています。昨年度は、商談プロセスの中にも、GRBの視点を取り入れました。当社のGRB活動をリファレンスとしてお客様へのご提案に盛り込みながら、お客様の社会課題解決への取り組みを支援しています。
さらには、サステナビリティを自社の活動にとどめず、事業そのものとして取り組むために、社会課題を解決するためのグローバルな事業ブランド「Fujitsu Uvance」を立ち上げました。2030年の社会のあるべき姿を実現するために解決すべき課題を起点に、これから重点的に取り組むことを、クロスインダストリーの視点と、それを支えるデジタルソリューションやプラットフォーム、そして当社の強みであるテクノロジーや世の中のニーズなどを掛け合わせて体系化しました。Sustainable Manufacturing、Consumer Experience、Digital Shiftsなど7つのKey Focus Areas(重点注力分野)を設定し、これらを通じてお客様のサステナビリティトランスフォーメーションを支援するとともに、様々な強みを持つ企業や組織とエコシステムを形成しながら、社会全体の課題解決へ繋げていくことを目指します。
当社は、GRBと「Fujitsu Uvance」でパーパスドリブンな経営を強力に推進し、社会の持続可能性の向上に貢献していきます。

最後に、富士通グループは国連グローバル・コンパクトの署名企業として「人権」「労働」「環境」「腐敗防止」の4分野10原則を支持し、人々や社会へのマイナスの影響を最小化するあらゆる努力と、不正を許容しない企業風土の浸透をグローバルに推進していきます。

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