Career & Growth Well-being

 

方針

「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていく」という当社のパーパス実現に向け、社内外の多才な人材が俊敏に集い、社会のいたるところでイノベーションを創出する企業となることを目指して社員の成長機会拡充に取り組んでいます。サステナブルな世界を実現するために、これまで富士通が得意としていたテクノロジー領域を活かし、専門性や経験を有する多様な人材が集う組織づくりに力を注いでいます。また、会社から一律の研修を提供するのではなく社員一人ひとりの自律的な学びと成長を支援するために、グローバル共通の施策をベースとして、学びやキャリアの選択肢を広く提供しています。社員のやりがい・働きがいの向上を重視し、制度の見直しや事業ポートフォリオの変革に即した社員のリスキリング・アップスキリングなどを一層推し進め、一人ひとりが充実して自律的に行動できる環境を整備することにより、社員のありたい姿の実現をサポートします。

キャリアオーナーシップ実現に向けて

2022年4月、社員一人ひとりの挑戦と成長を後押しする「ジョブ型人材マネジメント」の考え方に基づく、新たな人事制度を国内グループに導入しました。富士通のパーパスと、社員一人ひとりが「Purpose Carving」を通じて言語化した個人のパーパスとを共に実現するために、社員と会社が「自律と信頼」の関係に基づき共に成長していけるようにしたいという考えから、人事・人材育成制度のフルモデルチェンジに至ったものです。

本制度の下、社員各個人のキャリアオーナーシップ醸成と、これに基づく挑戦・成長を支援するプログラム群「FUJITSU Career Ownership Program(FCOP)」を提供しています。

社員と会社の関係
社員と会社の関係

社員一人ひとりのキャリア実現を支援する仕組み
社員一人ひとりのキャリア実現を支援する仕組み

FUJITSU Career Ownership Program(FCOP)

富士通の社員一人ひとりがキャリアオーナーシップを発揮しながら、充実したキャリアを実現していくための支援プログラム『FUJITSU Career Ownership Program(FCOP)』を展開しています。

例えば、キャリアについて同世代と対話しキャリアのヒントを得る場である「キャリアCafe」には日本国内の社員25%が参加しています。また、2022年度から導入した「キャリアオーナーシップ診断」では各人のキャリアオーナーシップの現状を診断することができ、5人に1人の社員が活用しています。

さらに、成長に向けた学びの機会を拡大することを目指し、2023年4月からグローバルラーニングプラットフォームとしてLinkedIn(注1)ラーニングを導入しました。全従業員の80%以上が活用し、自律的な学びの文化が醸成されつつあります。

このほか、自身の目指すポジションにチャレンジできる社内ポスティング制度によって国内の約10人に1人の社員が異動しています。さらに、社内インターンシップや社内副業を導入することで、社員の挑戦を支援するとともに、組織を超えて様々な経験を得る機会を提供しています。

社内キャリアカウンセラーによるキャリア面談では、相談者数が年間1,000名を超えています。これに加えて、オープンなキャリア対話をさらに後押しするために、他部門の先輩社員とのメンタリングの場を提供しました。また、上司との1on1でキャリア対話を円滑に実施できるよう、上司向けの研修も拡充しています。

このように、FCOPの各プログラムを通して、社員のキャリアオーナーシップに関する認知や理解、実践が着実に進んできています。

  • (注1)
    LinkedInはLinkedIn Corporationの商標または登録商標です。

Fujitsu Uvanceを支える取り組み

当社がサステナブルな世界の実現を目指して掲げている事業ブランド「Fujitsu Uvance」を実現していくために、社会やお客様の課題に向き合い解決することができる専門性と変革実行力を備えた人材が求められています。様々な取り組みにより「Fujitsu Uvance」と当社パーパスの実現を人材面から支えています。

Uvance Wayfinders の拡充

中期経営計画に基づき、お客様の課題を解決するコンサルティングを拡充しています。直近では、コンサルティングのケイパビリティを、リスキリングなどを通じて、2025年度までに10,000人規模に拡充することを目標としています。この実現に向けて、富士通のコンサルタント育成プログラムを通じ、コンサルタントとして必要な共通の土台となるスキルとマインドを、ラーニングと実践経験の二本立てで育成・醸成しています。こうした取り組みを通じて、Uvance・モダナイゼーションの価値をお客様に提供し、実現に導くコンサルティングの強化を図ります。

Fujitsu Innovation Circuit

Fujitsu Innovation Circuitは、誰もが挑戦の舞台に立つことができる会社になること、挑戦から学ぶという実践態度や、挑戦している人たちへの応援が当たり前になされる会社になること、これからの富士通を牽引し、Uvanceで目指す世界を実現していくイントラプレナー(社内起業家)を誕生させることを目標としています。

2021年11月より開始したAcademy、Challengeの2つのプログラムでは、米国バブソン大学でアントレプレナーシップ(起業家精神)について教える准教授・山川恭弘氏の全面監修の下、アントレプレナーシップの学習と実践によりイントラプレナーを育成しています。Academyでは第5期までに967名が参加して起業のマインドセットを学習しました。また、Challengeでは第3期までに、35件のアイデアを受け入れました。さらに2022年7月には、Challengeで検討したビジネスアイデアをインキュベーションする株式会社富士通ローンチパッドを新設し、新規事業創出のためのスキームをより充実させました。2024年度開始時点では4件のプロジェクトが事業化に向けて進行しています。

Global FDE

「Global Fujitsu Distinguished Engineer」(以下、「Global FDE」)は、当社の技術の顔として、その卓越した技術力を活用し、お客様のビジネス課題を解決する先鋒を担います。富士通グループのエンジニアの最高峰としてグローバル共通の基準で認定され、当社の事業戦略や技術戦略の策定に参画します。

当社において将来の重要な技術領域である「ネットワーク」「サイバーセキュリティ」「AI」「データ」「コンピューティング」「ハイブリッドIT」「プロジェクトマネジメント」の7つの認定領域を設定し、2023年度までにグローバル全体で33名の「Global FDE」を認定しました。さらには、ジョブ型人事制度と連動させる形で、ビジネス戦略やお客様の価値創造に貢献しているエンジニアの処遇とキャリアパスを位置付けていきます。

リスキル研修

Fujitsu Uvanceにおける「クロスインダストリーを支えるテクノロジー基盤」の1つであるBusiness Applicationのビジネス拡大に向けた要員強化のため、リスキル対象者のロールに応じたプログラムを構築し、展開しています。

中でも3S(SAP、ServiceNow、Salesforce)では、教育とOJTを通し約半年かけて対象者をリスキリングすることで、国内リソースを増強。これまで数百人規模に対して実施し、現場部門での早期戦力化へ貢献しています。2023年度は4回に渡り、計132名に実施しました。

推進体制

パーパスの実現に向け、グローバル一体となった人材育成施策を推進するための体制を構築しています。全社人材育成ではEngagement & Growth統括部が、部門の戦略・ビジネスニーズに対する人材育成では各部門の人材開発部が主査となり、強化すべき人材やスキルの明確化、育成施策の企画などを行っています。2022年10月には、社員のスキル開発に特化した組織としてSkill Ownership Office(SOO)を新設。富士通のビジネスをドライブする人材がグローバルに活躍できるように、社内に点在しているリスキル・アップスキルの枠組みをセントラライズし、Fujitsu Uvanceの実現を目指しています。

また、グローバル各リージョンの人材開発部門と連携しながらナレッジシェアを推し進めるとともに、リージョンに特化したローカル施策も組み合わせながら、あらゆる社員が学び、成長できるための支援を実施しています。

なお、専門性の高い研修・教育の実行については、人材育成サービスを提供するグループ会社の株式会社富士通ラーニングメディアが担い、社員のキャリアオーナーシップを後押しする重点施策の実行とデータ分析に基づくフィードバックのサイクルを回しています。

リージョンの主な取り組み

Mindfulness Lab / Mindfulness Work in Americasリージョン

AmericasリージョンではMindfulness Lab、Mindfulness Workの2つのプログラムを実施しています。隔週30分間のエクササイズのなかで、冷静になること、集中すること、他者とつながりを持つことの意識を高め、仕事のパフォーマンス向上につなげています。Europeリージョンとのコラボレーションも実施し、アメリカだけでなく各地域のタイムゾーンにも提供しています。

Career Hub in Europeリージョン

英国では、キャリアモビリティツールCareer Hub(1,176名が利用)に様々なプログラムを掲載し、社員のキャリア開発を促進しています。マネージャー向けプログラム「Ready to Lead」(80名が受講)、Udemy(約700名が受講)、顧客対応研修、無料のAWS研修などのプログラムを提供しており、多くの社員が受講しています。

GRiP Workplace Well-being Workshop in Global Delivery Center(GDC)

Global Delivery Center(GDC)では、マネージャー向けにGRiP Workplace Well-being Workshopを行っています。100名を超えるマネージャーが、ストレスの多い状況下でチームメンバーを管理するために必要なことを学んでいます。心理的安全性の保たれた職場を作ること、効果的なコミュニケーションを実践し職場のウェルビーイングを促すこと、マネージャー自身がレジリエンス(困難をしなやかに乗り越え回復する力)のあるロールモデルになることに焦点を当てた研修を受講することで、マネージャーとメンバーが信頼関係を築き、オープンなコミュニケーションができるようになることを目指しています。

2023年度実績

表 一人当たりの年間平均学習実績、年間教育金額(富士通および国内グループ会社)

 全体平均
年間平均学習時間37.4時間
年間教育金額84.0千円
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