外部団体との協業
社会や環境において様々な課題が山積する昨今、企業は、お客様や投資家の皆様へはもちろんのこと、社員やサプライヤー、大小様々なコミュニティなど、あらゆるステークホルダー(利害関係者)に対し責任を持つべきという考え方が国際的に浸透しています。
富士通はこの考え方に共鳴し、国際団体や志を同じくする様々な企業と連携しながら、持続可能な社会の実現に向けて取り組んでいます。
持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD)への参画
WBCSD(World Business Council for Sustainable Development)は、世界各国から230社以上の企業が加盟する国際団体です。当社は2013年に同団体へ参画しており、2018年からは当社役員が副会長や理事も務めるなど、WBCSDの掲げるビジョン(注1)のもと、ビジネスを通じた変革の加速に向けて参加企業の皆様と協働しています。
当社はWBCSDの幅広い取り組みへの参加を通じて、様々な団体・企業と分野を超えて相互に知見を高め合い、持続可能な開発への最良な手法を検討し、それを実践する活動を展開しています。
主な取り組み
- 企業間データシェアリングによる脱炭素交通実現に向けた実証の実施:当社はWBCSD、オランダのコンサルティング会社Arcadis、イギリスの電力会社National Gridと共同で当社のフリート最適化サービスを活用したデジタルコラボレーションを実証しました。電気自動車(EV)の充電をグリーン電力が豊富な時間帯に実施することで、フリート事業者のEV充電によるCO2排出量15%削減を確認しました。
- IPM(Integrated Performance Management)の展開:ESGを意思決定プロセスに組み込むフレームワーク・IPMの普及を目指すWBCSD内のプロジェクトに参画し、2023年に他社と協力してIPMに関するレポートを作成しました。このレポートでは当社の事例としてパーパスを実現するための企業トップとしての強いコミットメントの重要性と取り組みを紹介しています。
引き続き、当社グループのパーパスと方向性を同じくするWBCSDの活動に積極的に取り組み、持続可能な未来の実現に貢献していきます。
- (注1)WBCSDの掲げるビジョン:2050年までに90億人以上がプラネタリーバウンダリーの範囲内で真に豊かに生きられる世界を実現する
世界経済フォーラム(WEF)への参画
世界経済フォーラム(WEF: World Economic Forum)は、経済学者であるクラウス・シュワブ氏により設立された非営利財団で、グローバル・シチズンシップの精神に則り、パブリック・プライベート両セクターの協力を通じて、世界情勢の改善に取り組んでいます。そして、あらゆる主要国際機関や経済界、政界、学界、そして社会におけるリーダーと緊密に連携し、世界・地域・産業のアジェンダを形成しています。
2024年1月に世界経済フォーラム(通称「ダボス会議」)の年次総会がスイスのダボスで開催されました。2024年は「Rebuilding Trust」をテーマに、中東情勢・ウクライナ情勢などの地政学的リスク、生成AIに代表される新技術の問題点やエネルギー問題をはじめとする資源問題などについて議論されました。
総会では、社長の時田と副社長の古田(当時)が政財界のリーダーとともに、経済安全保障、サステナビリティやDX、生成AIなどの新技術の将来などについてグローバル・アジェンダを共有し合うことができました。
また現地において、当社として2年目となる日本企業として唯一の自社ブース「Fujitsu Uvance House」を設置し、SEVPの高橋(当時)、EVPの山本などと各国政府関係者や企業のトップとのネットワーキング、Financial Timesと共催したラウンドテーブルを通じて、重要顧客の経営層と関係性を深めました。
当社グループは、フォーラムメンバーシップの一員として、今年の年次総会のテーマの実現に向けて、グローバル・アジェンダと当社グループのマテリアリティと連動し、ネットポジティブを実現するテクノロジカンパニーとして、グローバルコンセンサスの形成をリードしていくよう取り組んでいきます。