製品の省資源化・資源循環性向上と資源再利用

 

製品の省資源化・資源循環性向上

富士通グループのアプローチ

資源の枯渇や過度な採掘による自然破壊、国際的な資源価格の高騰・下落、レアメタルの供給不安など、社会や企業の持続可能性を脅かすリスクが高まる中、欧州委員会は成長戦略である「欧州グリーンディール」の柱の1つとして新サーキュラーエコノミーアクションプランを掲げ、「資源の効率化」をより社会実装において加速させるための施策を進めています。例えば、エコデザイン指令の整備や重点分野として循環電子機器イニシアティブを提案し、製品ライフサイクル全体での循環型経済を推進しており、世界全体でこの動きが高まっています。また、富士通グループが提供するICT製品においても、資源循環の視点に立ち、資源を効率良く使用していくことが重要と考えています。その実現に向けて、これまでも3R(Reduce・Reuse・Recycle)を意識した「3R設計」を推進し、省資源化に有効な技術を製品に展開してきました。製品の小型・軽量化、再生プラスチックの使用、部品点数削減、解体性・リサイクル性の向上などを通じて、資源効率向上による環境負荷低減を推進することはもとより、小型・軽量・省スペースなど、お客様にもメリットをもたらす優れた製品の提供を目指しています。

2021年度実績

第10期環境行動計画 目標項目2021年度実績
製品の省資源化・資源循環性向上を推進し、新製品の資源効率を10%以上向上する。(2019年度比)10.1%向上

新規開発製品の資源効率向上を追求

従来、資源効率の向上を総合的・定量的に評価する仕組みがなく、資源効率に関する公的な指標も存在していなかったことから、2012年度に富士通グループ独自の「資源効率」を定義しました。

2021年度も、自社設計により新規開発する製品について、この指標を用いた評価を実施し、製品の部品点数削減、部品の小型・薄型・軽量化、高密度実装による小型化などの取り組みを推進しました。

資源効率向上10.1%を達成

サーバ、ストレージ、パソコン、ネットワーク機器などにおいて小型化、軽量化を推進した結果、2021年度は2019年度に対して10.1%向上を達成することができました。

第10期環境行動計画目標の達成に向けて

行動計画目標の達成に向けて、これまでの取り組みを継続していくとともに、軽量高剛性の新規材料開発や再生材の使用拡大にも取り組んでいきます。
また、環境性能を広く訴求することで認知度向上を図り、拡販にもつなげていきます。

参考情報資源効率の定義と算出式

第10期環境行動計画 再エネ率

2021年度の取り組み事例

1FINITY T7001FINITY T700

最先端の光伝送技術採用と資源効率向上、省エネルギーを実現した1FINITY T700

1FINITYシリーズは、通信キャリアシステムを支える光伝送機器です。光伝送機器とは、光により情報伝達やデータ送信を行う機器のことです。1FINITYシリーズでは、従来の光伝送機器を機能分離することで、規模に適した設備投資、ネットワークの継続的進化、ランニングコストの最小化、フレキシブルな運用を実現しています。

今回、1FINITYシリーズにおいて「1FINITY T700」を開発しました。1FINITY T700は、400Gbps*を伝送できる長距離伝送トランスポートブレードです。最先端の光伝送技術を搭載するとともに、柔軟な光パス(回線)の管理が可能となっています。

環境面では、省資源、省エネルギーの両面から環境負荷を低減しています。部品の小型化・点数削減・集約化、モジュール化により、従来機種と比較して性能あたりの資源効率を40.0%向上しました。さらに、業界をリードする低消費電力化技術の採用により、従来機種と比較して伝送性能あたりの消費電力を45%削減しました。

最先端の光伝送技術採用と資源効率向上を実現した1FINITY T700の使用を通じて、豊かな社会の実現に貢献していきます。

Gbps*:1秒間に何ギガビットのデータを送れるかを表すデータ伝送速度の単位

製品の資源再利用

富士通グループのアプローチ

富士通グループのリサイクル活動は、製品の設計・製造段階だけでなく廃棄やリサイクルの段階まで生産者が責任を負うという「拡大生産者責任(EPR)」の考え方、および自社の製品に対して責任を負う「個別生産者責任(IPR)」の考え方に基づいています。この考え方の下、日本では「資源有効利用促進法」に基づき、産業廃棄物広域認定制度の認定業者である富士通が、国内各地の富士通リサイクルセンターで産業廃棄物の適正処理を受託し「事業系ICT製品の資源再利用率90%以上を維持する」を自主管理指標として活動しています。

事業系使用済みICT製品の資源再利用率

項目2019年度2020年度2021年度
資源再利用率[%]91.191.692.9
ページの先頭へ