製品使用時の消費電力によるCO2排出量の削減
富士通グループのアプローチ
ICTの普及拡大および、ICT製品の高性能化・高集積化に伴いエネルギー需要の増加が見込まれる中、様々な国・地域において、ICT製品のエネルギー規制の拡大が進むとともに、社会的にもエネルギーラベル適合やグリーン調達要件としてエネルギー効率が重要視されるようになっています。
GHG排出量削減に向け、富士通グループの製品においても、製品使用時のエネルギー効率向上を図っていく必要があると考えています。こうした中、省エネ技術を積極的に採用し、さらなるエネルギー効率の向上に継続的に取り組むことで、お客様における製品使用時の消費電力の低減化に貢献できる製品の開発を推進していきます。
2023年度実績
第11期環境行動計画 目標項目 | 2023年度実績 |
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製品の使用時消費電力によるCO2排出量を2020年度比7.5%以上削減する。 | 削減率34.2% |
製品使用時の消費電力によるCO2排出量の推移
(注)集計精度の向上に伴い、2022年以前の数値を遡及して修正第11期環境行動計画の取り組み
バリューチェーン全体の排出量ネットゼロ目標に基づき、第11期環境行動計画ではその経過年として2025年度に2020年度比12.5%以上の削減を目標に設定しました。この目標達成に向けて、事業部門ごとに、2023年度~2025年度に開発が見込まれる製品のエネルギー効率改善などに取り組んでいます。具体的には、低消費電力部品の採用や機能集約による端末数の削減、高効率電源の採用、省電力制御の最適化、部品点数の削減、省電力デバイスの採用などを積極的に推進しています。
CO2排出量 2020年度比34.2%削減を達成
サーバ、ストレージ、パソコン、ネットワーク機器などにおいて省エネ技術を横断的に適用・拡大した結果、2023年度は2020年度に対して34.2%削減を達成することができました。
目標の達成に向けて
バリューチェーン全体のGHG排出量ネットゼロの達成に向けて、各部門において、エネルギー効率を改善した製品の開発を一層進めていきます。また、エネルギー効率の改善施策として、優れた省エネ技術を横断的に展開し、適用製品を拡大していきます。
さらに、将来に向けて、エネルギー効率の革新的向上に貢献する省エネデバイスの先端技術開発を進め、早期の製品適用を目指します。
2023年度の取り組み事例
スピード、パワー、安定性と省エネルギーを両立したCELSIUS W5012
CELSIUS W5012は、最新の技術をフル投入したPCワークステーションです。PCワークステーションとは、処理負荷の重い作業を行うために開発されたコンピュータのことで、富士通グループではCELSIUSシリーズとして提供しています。
2023年度に提供開始した「CELSIUS W5012」では、Windows 11 Pro、第13世代インテル® Core™ プロセッサー・ファミリー、DDR5メモリを搭載するなど最新の技術を投入しており、主にCAD、建築・構造解析、ヘルスケア、2D・3D映像制作といった分野での利用が可能です。
環境面では、低消費電力部品を採用することにより、従来機種と比較して使用時の消費電力を44%削減できました。また、省エネルギー法に基づくエネルギー消費効率(2022年度基準)にて「AAA」を達成しました。
最新の技術をフル投入しつつ、省エネルギーも実現したCELSIUS W5012の利用を通じて、富士通はこれからも環境と人どちらにもやさしい社会の実現を目指します。