TCFDに基づく情報開示

気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD; Task Force on Climate-related Financial Disclosures)は、気候変動に関わる金融市場の不安定化リスクの低減を目的に、G20の要請で金融安定理事会により設立されたタスクフォースで、気候変動がもたらすリスクおよび機会について企業等が把握、開示することを推奨する提言を2017年6月に発表しました。富士通グループでは、CDP(注1)への回答等により、提言に沿った開示に努めるとともに、富士通として2019年4月にTCFD提言への賛同を表明しました。

  • (注1)
    CDP:
    企業や都市の重要な環境情報を測定、開示、管理し、共有するための唯一のグローバルなシステムを提供する国際的な非営利団体。企業が環境や天然資源に及ぼす影響を開示するように、またその影響を軽減する対策を取るように、世界の主要な機関投資家と共に働きかけている。
項目対応状況参照先
ガバナンス環境経営の推進体制において、代表取締役社長を委員長とした「サステナビリティ経営委員会」を設けています。同委員会は、中長期的な課題の検討や方針の策定、気候変動による事業リスク・機会の共有や対策を決定し、進捗管理を行っています。また、それらの結果は、経営会議を通じて取締役会に報告されます。さらに、全社レベルのリスクマネジメント体制において、取締役会の監督の下、代表取締役社長を委員長としたリスク・コンプライアンス委員会が、気候変動関連を含むグループ全体のリスク分析と対応を行っています。同委員会は、リスクマネジメントに関わる最高決定機関であり、抽出・分析・評価された重要リスクについて、定期的に取締役会に報告しています。
これらの委員会では、委員長である代表取締役社長および担当役員等が委員として役割を担っています。
また、富士通グループはISO14001に基づく環境マネジメントシステム(EMS)を構築しており、EMSによる活動結果は、経営会議を通じて取締役会に報告されます。
戦略富士通グループは、2°Cシナリオを用い、2050年までを考慮したシナリオ分析を実施しています。その結果、下表のようなリスクと機会が示されました。気候変動の「緩和策」や「適応策」に貢献できるICT製品やサービス提供は売上拡大の機会をもたらし、物理リスクや規制リスクは、自社オペレーションやサプライチェーン対応における運用コスト等に影響を与えます。リスクへの対応等の詳細は、右記「環境リスクへの対応」をご参照ください。
これらの中長期(2030~2050年)の気候変動に関連するリスクと機会の分析を踏まえ、2050年までの中長期環境ビジョン「FUJITSU Climate and Energy Vision」を策定しました。社会が脱炭素化に向かう中、取り組みの遅れはリスクと認識し、ICTを活用した自らのCO2ゼロエミッションを推進するとともに、得られるノウハウのサービス化も含め、脱炭素社会の構築と気候変動への適応にデジタル革新を支えるテクノロジーやサービスで貢献することをビジョンの狙いとしています。中長期環境ビジョンに基づく対応により、当社は戦略のレジリエンスがあると評価しました。

リスク/機会内容
政策・法規制リスク温室効果ガス排出やエネルギー使用に関する法規制強化(炭素税等)に伴い、対応コストが増加するリスク、および違反した場合の企業価値低下のリスク
技術リスク脱炭素社会に向けた熾烈な技術開発競争(省エネ性能、低炭素サービス等)で劣勢になった場合、投資未回収や市場シェア低下が生じるリスク
市場リスク製品やサービスに対する省エネ性能のニーズを満たせなかった場合、ビジネス機会を逸失するリスク
評判リスク気候変動対策状況(再エネ導入比率等)に関するステークホルダーからのネガティブ評価に伴い、企業価値低下、対応コスト増大などが生じるリスク
製品・サービスの機会低消費電力製品(ハイパフォーマンスコンピュータ等)や気候変動の緩和・適応に貢献するサービス(数理最適化技術を活用した効率化、AIによる河川水位予測等)の提供による売上増
市場の機会ICT活用により創出される気候変動対策に向けた新規市場機会獲得(AIを活用したエネルギー効率の向上、スーパーコンピュータを活用した各種シミュレーション、ブロックチェーン技術によるエネルギー需給調整等)
リスク管理全社レベルのリスクマネジメント体制において、リスク・コンプライアンス委員会を設置し、気候変動関連を含むグループ全体のリスクの識別・評価・管理を実施しています。同委員会は全社共通のリスクアセスメントを定期的に実施するため、ツールを作成して各リスク・コンプライアンス責任者に配布し、回答を収集します。全社横断的な各リスクの所轄部門は、このツールを用いてリスクの脅威に関する影響度および発生可能性、対策状況等の項目についてアセスメントを実施し、リスクの脅威を回答します。気候変動関連のリスクアセスメントは、すべての関係部門が全社から収集した情報を用い、政策、評判、自然災害、サプライチェーン、製品・サービス等の各部門の専門性をもとに実施しています。リスク・コンプライアンス委員会は、各部門が回答したアセスメントの結果を影響度および発生可能性の2側面で一元的にマトリクス分析し、全社レベルでの優先順位の高いリスクを抽出します。この結果は取締役会に報告されます。
サステナビリティ経営委員会では、気候変動による事業リスク・機会や対策を共有し、進捗管理を行っています。また、富士通グループはISO14001に基づく環境マネジメントシステムを構築しており、この体制の下で法令遵守等のリスクのモニタリングを行っています。
指標・目標富士通グループは、気候関連のリスク対応において、GHG排出量の削減および再生可能エネルギーの導入が重要であると認識しています。また、自社で実現した革新的省エネ技術の展開は、気候関連の機会獲得につながると考えています。従って、GHG排出量および再生可能エネルギー導入比率を指標としています。中長期的な目標として「SBTi の認定目標」「RE100目標」を、短期的な目標として「環境行動計画」を定め、指標をモニタリングし、戦略の進捗管理およびリスク管理を実施しています。
富士通グループのGHG排出量削減目標および実績を下表に、「中長期環境ビジョン」の1項目である自らのCO2ゼロエミッションの達成に向けたロードマップおよび施策を下図に示します。

項目GHG排出量実績(2020年度)
Scope 175 千トン-CO2
Scope 2(Location-based)583 千トン-CO2
Scope 2(Market-based)540 千トン-CO2
Scope 3(Category 1)1,104 千トン-CO2
Scope 3(Category 11)3,094 千トン-CO2
項目目標実績
(2020年度)
自らのGHG排出量削減*1短期2020年までに14%削減*2環境行動計画32.7%削減
中期2030年までに71.4%削減*2SBT1.5℃認定
長期2050年までに80%削減*2*3SBT2.0℃認定
バリューチェーンのGHG排出量削減*1中期2030年までに30%削減*4SBT2.0℃認定48.7%削減
再生可能エネルギー導入比率中期2030年までに40%導入RE100加盟10.1%導入
長期2050年までに100%導入RE100加盟

*1 2013年比  *2 Scope 1 + Scope 2 *3 クレジット含まず  *4 Scope3 Category 1 + Category 11

自らのCO2ゼロエミッション達成に向けた2050年までのロードマップ 自らのCO<sub>2</sub>ゼロエミッション達成に向けた2050年までのロードマップ

ページの先頭へ