データセンターのPUE(電力使用効率)改善

富士通グループのアプローチ

データセンターのエネルギー消費量は、デジタル化の進展などで増加傾向にあり、データセンターの環境パフォーマンスに対する社会の関心が高まってきています。

富士通グループの事業別CO2排出量(2019年度)に占めるデータセンターの割合は約3割、国内外の主要28データセンターのCO2排出量増加率は2013年度から2019年度の6年間で年平均約2.0%となっています。今後も、デジタル化の伸長に伴い、データセンターのCO2排出量は増加していくことが予想されるため、環境配慮型データセンターの推進は、富士通グループにとって社会的責任であるとともに、ビジネス基盤の強化の面でも長期視点で取り組むべき重要テーマとなってきています。

2019年度の実績

第9期環境行動計画 目標項目2019年度実績
データセンターのPUE(注1)を2017年度比で2%以上改善する。PUE 1.56, 改善率1.9%
  • (注1)
    PUE(Power Usage Effectiveness):
    データセンターの電力使用効率を示す指標。データセンター全体の消費電力を、サーバなどのICT機器の消費電力で割った数値。
    1.0に近いほど効率的とされる。

目標達成に向けた活動の推進

富士通環境行動計画に基づき、国内外のデータセンターでPUEの改善活動を進めています。2019年度の第4四半期は新型コロナウィルス感染症の世界的な拡大により一部活動の制約がありましたが、昨今の猛暑による影響も鑑み、第1四半期から計画的な投資や徹底的な運用改善の実施により、2019年度は目標を達成することができました。主に空調設備の冷却効率改善に取り組み、コールドアイルキャッピングの設置追加やAI制御空調エリアの拡大。ホットスポット対策や細かな空調チューニングなどで使用電力を継続的に削減しています。また運用改善については、ブランクパネルや床穴の塞ぎ状況など9項目を改めて調査し、各施策の実施率を80%以上とする目標を立てて活動し、全体で約90%を達成しています。さらに省エネ活動と同時にRE100(注2)の達成に向けて、再生可能エネルギーの利用拡大にも取り組んでいます。

  • (注2)
    RE100:使用電力を100%再エネ由来とすることを目指す国際的なイニシアチブ。NGO団体である The Climate Group がCDPとのパートナーシップの下で運営。

PUE値とPUE算出方法

PUE値PUE算出方法、その他
レンジ:1.30~2.11
対象DC数:28
The Green Gridを適用
DCMMを活用した改善活動の実施
DCMM:Data Center Maturity Model(DC成熟度モデル)

2019年度の取り組み事例

AI空調制御による冷却エネルギーの効率化

国内の主要な1拠点のデータセンターでは2018年度よりサーバ-室内のIT負荷の状況変化に対する空調制御最適化アルゴリズムの効果検証の結果、最適な機械学習アルゴリズムの開発に成功しました。2019年度の上期からは本格的な運用をスタートし、2019年度末には全サーバールームの約60%をAI制御でカバーしています。空調エネルギー全体の15~20%を削減しており、今後も他のデータセンターを含めて展開して行く予定です。

AI空調制御による冷却エネルギーの効率化

運用改善による空調エネルギーの効率化(施策実施率80%以上の取組み)

国内および海外ともに空調機の細かなチューニングやホットスポット対策(アイルキャッピング、ブランクパネル設置など)を実施しており、2019年度のPUE改善目標達成に大きく貢献をしています。

  • 改善施策例(Australia)
  • 冷却温度とファンの速度調整によるサーバールームの最適化

環境データの見える化と省エネルギーツール(*EMOS)でホットスポットなどの改善ポイント解析に要する時間を大幅に短縮し、サーバールームの最適化を実施しています。
* EMOS(Environmental Monitoring and Optimization Solution: 環境監視最適化ソリューションツール)

また同様の診断で他の2つのデータセンターにおいて、コールドアイルキャッピングの追加設置も実施しています。

ホットスポットの可視化イメージホットスポットの可視化
空調機調査結果イメージ空調機の調整結果(風量、電力)
  • 改善施策例(UK、Germany、America)
  • コールドアイルキャッピング追加設置と冷気吹出しグリルの位置調整による空調効率化

ICT機器の増減によるラック設置個所の変更に合わせ、迅速な冷気吹出しグリルの位置変更とコールドアイルキャッピング設置で冷却エネルギーの効率化を実施しています。またAmericaのデータセンターは冷気吹出しグリルの位置調整と合わせて風量も床下の可変ダンバーで調整し、より冷却エネルギーの効率化をしています。なおブランクパネルも追加設置しており、さらに効率化を実現しています。

コールドアイルキャッピングとブランクパネルGermanyコールドアイルキャッピングとブランクパネルUKコールドアイルキャッピングとブランクパネル
左Germany、右UK
America冷気吹出しグリル位置の最適化America:冷気吹出しグリル位置の最適化

海外データセンターとの情報連係強化による改善の促進

海外との改善活動の連携と強化のために、社内のイントラネットを活用した情報共有や定期的なリモート会議でのコミユニケーションを図っています。今後もより円滑な改善が図れるよう、改善効果の評価方法や各拠点で得たノウハウをガイドラインに集約して富士通グループ内に展開する計画です。

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