データセンターのPUE(電力使用効率)改善

 

富士通グループのアプローチ

データセンターのエネルギー消費量は、クラウドコンピューティングの普及拡大などで増加傾向にあり、データセンターの環境パフォーマンスに対する社会の関心が高まってきています。

富士通グループの事業別CO2排出量(2021年度)に占めるデータセンターの割合は約4割となっています。今後も、デジタル化の伸長に伴い、データセンターのCO2排出量は増加していくことが予想されるため、環境配慮型データセンターの推進は、富士通グループにとって社会的責任であるとともに、ビジネス基盤の強化の面でも長期視点で取り組むべき重要テーマとなってきています。

2021年度実績

第10期環境行動計画 目標項目2021年度実績
データセンターのPUE(注1)を2017年度比で3%以上改善する。PUE 1.56, 改善率1.6%
  • (注1)
    PUE(Power Usage Effectiveness):
    データセンターの電力使用効率を示す指標。データセンター全体の消費電力を、サーバなどのICT機器の消費電力で割った数値。
    1.0に近いほど効率的とされる。

目標達成に向けた活動の推進

富士通環境行動計画に基づき、国内外のデータセンターでPUEの改善活動を進めています。2021年度も新型コロナウィルス感染症拡大の影響を受け、海外データセンターの一部で都市のロックダウンによる活動の制約がありましたが、全体的には、空調設備の更新や省エネ施策の拡大を実施し、2021年度の目標を達成することができました。中間期の外気冷房やフリークーリングの稼働時間延長、IT機器の発熱量と冷却能力の適切なバランス調整など運用面による施策の拡大で空調電力削減を図っています。

また前年に引き続き、空調設備が本来の能力を発揮しているかの機能評価と性能維持も実施しています。さらに省エネ活動と併行し、カーボンニュートラルの達成に向け、再生可能エネルギーの利用拡大にも取り組んでいます。(2022年に国内データセンターのcloudサービス100%再エネ化に向けて運用中)

PUE値とPUE算出方法

PUE値PUE算出方法、その他
レンジ:1.33~2.14
対象DC数:23
The Green Gridを適用
DCMMを活用した改善活動の実施
DCMM:Data Center Maturity Model(DC成熟度モデル)

2021年度の取り組み事例

運用改善を中心とした空調電力の削減

新型コロナウィルス感染症拡大の影響で計画通りの改善活動がスタートできなかった拠点もありましたが、IT電力量(発熱量)に合わせた空調チューニングを全体的に実施しております。空調温度や冷水温度の緩和、冷却設備の稼働台数調整など、対象フロアーを拡大して実施しました。更に外気冷房やフリークーリングを有する拠点では、前年度より比較的外気温度が低かったことから、中間期早々より稼働させて空調電力の削減に努めました。また2019年度より国内の1拠点で運用をスタートした空調のAI制御も対象フロアーを拡大しており、空調エネルギー全体の15~20%を削減しています。今後も他のデータセンターを含めて展開して行く予定です。

空調チューニングイメージ
空調チューニングイメージ

海外データセンターとの情報連係強化による改善の促進

海外のデータセンターとPUE改善活動を連携し、活動のさらなる強化を図るため、定期的なリモート会議で改善の進捗状況や各拠点で得た改善施策のノウハウなどを情報共有してコミユニケーションを図っています。今後は社内ポータルサイトによる関連情報の共有やデータの高度化による進捗状況および改善ポイントの可視化で、より改善活動が円滑となる計画をしています。

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