製品LCAの取り組み

 

ライフサイクルアセスメント(LCA:Life Cycle Assessment)の実施

富士通グループでは、1998年から環境配慮設計の開発強化を目的として導入した「グリーン製品」評価制度に製品のLCAを用いており、それ以降、新製品の開発時にLCAを実施し製品のさらなる環境配慮設計に活用しています。その他、一部の製品では、社内での製品LCAの取り組みを活かし、SuMPO EPDやEPEAT(Electronic Product Environmental Assessment Tool)など環境ラベル取得にも取り組んでいます。

一方、製品のサービス化が進みIoTを用いたクラウド事業などが増え、シェアリングの社会的ニーズが拡大するとともに、循環経済(Circular Economy)の議論が政策の側面から強く求められつつあります。特に、シェアリングなどのサービスを展開すると、使用時のメンテナンスや使用後の回収などが効率的にできることから、リユースや部品のリファービッシュ、リマニュファクチャリングなどが進み資源循環に貢献できることが考えられます。そこで、環境配慮設計に基づいたグリーン製品が、サービスを支える製品という位置づけで、サービサイジングにおけるLCAの検討を開始しました。

さらに、様々な産業界においてLCAの活用が求められています。そこで、2021年度に開始された産業界横断のプロジェクトであるGreen x Digitalコンソーシアム・見える化WG新しいウィンドウで表示において、富士通のこれまでのLCAのノウハウを活かし、グローバルでの共通のルール化やサプライチェーン全体でのカーボンニュートラルに資するデータ流通と環境配慮設計の取り組みを実践する企業を支援するために、作業部会に積極的に参加しています。特に、富士通は、データフォーマット連携検討SWGのリーダーを務めています。

製品LCAのライフサイクルフローは以下の通りです。

製品のLCAの評価範囲製品のLCAの評価範囲

ライフサイクルにおけるCO2排出量グラフ

ライフサイクル全体のCO2排出量を100とした場合の各ライフサイクルステージの比率を示しています。

サービサイジングにおけるLCAの実施

富士通グループでは、シェアリングなどが進む社会において、サービスを提供することで「環境負荷が低減するのか」や「どこにトレードオフがあるのか」を把握するため、サービサイジングの関連部門と共にサービスを機能単位としたLCAに取り組んでいます。1つの事例として、サーバのクラウドサービスについて、オンプレミスとの比較により効果推定を行いました。クラウドのデータセンターにサーバを集約することで、オンプレミスに比べて効率的なサーバ運用・データ処理が可能となり、また、保守部品へのリユース(リファービッシュ部品の活用)や使用後のリサイクルにおいて高効率な資源回収を実現することで、資源消費量と廃棄物量を低減する推定結果を確認しました。本取り組みにより、CO2排出量の低減だけでなく、資源に関する環境負荷の低減にも貢献することが分かりました。引き続き、様々なサービサイジングのLCAを実践して、サービス化におけるLCAの課題抽出や、サービスをより低炭素・循環型システムへ移行するための使用時に着目したサーキュラー型製品設計の検討、およびビジネスモデル創出に活用していきます。今後、ますますシェアリングやクラウド化などの製品のサービス化が加速すると考えられるため、サービス(機能)を提供することで『省エネ・省資源』 および 『継続的な事業』の両立から、SDGsのゴール12「つくる責任 つかう責任」に貢献し、持続可能な社会の構築を目指します。

サービサイジングにおけるライフサイクルフローは以下の通りです。

サービサイジングのLCAの評価範囲サービサイジングのLCAの評価範囲

ページの先頭へ