企業ブランド刷新で世界的デザイン賞を受賞!
新ブランドアイデンティティに込めたSX企業への変革の決意

富士通は、2021年10月、パーパス実現に向けて、ブランドアイデンティティ(お客様に印象付けたい企業イメージを構成する要素)を見直しました。その一連の取り組みが評価され、富士通の「Corporate Brand Identity System」が世界的に権威のあるデザイン賞の1つである「iF DESIGN AWARD 2022」を受賞しました。
「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていく」という富士通のパーパスの実現に向けた取り組みが加速する中、新しいブランドアイデンティティにはどのような思いが込められているのでしょうか。

目次
  1. 富士通の新たな企業ブランドが世界的デザイン賞を受賞
  2. Corporate Brand Identity Systemで表現された変革への意志
  3. なぜ、今、ブランドアイデンティの見直しが必要だったのか
  4. ブランディング活動は、変革を目指す挑戦の大きな一歩

富士通の新たな企業ブランドが世界的デザイン賞を受賞

1953年に創設された「iF DESIGN AWARD」は、ドイツのiF International Forum Design GmbHが主催する国際的なデザイン賞で、「International Design Excellence Awards」(アメリカ)、「Red Dot Award」(ドイツ)と並び、世界三大デザイン賞の一つともされています。

9部門について
優れた作品が選ばれた
「iF DESIGN AWARD 2022」

2022年は過去最多となる1万776件の応募があり、132名の審査員による審査で、「Product」、「Packaging」、「Communication」、「Interior Architecture」、「Professional Concept」、「Architecture」、「Service Design」、「User Experience(UX)」、「User Interface(UI)」の9分野について優秀なデザインの作品が選ばれました。そのなかで、富士通のCorporate Brand Identity System(※)がCommunication部門で評価を受け、プロジェクトを協働で推進したブランドコンサルティング会社・インターブランドと共同受賞しました。

  • Corporate Brand Identity Systemとは
    広告、WEB、PowerPoint、イベントのサイン、名刺、オフィスなどあらゆるお客様接点の表現が一貫されたデザインイメージに仕上がるように、規定やデザインテンプレート、素材ライブラリーなどを整えました。それら一式が、富士通のCorporate Brand Identity Systemです。

Corporate Brand Identity Systemで表現された変革への意志

一連の活動の中核を担ったブランドマネジメント部でシニアマネージャーを務める高橋 将に、今回の受賞について聞きました。

――受賞された感想を聞かせてください

高橋: 今回の取り組みが世界的に栄誉ある賞を受賞できたことを光栄に思います。
審査基準の一つであるForm(造形)の観点で高く評価されたことや、当社のパーパスをコンセプトにして開発したCorporate Brand Identity Systemが、サステナブルな世界を目指す全社の取り組みの一環として評価されたことが今回の受賞に繋がったのだと思います。

富士通は2020年7月、自社のパーパスを「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくこと」と定め、Sustainable Transformation(SX)企業への変革を目指すことを表明しました。

――もう少し詳しく教えてください

高橋: はい。今までの富士通は、お客様のビジネスの成功を支援するためのテクノロジーを提供する「IT企業」でした。
それに対し、今後は、デジタルを駆使して社会課題の解決をお客様と共に推進する「SX企業」へと変革を進めています。そのためにはその姿勢を様々なステークホルダーの皆様に理解していただく必要があります。だからこそ企業イメージも一目で変わったことをご認識して頂かなくてはなりません。

――具体的にどのような取り組みを行ったのですか

高橋: 主に3つの点に取り組みました。1つ目に、富士通の企業ブランドのシンボルでもある「インフィニティ(無限)マーク」を進化させました。この富士通の“DNA”ともなっているマークに「継続的な変革」を決意する象徴として、グラデーションを配色しあらゆるものを「繋ぐ」意味合いを持たせました。

ブランドアイデンティティに採用されたインフィニティマーク

2つ目に、コーポレートカラーに「多様性」を意識したカラフルなデザインを適用しました。今までは、お客様への提案書、Webやプロモーションビデオ、名刺や社内資料に至るまで、コーポーレートカラーは赤とグレーで統一していましたが、今回、非常にカラフルな様式へと変更しました。富士通はグローバルで13万人の従業員を抱えます。この多様性を強みに、例えば、名刺は各個人がカラー選択できるようバリエーションを持たせ、あらゆる課題テーマに寄り添った配色ができるようにしました。

Corporate Brand Identity Systemの活用イメージ。多様性を意識し、カラフルなデザインを適用しています。

3つ目に、コーポレートフォントにはアクセシビリティ(利用しやすさ、近づきやすさ)を考慮したデザインを採用しました。

Corporate Brand Identity Systemでは、すべての人に高いアクセシビリティ(利用しやすさ、近づきやすさ)を提供することを重視視しています。その代表例が、コーポレートフォント「Fujitsu Infinity Pro」の開発です。

アクセシビリティ対応では、文字の読み書きに困難を抱える方々にとっても読みやすいものにするため、市販のフォントに独自の改良を加えてコーポレートフォントを開発しました。例えば、「a」と「o」、「i」と「j」、「Q」と「O」などは形が似ているため、読む人によっては読み違いを招きやすくなってしまいます。そうした文字は違いをわかりやすく変えたほか、「p」と「q」、「b」と「d」のような文字は左右非対称の形状にして見間違いを防ぐなど、さまざまな配慮が加えられています。また、聴覚や視覚に障がいのある方々にもヒアリングを行い、意見を取り入れながら、デジタルコンテンツのアクセシビリティを高めるためのガイドラインや動画字幕付きガイドラインなどを規定して、グローバル全社で徹底的に展開しています。

多くの人にとって読みやすく親しみやすいフォントを目指した「Fujitsu Infinity Pro」

なぜ、今、ブランドアイデンティの見直しが必要だったのか
ブランドアイデンティ見直しと同時に、新事業ブランド「Fujitsu Uvance」を発表

2021年10月、ブランドアイデンティティの見直しに合わせて「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていく」というパーパスの実現を目指す新事業ブランド「Fujitsu Uvance(フジツウ ユーバンス)」を策定しました。この「Fujitsu Uvance」のもと、今後、サステナブルな世界の実現に向け、社会課題の解決にフォーカスしたビジネスを強力に推進していくことを宣言しました。

高橋: 「Fujitsu Uvance」に関するロゴやフォントをはじめとする各種デザインにも新ビジュアルアイデンティティを実装しました。また、名称も社員投票を実施して決定するなど、新しい富士通を皆様にご理解いただくために徹底的にこだわりました。

7つの重点注力分野を示す新事業ブランド「Fujitsu Uvance」

ブランディング活動は、変革を目指す挑戦の大きな一歩

新ブランドアイデンティティの構築について、高橋は「パーパスの実現に向けたSX企業へのスタート段階での『大きな一歩』だと感じています」と述べ、以下のように続けます。

高橋: 社会課題の解決に向けて、富士通も変わっていかなくてはなりません。今回、iF DESIGN AWARD 2022で評価を得られたことは、グローバルに社会課題解決に挑む企業のブランドアイデンティティとして、デザイン業界から太鼓判を押して頂いたと考えています。
ロゴ、マーク、カラー、フォントなど、企業のブランドを象徴するデザイン要素は、「企業らしさ」を可視化するビジュアルとして、あらゆる接点におけるお客様とのコミュニケーションツールです。それらは、富士通にとって、単に識別するためのものではなく、社会やお客様と富士通を結び付ける“絆”だと考えています。社会課題解決に取り組む当社の決意として社会やお客様にご認識いただき、今後、絆をより強固にすることで、これからの取組みを加速させていきたいです。

富士通はサステナブルな世界の実現に向け、新しいブランドに込められた思いを胸に、社会課題の解決にフォーカスした事業に取り組んでまいります。

富士通株式会社
グローバルマーケティング本部
コーポーレートマーケティング統括部
ブランドマネジメント部
シニアマネージャー
高橋 将(たかはし・すすむ)

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