コンプライアンス

 

ありたい姿

富士通グループ内の役職員が高いコンプライアンス意識を持って事業活動を行うことにより、社会的責任を果たしつつ、ステークホルダーから信頼される企業グループであること。

2022年度目標

コンプライアンスに係るFujitsu Way「行動規範」の組織全体への周知徹底をさらに図るために、グループ全体にグローバルコンプライアンスプログラムを展開することで、高いコンプライアンス意識を組織に根付かせるとともに、経営陣が先頭に立って、従業員一人ひとりがいかなる不正も許容しない企業風土(ゼロ・トレランス)を醸成する。

KPI:
社長、部門長またはリージョン長からコンプライアンス遵守の重要性をメッセージとして発信(1回/年以上)

方針・推進体制

富士通グループでは、ゼネラルカウンセル配下にコンプライアンス担当組織があり、各リージョンに置いた担当と連携してグローバルコンプライアンスプログラム(GCP)に基づく施策を実行しています。活動結果は「内部統制体制の整備に関する基本方針」(注1)に基づき設置されたリスク・コンプライアンス委員会に報告するほか、取締役会や監査役とも連携し、グループ全体でのFujitsu Wayの「行動規範」の認知度向上とその遵守を図っています。

各リージョンにおいては、リスク・コンプライアンス委員会の下部委員会として設置されたリージョン・リスク・コンプライアンス委員会と連携し、グループ全体でのFujitsu Wayの「行動規範」の認知度向上とその遵守を図っています。

グローバルコンプライアンスプログラムの運用状況については、定期的にリスク・コンプライアンス委員会やリージョン・リスク・コンプライアンス委員会、そして取締役会に報告しています。経営層による実践および監督の下、富士通グループの事業活動に関わる法規制等の遵守に必要な社内ルール、教育、監視体制の整備と運用を推進しています。

Fujitsu Wayの行動規範の内容

Fujitsu Wayの行動規範Fujitsu Wayの行動規範

Fujitsu Wayにおいて、富士通グループの全社員が遵守すべき原理原則である「行動規範」を右記のとおり示しています。

また、富士通では、Fujitsu Wayの「行動規範」を詳細化し、富士通グループに所属する全世界の社員が法令を遵守し行動する手引きとして作成したGlobal Business Standards(GBS)(注2)を20言語で展開し、富士通グループで統一的に運用しています。

グローバルコンプライアンスプログラム

富士通では、Fujitsu Wayの「行動規範」およびGBSの浸透・実践を図るために、グローバルコンプライアンスプログラム(Fujitsu Global Compliance Program: GCP)を策定し、グループ全体のグローバルな法令遵守体制の維持・向上に取り組んでいます。GCPでは、様々なコンプライアンスに関する活動を5つの柱として体系的に整理し、当社が継続的に取り組むべき事項を明確化するとともに、富士通のコンプライアンス体制・活動への理解促進を対外的にも図っています。各リージョンにおいては、これに基づき各国・地域の法制度、政府機関の指針などを踏まえ、様々な施策・取り組みを実施しています。

GCPの実行にあたっては、グループ内の規程を整備し各リージョンにおけるコンプライアンス業務の責任者を配置して体制を確保しています。社員に対しても様々な教育を継続的に実施し、Fujitsu Wayの「行動規範」およびGBSの浸透を図っています。また、不正等の未然防止・早期発見・是正を図るため、内部通報窓口を設置しているほか、コンプライアンス違反が発見された場合は、直ちにリスク・コンプライアンス部門に報告することが定められています。その他、リスクアセスメントや監視、外部専門家のレビューなどを通じて、GCPの実効性の確認を定期的に行い、GCPの継続的な改善を図っています。

グローバルコンプライアンスプログラムグローバルコンプライアンスプログラム

1.規程および手続きの整備

富士通では、富士通グループ各社が整備すべき最低限の社内ルールを「富士通グループグローバルポリシー」として示し、そのもとで各国の法律、文化、慣習等を踏まえた規範、ルール等を整備しています。

富士通および国内グループ会社においては、コンプライアンスの徹底と持続的な企業価値の向上を図るため、リスク・コンプライアンス委員会の承認に基づき、「コンプライアンス規程」を制定し、国内グループ会社へ展開しています。特に、ビジネスに与える影響が大きい独占禁止法、贈収賄、反社会的勢力の分野については、上記規程の下、より具体的な細則とガイドラインを制定しています。

海外グループ会社においては、「富士通グループグローバルポリシー」に加えて、リスク・コンプライアンス委員会の承認に基づき、「グローバルガイドライン」を作成し、海外グループ各社の社内規程に取り入れています。国内の「コンプライアンス規程」に相当する「General Compliance Guidelines」を発行するとともに、競争法に関するグローバルガイドラインや、贈収賄防止に関する各種ガイドラインも発行しています。

贈収賄については、GBSに規定されている原則のほかに、公務員への贈答・接待、政治団体等への寄付・献金、ファシリテーションペイメント(円滑化のための支払)等を行う際の事前申請・承認プロセスを定めた社内規程を設けています。また、腐敗リスクが高い地域および分野での取引リスクを事前に調査・評価するための一策として、新規取引開始時の取引先デューデリジェンスを実施しています。リスクレベルに応じてサプライヤーに質問票の提出を求めるなどして取引先のスクリーニングを行っています。また取引先には、契約等で法令およびGBSの遵守を義務付けています。

2.トップコミットメントおよびリソース確保

富士通では、社員へのメッセージ発信など、経営陣がコンプライアンスに取り組む意思表示を積極的かつ継続的に行うことにより、富士通グループ全体における行動規範およびGBSの浸透・実践を図っています。

社長自らが国内外の全社員向けに、談合・カルテルをはじめとするコンプライアンス違反からの決別を宣言するメッセージを繰り返し発信するとともに、海外においても、リージョン長やグループ会社の経営陣より、コンプライアンスと不正を許容しない企業文化(ゼロ・トレランス)の重要性を説くメッセージを継続的に発信しています。

さらに、国連が提唱する「国際腐敗防止デー」(12月9日)にあわせて毎年12月9日から15日までをFujitsu Compliance Weekと定め、その期間中には社長を含めた富士通本社の経営層や各国グループ会社の社長等から社員に対して一斉にコンプライアンス・メッセージを発するとともに、毎年更新されるコンプライアンスe-ラーニングを全グループ会社社員対象にリリースし、さらにリージョンごとに企画されたコンプライアンス関連活動を提供しています。

また、各リージョンにコンプライアンス業務に従事する責任者を配置し、富士通グループ各社におけるリスク・コンプライアンス責任者とグローバルなネットワークを形成した上でグローバルコンプライアンスプログラムの実行体制を確保しています。

3.教育およびコミュニケションの実施

富士通グループでは、Fujitsu Wayの「行動規範」やGBS、および社内規程の浸透・実践を図るために、富士通グループの役員・社員に対して、様々な教育およびコミュニケションを継続的に実施しています。

富士通グループの全役員・全社員を対象に、毎年コンプライアンスe-ラーニングを実施しています。このe-ラーニングには、贈賄、談合、不正会計、安全保障輸出管理等のリスク分野が含まれており、リスクアセスメントの結果や社会情勢を反映するよう富士通本社のコンプライアンス部門および各リージョンのコンプライアンス責任者により毎年見直されます。2021年にはコンプライアンスe-ラーニングが富士通グループの全役員・全社員約13万人を対象に16言語で実施され、2022年5月時点で97.1%が受講済みです。

上記に加え、各国の法律や慣習・ビジネスの実態を踏まえ、各階層、各リージョン、または各部門のリスクレベルに合わせたオンライン研修およびe-ラーニングも適宜実施しています。富士通および国内グループ会社の新任役員に対しては、毎年、社外弁護士や法務・コンプライアンス部門によるコンプライアンス教育を実施しています。また、管理職に対しては、行動規範やコンプライアンスの重要性、典型的な事例や判断が難しい事例を社内講師が解説する社内研修を定期的に開催しています。新入社員教育にもコンプライアンス教育を導入してFujitsu Wayの「行動規範」やGBSの重要性を理解してもらうとともに、営業部門や法務部門など特定のリスクに重点を置いた教育も継続して実施しています。パートナー企業向けコンプライアンス教育についても、今後さらに展開する予定です。

また、上述のとおり毎年12月9日~15日にFujitsu Compliance Weekを設定したり、社員へのトップメッセージを社長、各リージョンの責任者等から発信したり、また各リージョンでコンプライアンスに関するニュースを配信する等の活動を実施しています。

4.インシデントの報告および対応

内部通報窓口の設置
富士通グループにおいては、グループ全社員(退職者、出向者、契約社員、嘱託社員、派遣社員などを含む)からの内部通報・相談(匿名によるものを含む)を受け付ける窓口を社内外に設置し、「Fujitsu Alert」として運用しています。加えて、グループ会社でも個別に内部通報制度を整備して運用しています。

Fujitsu Alertでは富士通グループの社員に加えて富士通グループに関係のある外部の方々(場合により、匿名)も不正行為の疑いや懸念事項を通報することができるようWebフォームまたは電話にて通報を受け付けています。Fujitsu Alertは24時間365日、20カ国語で利用可能であり、内容に関する通報者との連絡(追加情報の提供やコンプライアンス部門からのコメントの受領)にも使用しています。

国内においては、「お取引先コンプライアンスライン」を設置し、富士通と国内グループ会社が直接、物品・サービス・ソフトウェアなどを調達しているお取引先からの通報を受け付けています。また、海外においては、お客様やお取引先等の第三者からの通報も含め、Fujitsu Alertで受け付けています。

これらの内部通報窓口については、定期的なメッセージ発信やコンプライアンス教育、Webサイトやポスターにより社員に周知を図っており、加えて、富士通では内部通報窓口の利用動向を定期的に確認することによって社員の認知度および信頼性の向上を図っています。

通報者の保護
社員はコンプライアンス違反またはそのおそれに気づいた場合に通報することを推奨されており、また、取るべき正しい行動について確信がない場合には所属長または法務部門等に助言を求めることとなっています。

Fujitsu Alertでは、匿名による通報も可能であり、通報者が特定されることのないよう情報の取り扱いには細心の注意を払っています。仮に調査等の過程で間接的に通報者が特定された場合であっても、通報を理由として通報者に対する不利益な取り扱いを行うことを一切禁止しており、そうした不利益な取扱いをすることは、それ自体が社内規範の重大な違反とみなされます。

通報への対応
コンプライアンス違反に関する通報がなされた場合、弁護士有資格者である責任者の監督の下で、必要に応じて外部弁護士と連携した上で、内部調査を実施します。富士通では、内部調査の結果を通報対象となった事項に関与する部門・関係会社からは独立して、取締役会およびリスク・コンプライアンス委員会に直接報告します。なお、通報内容によっては、適切と判断される場合に、コンプライアンス部門から権限のある他部門に調査を委託することもあります。

コンプライアンス部門は、適用される法律と専門的な基準に沿って事実関係を把握し、是正措置を検討するために適切な内部調査を行います。内部調査には、適用される法律の検討、適切な調査手順の検討、収集された証拠の評価、調査結果の文書化、報告・エスカレーションを含みます。調査の結果必要に応じて、またデータ保護法やビジネス法などの適用法令に従って報告者にフィードバックを行います。

調査の結果、行動規範やGBS、その他社内規程に照らして問題が認められた場合にはしかるべきレベルの懲戒処分などの是正を行い、結果として人事評価にも反映しています。また、将来同様の不正が行われることを回避するために、ルールのリマインドや制度の見直し、監視監督の強化などの再発防止策を講じています。

なお、調査プロセスは、グローバルコンプライアンスプログラムの毎年の計画立案時や法律制定・改正時を含め、少なくとも年に一度見直し・改善をしています。

富士通は、法令によって義務付けられている場合や経営判断に基づき、コンプライアンス違反に関する情報を政府の捜査機関や裁判所などの特定の政府機関や司法機関に提供するように決定する場合があります。これらの決定は、コンプライアンス部門の責任者が必要に応じて経営者や他の関連部門と調整して行います。

リスク・コンプライアンス委員会への報告
コンプライアンス違反が現実に発生した、または発生する兆候を認知した役員および社員は、直ちにリスク・コンプライアンス委員会へ報告し、かつ、部門長があらかじめ定めた報告体制に従い報告を行うようリスクマネジメント規程にて定めています。また、内部通報・相談の状況や重要なコンプライアンス問題の対応状況については、定期的にリスク・コンプライアンス委員会、取締役会および監査役に報告しています。リスク・コンプライアンス委員会および取締役会の開催回数は、統合レポートをご参照ください。

5.モニタリングおよび見直しの実施

富士通グループにおいては、リスクアセスメントや内部監査などの活動、および弁護士事務所等外部の専門家によるレビューを通じて、グローバルコンプライアンスプログラムの実効性の確認を毎年行っています。また当該レビューおよび監査結果、ならびに社会情勢を踏まえた上で、グローバルコンプライアンスプログラムの継続的な改善を図っています。リスクアセスメントについては、リスクマネジメントのページもご参照ください。

海外においては、腐敗リスクが高い国・地域のグループ会社などを主な対象として、本社コンプライアンス部門が、役員・社員へのインタビュー、社内規程および業務プロセスの確認などを通じて、現地ビジネスに内在するコンプライアンス上のリスクを分析し、実際のリスクの内容や程度に合わせた対策の立案と実行支援を行うリスクアセスメントを継続的に実施しています。

なお、リスクアセスメントおよびグローバルコンプライアンスプログラムの実施状況については、定期的にリスク・コンプライアンス委員会やリージョン・リスク・コンプライアンス委員会、そして取締役会に報告しています。これらの会議での議論および決定を、グローバルコンプライアンスプログラムにおける活動に適時反映し、実行しています。

安全保障輸出管理への取り組み

国際的な平和・安全の維持という観点から、大量破壊兵器や通常兵器の開発・製造に転用される可能性がある貨物・技術の輸出・移転については、国際的な安全保障輸出管理の枠組みによって管理されています。我が国でもその枠組みの中で「外国為替及び外国貿易法」(「外為法」)の下、安全保障輸出管理規制が実施されています。

富士通においても、Fujitsu Wayの行動規範の1つ「法令を遵守します」にしたがって、外為法だけでなく「域外適用」される米国輸出管理規則(EAR)に則った安全保障輸出管理推進を基本方針とする「安全保障輸出管理規程」を制定し、その徹底に努めています。

管理体制としては、代表取締役社長を安全保障輸出管理の最高責任者に、ガバナンス・コンプライアンス法務本部安全保障輸出管理室を推進組織として体制整備し、すべての貨物輸出・海外への技術提供について該非判定と取引審査(仕向先国・地域、用途、顧客の確認)を実施し、必要な輸出許可を取得したうえで輸出を行っています。また、法令違反発生時には速やかな報告を行うことを「安全保障輸出管理規程」において定めています。業務遂行に際しては、輸出管理規制を管轄する経済産業省とも緊密に連携しつつ、法令違反など「漏れ」のない管理の徹底に努めています。

この安全保障輸出管理における社内制度を維持・継続していくために、定期的な監査および役員・社員に対する輸出管理教育を継続しています。 国内外のグループ各社に対しては、適切な安全保障輸出管理に向けた規則の制定や体制の確立について指導するとともに、教育支援、監査支援、グループ間情報交換会の開催などの活動を行っています。また、2013年度より全世界の海外グループ会社に対し、20言語によるe-ラーニングで安全保障輸出管理基礎教育を展開しています。

財務報告の適正性を確保するための体制

富士通では、取締役会において決議された「内部統制体制の整備に関する基本方針」で以下のことを定めています。

  1. 当社は、最高財務責任者のもと、財務報告を作成する組織のほか、財務報告の有効性および信頼性を確保するため、富士通グループの財務報告に係る内部統制の整備、運用および評価を統括する組織を設置する。
  2. 当該各組織において、富士通グループ共通の統一経理方針ならびに財務報告に係る内部統制の整備、運用および評価に関する規程を整備する。

運用状況

富士通では、リスク・コンプライアンス委員会の指揮の下、内部統制および内部監査を担当する組織が体制を構築し、企業会計審議会の「財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」の原則に基づいて規程を整備しています。これに基づいて、富士通グループ全体の財務報告に係る内部統制の評価を実施しており、活動状況および評価結果等については、最高財務責任者およびリスク・コンプライアンス委員会等に報告しています。

税務に対する考え方

富士通グループにおける税務コンプライアンスは、Fujitsu Wayの「行動規範」に則り、遂行されています。

  • 各国の租税法令・条約等、OECDが主導するBEPS(税源浸食と利益移転)等のガイドラインをその趣旨・精神を理解したうえで遵守し、適正な申告や納税に努めています。関係会社間の取引においては独立企業間価格の原則を遵守し、適切な利益配分を行います。
  • 事業目的や事業実体の伴わない、租税回避のみを目的とする税務プランニングはいたしません。同様にタックスヘイブンを利用した租税回避を意図する利益移転行為はいたしません。

また、税務当局との関係においては、Fujitsu Wayの大切にする価値観に則り、倫理観と透明性をもって誠実に行動します。

上記を踏まえたうえで、企業価値を継続的に向上させるため、適正な税務管理の実現を目指しています。

2021年度実績

コンプライアンス教育

  • 富士通グループの全役員・全社員を対象としたコンプライアンスe-ラーニング(約13万人を対象に、16言語で実施): 2022年5月時点 受講率97.1%
  • 各リージョン・会社別、階層別、部門別のe-ラーニング・オンデマンド研修
    (例:新任役員向け教育、管理職向け教育、海外赴任者向け研修、新入社員教育、営業部門向け教育など)

安全保障輸出管理

  • 定期内部監査:富士通社内30部門
  • グループ会社輸出管理責任者向けセミナー:国内グループ会社50社
  • 監査・教育・体制強化支援:国内グループ会社24社、海外グループ会社2社
ページの先頭へ