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RAID(レイド)とは
RAIDとは、Redundant Array of Inexpensive Disks(リダンダント・アレイ・オブ・インエクスペンシブ・ディスクズ)の略で、データを複数のハードディスク(磁気ディスク装置)に分散することで、性能と耐障害性を同時に確保するための技術です。
スピードアップと安定稼働の仕組み
ハードディスクには2つの課題があります。1つはディスク回転という機械的な動作を伴うため、CPUやメモリに比べると処理速度が遅くなること。もう一つは振動や衝撃、駆動部分の故障など物理的破損により、蓄積しているデータがすべて失われる可能性があるということです。
そこで考えられたのが、RAIDという技術です。RAIDとは内部に複数のハードディスク(HDD)を搭載(冗長構成)することです。 RAIDには、ハードディスクへのデータの割り振り方やデータの冗長化の方法によって、いくつかのレベルに分類定義されています。
たとえば、データを分割して、複数のディスクに分散してデータを記録する方法により、データの書き込み・読み込みともに速くなり、スピードアップにつながります(図1 RAID0)。もし、ハードディスクの故障によるデータ損失の心配があれば、データを2台のディスクに同時に書き込み(ミラーリング)、一方のディスクが故障したときに、もう一方のディスクに自動的に切り替わってデータを処理する方法もあります(図1 RAID1)。これにより、動作はそのまま継続することができ、安定稼働と信頼性が向上します。
このように、RAIDは「スピードアップ」「安定稼働」に向けた2つの課題を解消できる、優れた技術です。ストレージの安定稼働は、企業や製品への信頼性を高める上でも重要なことなのです。
RAIDの種類
RAIDには、ハードディスクへのデータの割り振り方やデータの冗長化の方法によって、8つのレベルに分類定義されています。
ここでは、一般的に使われている8つのRAIDレベルを紹介します。
- RAID0
「ストライピング処理」により複数のディスクに分散してデータを記録 - RAID1
「ミラーリング」によりデータを2台のディスクに同時に書き込む - RAID 1+0
RAID1によるデータ二重化と、RAID0の高速化を合わせて実現 - RAID4
RAID 0 のストライピングに、パリティ専用ディスクを追加してデータを再生成 - RAID5
パリティデータをすべてのディスクに分散・配置してRAID4のボトルネックを回避 - RAID 5+0
RAID 5を複数グループ用意し、RAID 0のストライピング処理によりデータを記録 - RAID6
ダブルパリティにより、同一のRAIDグループ内の2台のディスク故障までを救済 - RAID-DP(RAID6)
RAID4グループにさらに対角線のグループを見るパリティドライブを追加することで2台のディスク故障までを救済
RAIDレベル別 比較表
RAIDレベル | 信頼性 | 書き込み速度 | 容量効率(注1) | 動画による解説
(別ウィンドウで表示) |
---|---|---|---|---|
RAID0 | ✕ | ◯ | 6/6 | ▶書き込み ▶読み込み ▶故障 |
RAID1 | ◎ | ◯ | 3/6 | ▶書き込み ▶読み込み ▶故障 |
RAID 1+0 | ◎ | ◯ | 3/6 | ▶書き込み ▶読み込み ▶故障 |
RAID4 | ◯ | △(注2) | 5/6 | ▶書き込み ▶読み込み ▶故障 |
RAID5 | ◯ | △(注2) | 5/6 | ▶書き込み ▶読み込み ▶故障 |
RAID5+0 | ◯ | ◯ | 4/6 | ▶書き込み ▶読み込み ▶故障 |
RAID6 | ◎ | △ | 4/6 | ▶書き込み ▶読み込み ▶故障 |
RAID-DP
(RAID6) | ◎ | ◯(注2) | 10/12(注3) | ▶書き込み ▶読み込み ▶故障 |
◎:非常に優れている ◯:優れている △:やや劣る ✕:劣る
(注1)ここでの容量効率とは、ディスクドライブを仮に6台使用して、RAIDを構成する際に利用可能になるディスクドライブの容量比率になります。
(注2) RAID4を採用している弊社ETERNUS AX/HX/NR1000 seriesでは、書き込み速度の課題「WAFL」という技術で解決し、ディスクアクセスの高速処理を実現させています。
(注3) RAID-DPを採用している弊社ETERNUS AX/HX/NR1000 seriesでは、ディスクドライブを仮に12台使用して、RAIDを構成する際に利用可能になるディスクドライブの容量比率になります。
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