コーポレートガバナンス

 

コーポレートガバナンスの基本的な考え方

富士通は、2015年12月の取締役会決議によって、コーポレートガバナンスに関する当社の考え方を整理した基本方針(「コーポレートガバナンス基本方針」)を制定しました。2023年9月に改訂した当基本方針は、現在の富士通にとって最善のものと考えて作成していますが、硬直化し、形骸化することのないよう不断に見直し、適宜取締役会で議論するなどして、常に最善のコーポレートガバナンス体制を維持できるよう努めています。

コーポレートガバナンス体制(2024年6月24日現在)

富士通は、コーポレートガバナンス基本方針に則り、監査役会設置会社制度の長所を生かしつつ、取締役会における非執行取締役(独立社外取締役および社内出身の業務を執行しない取締役をいう。以下、同じ)による業務執行取締役の業務執行に対する監督の実効性と多様な視点からの助言の確保を実現しています。

<取締役会>
富士通は、経営の重要な事項の決定と監督を行う機関として取締役会を設置しています。取締役会は、法令および定款に反せず、妥当と考える最大限の範囲で、業務執行に関する意思決定権限を代表取締役およびその配下の執行役員以下に委譲し、取締役会はその監督および助言を中心に活動を行います。また、取締役会は、業務執行の誤り、不足、暴走等の是正、修正を可能とするよう非執行取締役を中心に構成し、独立社外取締役の員数を取締役会の員数の過半数とすることで監督機能および助言機能を強化しています。なお、取締役の経営責任をより明確化するため、2006年6月23日開催の株主総会決議により、取締役の任期を2年から1年に短縮しました。

取締役会は、2024年6月24日現在において、業務執行取締役3名、非執行取締役6名(内、社外取締役5名)の合計9名で構成しています。

2023年度においては、取締役会を18回(内、臨時取締役会6回)開催し、会社法および当社取締役会規則に定める取締役会において取り扱うべき事項につき、機動的に決議および報告を行いました。特に、富士通グループの事業環境を踏まえて取締役会としてフォーカスすべきテーマとして、①新中期経営計画、②ビジネスポートフォリオ・トランスフォーメーション、③海外ビジネスの収益性改善、④品質・セキュリティ事案、⑤取締役等のサクセッションプランニング、⑥各テーマの効率的なモニタリング方法の6テーマを設定し、これらについて集中的に議論を行うとともに、継続的な監督を行いました。

さらに、株主還元、政策保有株式の検証、内部統制システムの整備・運用状況の報告、株主および投資家との対話のフィードバック等を議題として取り上げました。また、取締役会全体の実効性評価については、2023年度より、アンケート回答に基づき取締役会事務局が回答役員ごとに個別インタビューを行い、分析・評価を実施しました。これにより、正確な回答の理解に基づく的確な改善施策を取締役会において議論することが可能となり、社外役員への情報共有の充実を含め、取締役会の実効性のさらなる実質的向上を図りました。富士通グループ全体のリスクマネジメントを統括するリスク・コンプライアンス委員会は、各施策実行の迅速性と実効性を担保する目的で2023年度から毎月開催しており、取締役会は、同委員会から任務遂行状況の報告を毎回受け、また、個別の品質・セキュリティ事案についても再発防止を含めた対応について、議論、監督を行いました。

<監査役(会)>
富士通は、監査機能および監督機能として監査役(会)を設置しています。監査役は、取締役会等の重要な会議に出席し、取締役会および業務執行機能の監査・監督を行います。監査役会は、2024年6月24日現在において、監査役5名(内、常勤監査役2名、社外監査役3名)で構成しています。

2023年度においては、監査役会を11回開催(内、臨時監査役会2回)し、主に、監査役監査の方針および監査計画の立案と決議、会計監査人の監査計画、監査方法の確認、結果の相当性および監査上の主要な検討事項等の検討を行うとともに、内部監査部門からの報告聴取、常勤監査役から社外監査役への重要な事項の報告および検討等を行いました。
2023年度における監査役の活動としては、決議した監査の方針および計画に従い、内部統制システムの構築・運用と経営課題への対応を重点に以下を行いました。

  • 取締役会、独立役員会議その他重要な会議への出席と意見表明
  • 重要な決裁書類の閲覧
  • 代表取締役との意見交換
  • 本社各部門・子会社の業務等のヒアリング
  • 子会社監査役からの報告聴取
  • 会計監査人からの報告聴取
  • 内部監査部門からの監査状況および結果の聴取
  • コンプライアンス部門からの内部通報の状況の聴取
  • リスク管理や品質管理の状況の聴取 等

なお、監査上の主要な検討事項に関しては、連結財務諸表における潜在的な重要な虚偽表示のリスク並びに2023年度に発生した重要な事象等の影響および変化等について、会計監査人と十分な議論、検討を行いました。

<独立役員会議>
富士通は、独立役員の活用を促すコーポレートガバナンス・コードの要請に応えつつ、取締役会において中長期の会社の方向性に関する議論を活発化させるためには、業務の執行と一定の距離を置く独立役員が恒常的に当社事業への理解を深めることのできる仕組みが不可欠と考え、独立役員会議を設置しています。独立役員会議は、すべての独立役員(独立社外取締役5名、独立社外監査役3名)で構成し、中長期の当社の方向性の議論を行うとともに、独立役員の情報共有と意見交換を踏まえた各独立役員の意見形成を図ります。

2023年度においては、独立役員会議を8回開催し、経営方針、M&Aを含む富士通および富士通グループの事業再編に伴う経営上の重要な事項などについて、継続的に議論するとともに、情報共有と意見交換を行いました。

<指名委員会・報酬委員会>
富士通は、役員選任プロセスおよび役員報酬決定プロセスの透明性および客観性を確保し、効率的かつ実質的な議論を行うこと並びに役員報酬の体系および水準の妥当性の確保などを目的として、取締役会の諮問機関である指名委員会および報酬委員会を設置しています。

指名委員会は、当社の「コーポレートガバナンス基本方針」に定めた「コーポレートガバナンス体制の枠組み」と「役員の選解任手続きと方針」に基づき、役員候補者について審議し、取締役会に答申または提案しています。また、報酬委員会は、当社の「コーポレートガバナンス基本方針」に定めた「役員報酬の決定手続きと方針」に基づき、基本報酬の水準と、業績連動報酬の算定方法を取締役会に答申または提案しています。

2024年6月に選任された両委員会の委員は以下のとおりであり、指名委員会については非執行役員3名(内、独立社外取締役2名)、報酬委員会については独立社外取締役3名で構成されています。また両委員会の事務局は、当社の人事部門および法務部門が担当しています。

  • 指名委員会
    委員長:向井 千秋(独立社外取締役)
    委員:古城 佳子(独立社外取締役)、古田 英範(非執行取締役、会長)
  • 報酬委員会
    委員長:バイロン ギル(独立社外取締役)
    委員:佐々江 賢一郎(独立社外取締役)、平野 拓也(独立社外取締役)

なお、2023年度は、指名委員会を9回、報酬委員会を7回開催しました。指名委員会においては、CEOを含む代表取締役の選定案、取締役および監査役候補者並びに取締役会議長候補者の選任案等について、報酬委員会においては、取締役の報酬水準の改定、業務執行取締役の業績連動報酬の内容に関する改定、および非執行取締役に対する株式報酬の導入等について検討を行い、2023年度末までにそれぞれ取締役会に答申しました。また、指名委員会においては、CEO等のサクセッションプランや社外役員候補者の選定の検討、および非執行取締役の相互評価を実施し、報酬委員会においては、2023年度における業務執行取締役の個人別報酬支給額についても検討を行いました。

富士通のコーポレートガバナンス体制の模式図は次のとおりです。(2024年6月24日現在)

コーポレートガバナンス体制の模式図

現状のコーポレートガバナンス体制を選択している理由

富士通は、非執行取締役による業務執行に対する直接的な監督と、業務の決定に関与しない監査役による、より独立した立場からの監督の両方が機能することで、より充実した監督機能が確保されるものと考えています。このような考え方から、独任制の監査役で構成される監査役会を設置する「監査役会設置会社」を採用しています。

また、業務執行の誤り、不足、暴走等の是正、修正を可能とするよう、取締役会は、非執行取締役を中心に構成するものとし、独立社外取締役の員数を取締役会の員数の過半数としています。非執行取締役の中心は独立性が高く、多様な視点を有する社外取締役とし、さらに、富士通の事業分野、企業文化等に関する知見不足を補完するために社内出身の非執行取締役を1名以上置くことで、非執行取締役による監督、助言の実効性を高めています。

役員報酬の決定方針

取締役および監査役の報酬は、報酬委員会の答申を受けて取締役会で決定した「取締役の個人別の報酬等の内容についての決定に関する方針(役員報酬決定方針)」に基づき決定しています。

内部統制体制の基本的な考え方

富士通グループの企業価値の持続的向上を図るためには、経営の効率性を追求するとともに、事業活動により生じるリスクをコントロールすることが必要です。このような認識の下、富士通では、富士通グループの行動の原理原則である「Fujitsu Way」の実践・浸透を図るとともに、経営の効率性の追求と事業活動により生じるリスクのコントロールのための体制整備の方針として、取締役会において「内部統制体制の整備に関する基本方針」を定めています。

「内部統制体制の整備に関する基本方針」の全文ならびに業務の適正を確保するための体制の運用状況の概要については、以下をご覧ください。

コーポレートガバナンスに関する開示事項

取締役(2024年6月24日)

 氏名役位および担当代表権独立社外役員
業務執行時田 隆仁社長、CEO、リスク・コンプライアンス委員会委員長 
磯部 武司副社長、CFO 
平松 浩樹執行役員SEVP、CHRO  
非執行古田 英範会長  
向井 千秋
 
古城 佳子取締役会議長 
佐々江 賢一郎
 
バイロン ギル  
平野 拓也  

2023年度 取締役会・監査役会の出席状況

会議体開催回数出席率
取締役会18回97.5%
監査役会11回98.2%

取締役および監査役のスキル

富士通は、イノベーションによって社会に信頼をもたらし、 世界をより持続可能にしていくグローバル企業として、取締役および監査役が業務執行、助言または監督機能を有効に発揮するのに必要と考えられる多様性およびスキルをそれぞれ特定し、スキルマトリックスとして開示しています。

取締役(2024年6月24日現在)
 取締役 氏名独立社外多様性スキルマトリックス
ジェンダー国籍企業経営財務・投資グローバルテクノロジーESG・学識・政策
代表取締役社長時田 隆仁 男性日本  
代表取締役副社長磯部 武司 男性日本
 
取締役執行役員平松 浩樹 男性日本  
取締役会長古田 英範 男性日本 
取締役向井 千秋女性日本  
取締役古城 佳子女性日本 

取締役佐々江 賢一郎男性日本   
取締役バイロン ギル男性米国  
取締役平野 拓也男性日本
 
監査役(2024年6月24日現在)
 監査役 氏名独立社外多様性スキルマトリックス
ジェンダー国籍法務・コンプライアンス財務会計業務プロセス
常勤監査役広瀬 陽一 男性日本 
常勤監査役小関 雄一 男性日本
監査役初川 浩司男性日本 
監査役幕田 英雄男性日本 
監査役キャサリン オーコネル女性ニュージーランド  


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