
コミュニティ
ありたい姿
社員一人ひとりが幅広いステークホルダーとの共働・共創を通して社会課題への共感性を高めて活動に取り組み、社会にスケールあるインパクトをもたらすことで、 富士通の成長機会を創出し、 パーパス実現に貢献していている。
2025年度目標
コミュニティ活動に対する社員のマインドセット変革・組織風土醸成 、および社会へのインパクト創出
- コミュニティ活動に参加した社員 従業員数の20%(実人数)
2022年度までの目標
- 企業文化および社員のマインドセット変革への貢献
- 社会課題に関連した社会貢献活動に参加した従業員数の増加率
ニューノーマル下において、2019年度比 +10%
- 社会課題に関連した社会貢献活動に参加した従業員数の増加率
コミュニティ活動の考え方
富士通グループでは、我々にとって重要なステークホルダーの1つである地域社会とグローバルで協力し、コミュニティ活動を推進しています。社会が抱える課題の解決のために、社員一人ひとりが幅広いステークホルダーとの共働・共創を通して社会課題への共感性を高めて活動に取り組み、我々のビジネスの強みを最大限に発揮できる分野を中心に社会にスケールあるインパクトをもたらすことで、富士通の成長機会を創出し、パーパス実現に貢献します。
さらに、これらの活動が創出したインパクトを定量的に把握していくとともに、活動を見直し改善するサイクルを実現することで、より大きな価値を創出し続けます。
重点注力分野






2022年度実績
社会貢献活動に関わる支出
富士通が2022年度に社会貢献活動に関わる費用として支出した金額は、以下のとおりです。
社員のボランティア活動支援
富士通グループは、社会に対する社員一人ひとりの積極的な貢献活動を支援するため、ボランティア活動支援制度を整備しています。また、各事業所が所属する地域コミュニティの発展に貢献するため、地域の特性に沿った各種活動プログラムを展開しています。
富士通は青年海外協力隊/シニア海外協力隊参加のための休職制度(最高3年間)や、年5日・最高20日まで積立可能なボランティアのために活用できる休暇制度を設けています。2022年度には、39名が積立休暇を取得し(延べ100日)、ボランティア活動を行いました。(富士通単体)
富士通グループの取り組み(活動事例)
コミュニティ活動
富士通はGRB6つの重要課題のうち、コミュニティ活動に連動する人権・多様性、ウェルビーイング、環境に教育を加え、関連する6つのSDGsを重点領域と定め活動を推進しています。2022年度の各地域における活動をいくつかご紹介します。
●Americas

小学校の植樹活動を支援(米国)
– Texas Trees Foundation –
活動に参加した富士通社員
富士通は、Texas Trees Foundation (https://www.texastrees.org/)を通じて、L.O.Donald小学校 (米国テキサス州ダラス)において92本の植樹を行い、近隣に住む方々にも50本の苗木を寄贈しました。L.O.Donald小学校の児童289名が、木について学び、木を植え、植えた木の根覆いまで行いました。児童たちは一本一本の木に名前をつけ、これから全ての木を大切に世話していくことを約束しました。
悪天候の可能性が高く、イベント期間が短縮されたにも関わらず、富士通の社員5名が教師とTexas Trees Foundationのスタッフとともにボランティアを行いました。このイベントは関係者全員に、期待を超えるポジティブなインパクトを与えました。これから木が成長するにつれて、この地域では日陰と酸素の量が増え、鳥や他の生物が生活するための安全な避難場所が提供されることとなります。
本活動のプレスリリース(外部サイトへリンク): “Dallas ISD’s L.O. Donald Elementary School Becomes Greener and Healthier with 92 New Trees Planted.”
- 活動に参加した社員数:5
●Asia Pacific


若者の未来の可能性を支援(オーストラリア)
- Australian Business and Community Network –

プログラム修了を祝う富士通オーストラリアのメンターとElevation Secondary Collegeの学生達(2022)

対面でのメンタリングの様子

若い女性のリーダーシップスキル構築のためのオンラインプログラムの修了を祝う富士通オーストラリアのメンターとColo High Schoolの生徒たち(2022年)
ABCN のメンタリングは、組織を代表してコミュニティに貢献することができ、また、さまざまな業界で働く人と出会うなど自分に変化をもたらすことができる素晴らしい機会となります。 資格や経験は必要なく、人の話に耳を傾け、自分の経験を共有する意欲さえあれば誰でも参加できます。富士通では、社員のコミュニティでの積極的な活動を支援するために、 ボランティア休暇 (正式名称「Volunteering with Purpose leave」:3日間の有給休暇に相当) を利用して参加することを奨励しています。
2023年も、このパートナーシップとメンターをさらに成長させていきたいと考えています。
富士通のメンター達のコメント
「素晴らしい経験であり、未来の社会に恩返しができます。」-GOALメンター、Fujitsu Australia(2022)
「この活動を通じて学びの旅を続け、自分の洞察を他の人と共有する機会を得ることができました。」- Focusメンター、Fujitsu Australia(2022)- 活動に参加した社員数:32名
32名の個人ボランティアが参加し、その多くが複数回参加 - 直接の受益者数:93名
6校、93名の生徒へメンタリング
- 活動に参加した社員数:32名

あらゆる人々に健康と福祉を実現するための医療サービス(インド)
- HelpAge IndiaとのパートナーシップによるMobile Healthcare Unitの設立 -

毎回女性スタッフが在籍し女性により身近なサービスを提供

無料のカウンセリングや治療を実施
インド・プネの農村地域に住む人々の医療ニーズに応え健康と福祉を実現するため、富士通はHelpAge Indiaとパートナーシップを組みMobile Healthcare Unit (MHU) を設立しました。MHUは、農村地域に幅広い重要な医療サービスを提供する移動救急車です。高齢者向けの無料相談と治療(自宅訪問を含む)、一般的な病気や健康上の不安などに対する医療サービスを提供します。
MHUはインド政府の既存プログラムとも連携し、長期的な視点で地域社会に良い結果をもたらす包括的なサービスを提供します。MHU には医師、薬剤師、地域活動家がスタッフとして配置されています。 富士通の社員もボランティアとして参加し、患者の登録やMHUが提供するサービス内容の説明など追加支援を行っています。女性により親しみやすいサービスを提供するために、富士通からは女性社員3名も活動しています。
2022年4月から2023年3月には、26人の従業員が70時間以上の活動を行い、17,201人を支援しました。すべてのサービスは無償で提供しています。MHUは、SDG 3「健康と福祉」にポジティブなインパクトを与えていく取り組みの一環として、農村地域のすべての人に基本的かつ必要なヘルスケアを提供するために挑戦を続けていきます。
このプログラムは、これからも大きくポジティブな変化をもたらしていきます。現在は、コミュニティの人々が健康状態や健康的な生活習慣の重要性についてより多くの情報を得ることができるようになり、無料の医療アドバイスや薬、フォローアップ治療へのアクセスにより人々の生活環境はさらに改善されました。今後MHUは、メンタルヘルスに関するカウンセリングや、健康と栄養の啓発、予防医療についても取り組んでいきます。これらの活動により、予防プログラムなど健康に関する問題への認知を促進し、医療へのアクセスにおける男女平等を推進します。
- 活動に参加した社員数:26
- 直接の受益者数:17,201

FTHフットボールデー 2022(タイ)

開会の挨拶Head of Fujitsu Thailand, Ms. Kanokkamon Laohaburanakit

Pakkret Home for Boys の子供たちとボランティアとして参加した富士通社員たち
FTH(富士通タイランド, Fujitsu Thailand Co., Ltd.)は、日本のサッカークラブである川崎フロンターレと協力して、健康の促進とウェルビーイング向上により多くの機会を必要とするPakkret Home for Boysの子どもたちを対象としたサッカークリニックを開催しました。 このサッカークリニックは、子供たちがプロサッカー選手からサッカーのスキルやテクニックを学ぶことを目的としています。 私たちは、この活動が人々と社会の建設的な変化と持続可能な発展につながるものと考えています。
孤児の社会的な発達を支援するこのサッカークリニックをタイで提供するのは、今回で3回目です。サッカーの試合を通じて、孤児たちはライフスキルとして役立つフェアプレーやチームワーク、規律について学びました。 これらの学びは、将来孤児たちが地域のリーダーとなり、自立した強い地域を育てるために重要なものとなります。
FTH フットボールデー 2022は、2022年11月12日土曜日に半日のセッションで開催しました。 この活動には、FTH 職員28名と6歳から18歳までの子供たちを合わせて約 150 名が参加しました。 川崎フロンターレのメンバーがコーチを務め、初心者向けにサッカーの基礎スキルセッションが1時間行われ、その後1時間のサッカーゲーム大会が行われました。
またFTH は、より多くの子供たちがサッカーの試合を経験したり、継続的に練習できるよう新しいサッカーゴールを2台寄付しました。お昼にはお弁当を提供し、キャラクターショーやゲームなどで自由時間を過ごしました。
- 活動に参加した社員数:28
- 直接の受益者数:150
●Europe




QUEREMOS GRADUARNOS!(卒業したい!)南米最大のスラム街にすむ若者たちの教育支援(イギリス)
– Chamos – *イギリスに本拠地を置くNGO。この団体がベネズエラの子供たちを支援しています。

バーチャルワークショップでプログラミングを紹介

コーディングについて学習する生徒たち
南米最大のスラム街の一つであるベネズエラのペタレに住む多くの若者にとって、勉強したり教育を優先したりすることは、ほぼ不可能です。 学校中退率は高く、麻薬や犯罪に手を染める機会は日常の中に存在し、高等教育に進む若者はほとんどいません。
富士通はChamosを支援し、地元の非営利団体Queremos Graduarnos (QG) と協力して、子どもたちや若者に登校の意欲を起こさせるための活動をしています。富士通の支援により、2022-2023年度にこのプログラムへ参加した55人の生徒に奨学金を提供することができました。この奨学金は、生徒の学費や教材費、食料や交通費として活用されました。生徒は学校に通う上での障壁を取り除くとともに費用管理についても学ぶことができました。
Queremos Graduarnosのプログラムの一環として、生徒たちは月に2回自己啓発ワークショップに参加できるほか、他のプログラムのボランティアとして支援活動をすることもできます。例えば、他の生徒のメンターとなったり、地元の小学校に新しいChamosの遊び場を建設することでChamosを支援しています。
富士通は一部の生徒にバーチャルワークショップを提供し、コーディングスキルの重要性や将来のキャリアにおける役割について紹介しました。この活動は参加した生徒から高い評価を受けています。生徒が得た知識とインスピレーションは大変貴重であり、Chamosは将来に向けてこの分野をさらに学びたいという思いを持つ生徒をサポートする最善の方法を検討中です。
富士通の資金提供により、学校に通うための資金とサポートを必要としていた55人の生徒に、現実的かつ目に見える支援を提供できました。さらに、富士通の社員4名は、約25名の生徒に対してプログラミングを紹介しました。富士通はChamosとのパートナーシップを通じて、SDG 1 (貧困をなくそう) 、SDG 4 (質の高い教育をみんなに) 、SDG 8 (働きがいも経済成長も) 、SDG 10 (人や国の不平等をなくそう) に直接貢献する活動を展開することができました。これからも、ベネズエラの子どもたちや若者が、尊厳を持って成長し、その可能性を実現する機会を持つことができるよう活動を推進します。
- 活動に参加した社員数:4名
- 直接の受益者数:80名



富士通フィンランドが若者のデジタルインクルージョンを支援する革新的なトレーニングコンセプトを開発(フィンランド)
- Deaconess Foundation -

ワークショップの様子

ワークショップでの制作物
ヘルシンキを拠点に活動するHelsinki Deaconess Foundation と富士通は、若者のデジタルスキルを向上させ、社会的な孤立を防ぐことを目的とした革新的なトレーニングコンセプトを共同で開発しました。 このプロジェクトは、16~29 歳の若者が教育と就労の機会を見つけることを支援するHelsinki Deaconess Foundationが提供するVamosという活動の1つです。
2年間のプロジェクトでは、企業の社員がボランティアとしてワークショップを実施し、若者がテクノロジーへの興味を持ち、必要なデジタルスキルを習得できるように指導します。プロジェクト終了後は、プロジェクトで開発されたトレーニングコンセプトが若者と関わる人々にさらに広く普及することを目指しています。
富士通のボランティアは、グラフィックデザインに焦点を当てたトレーニングセッションを企画し、参加者に視覚的な訴求力がある履歴書の作成方法を教えました。また若者たちの日常生活を支援するデジタルソリューションについて考える共創ワークショップや、若者が富士通の社員と関わりICT業界でのキャリアについて学ぶディスカッションイベントも開催しました。 さらに、富士通のボランティアは、他のパートナー企業やVamosと協力して企画されたサイバーセキュリティに焦点を当てたハッカソンにも貢献しました。
富士通のボランティアは、Vamosで働く専門家のほか、ワークショップで約60人の若者と関わりました。 このプロジェクトは、富士通に加えて、ESR React 基金と他のパートナー企業3社が共同で資金を提供しています。
Helsinki Deaconess Foundationと富士通は、若者の社会的な孤立を防ぐために長年協力してきました。 Helsinki Deaconess Foundationは、富士通のグローバル・レスポンシブル・ビジネス(GRB)の取り組みの一環として、コミュニティを活性化するための富士通の主要なパートナーの1つです。
- 活動に参加した社員数:4名
- 直接の受益者数:15名
●Japan

次世代を担う人材の育成(日本)

高校生との対話
(「未来の語り場」プロジェクト)

共に未来を考える
(「未来の語り場」プロジェクト)
富士通は、学びを通して一人ひとりが夢に挑戦できる未来の実現を目指し、様々な教育関連機関と連携して、創造的思考力や探究力の育成、子どもたちの原動力の発見から始めるキャリア教育、山間部や島しょ部等の地方に開かれた教育機会を支援しています。
一例として、「デザイン思考」を学校現場で求められる「社会とのつながる学び」に活かし、富士通のソリューション事例と連携しつつ、社会課題へのアプローチや実現したい社会を考えるプログラムを、複数校が参加できる形態で高校生向けに実施しています。また、自らのパーパスを心にとどめている富士通社員が、未来を担う世代と同じ目線で対話し、共に未来へ踏み出す一歩を考える「未来の語り場」プロジェクトに取り組んでいます。
- 活動に参加した社員数:573名
- 直接の受益者数:7477名
その他の日本における活動は「社会貢献サイト」をご覧ください。(日本語のみ)
災害・人道支援
富士通グループは災害、紛争等で緊急支援を必要とする国々の方を、寄付を通じて支援を行っています。富士通グループは、「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていく」というパーパスを掲げています。この実現で目指す社会は「誰一人取り残さない」というSDGsの精神とも一致するものです。
2022年度は、社員からの寄付に会社としての寄付をマッチングし、以下に対する支援を目的としてUNHCRとSave the Childrenに義援金を拠出しています。
主な災害・人道支援についてはプレスリリースをご覧ください。
- 人道支援:富士通グループのウクライナ情勢に関する人道支援について
ウクライナおよびその近隣地域において被災された方々への人道支援のために、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)へ100万米ドル(約1.15億円)の義援金を拠出しました。 - 災害支援:トルコ・シリア大地震による被害への支援について
当社グループはトルコ・シリア大地震で被災した方々の救援や被災地の復旧に役立てていただくため日本赤十字社を通じて1,000万円の義捐金を拠出し、社員から募集している公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンへの寄付について、寄付期間終了後に社員から集まった金額と同額を会社として上乗せして寄付する「マッチング寄付」も実施しました。