テープドライブにおけるメンテナンスの重要性
テープドライブによる確実なバックアップのために。
定期的なメンテナンス、実践していますか?
近年、データカートリッジは大容量化に伴い、高密度化が進んでいます。そのため、物理的なトラックの幅は従来に比べて狭くなってきており、ごく僅かなゴミでもデータの「書き込み / 読み取り」に対して与える影響は増してきています。
こうした日常起こりうる小さなトラブルは、テープドライブの定期的なメンテナンスによって取り除くことが可能です。テープドライブ自体を交換しなければならないほどの大規模な障害発生を抑えることもできるため、コスト面からみても有効といえるでしょう。
ここでは、LTO Ultrium テープドライブのメンテナンス方法について説明します。
具体的なメンテナンス方法としては、以下の2つがあり、いずれも定期的に行う必要があります。
「テープドライブクリーニング」の重要性
日頃のシステム運用を行う際に、メンテナンスの中でも特に「テープドライブクリーニング」が大切となります。ここでは、 具体的な原因や方法を説明します。
なぜクリーニングが重要なのか
磁気テープから発生する粘着性のゴミや装置内部に入り込む粉ゴミが、テープドライブの磁気ヘッドに付着することは避けられません。これら異物を放置すると、エラーや故障を引き起こす原因となってしまいます。安定した運用のためには、ドライブを定期的に除去(クリーニング)する必要があります。

実際のクリーニング
通常、クリーニング時間は1ドライブ約5分で終了します。お客様の業務にあわせてクリーニングを実施してください。
また、クリーニングカートリッジは、約50回使用することが可能です。
機種により、操作時間、使用回数等は若干異なりますので、詳しくはお手元のマニュアルをご確認ください。

クリーニングの実施周期
クリーニングの実施周期は、装置に搭載されるLTO Ultriumドライブの世代について下表を目安としてください。クリーニングの契機は下表「クリーニング周期の目安」の条件のいずれか早いほうを満たすものとします。
なお、装置のランプや操作パネルに、「クリーニング要求」が表示された場合には、周期に関係なく、クリーニング作業を実行してください。
LTO Ultriumドライブ世代 | クリーニング周期の目安 |
---|---|
LTO Ultrium 1~LTO Ultrium 4 | 「3ヶ月ごと」または「データ処理量:4TB」または「マウント回数:1000回」 |
LTO Ultrium 5, LTO Ultrium 6 | 「3ヶ月ごと」または「データ処理量:10TB」または「マウント回数:1000回」 |
LTO Ultrium 7, LTO Ultrium 8 | 「3ヶ月ごと」または「データ処理量:50TB」または「マウント回数:1000回」 |
LTO Ultrium 9 | 「3ヶ月ごと」または「データ処理量:100TB」または「マウント回数:1000回」 |
装置型名による装置からの「クリーニング要求」の差異
下表の型名の装置に搭載されるLTO Ultrium ドライブは、ドライブ自身が磁気ヘッドの汚損の予防としてクリーニング要求(装置Attention LED表示や上位Alert報告)を上げる機能が追加されています。
そのため、前述の「クリーニング周期の目安」の条件を満たす前にクリーニング要求が上がることがあります。これは予防検知によるもので装置の故障や不良を示すものではありません。
製品名 | 型名 | LTO Ultrium ドライブ世代 |
---|---|---|
ETERNUS LT20 S2 | LT20SSM1, LT20SSN1, LT20SFM1, LT20SFN1, LT20SSP1, LT20SFP1 | LTO Ultrium 7 LTO Ultrium 8 LTO Ultrium 9 |
ETERNUS LT140 | LT14AC(注1)のドライブオプション LT14ASME または LT14ASML, LT14AFME または LT14AFML, LT14ASNE または LT14ASNL, LT14AFNE または LT14ASNL, LT14ASPE または LT14ASPL, LT14AFPE または LT14AFPL, LT14BFPE または LT14BFPL |
LTO Ultrium 7 LTO Ultrium 8 LTO Ultrium 9 |
(注1)LT14ABは2023年9月販売終了
一応、バックアップはしているけれど・・・・・・
メンテナンスを怠ると一大事!
ICTによる内部統制に重点が置かれている「事業継続」において、ますますデータ管理の信頼性が問われています。
このデータ保全に対するリスク管理として、「データの確実なバックアップ」は必要不可欠です。
確実なバックアップとは、万一の際、迅速かつ効果的にシステムを復旧させることで、業務停止時間を最小限に抑えること。この“確実な”バックアップを行うためには、日常的なメンテナンスが欠かせません。
小さなトラブルでも、OSや アプリケーションの再インストールなどの手間がかかります。万一、大切なデータの消失を招くようなことがあれば、ビジネス継続不可を招くことになりかねません。
定期的なメンテナンスは、確実なバックアップを促し、皆様のシステム運用のパフォーマンス安定につながります。
更新日:2018年12月7日
掲載日:2011年7月27日
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