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QoS(Quality of Service)とは
ストレージのQoSは、複数のサーバで共有されるストレージの性能を維持するための技術です。仮想化により大規模なサーバ統合を進める場合、1台のストレージがボトルネックとなり、データの転送速度が落ちてしまう場合があります。QoSはサーバごとのデータ転送に優先順位をつけてこれを回避します。もともとは、通信の速度や品質を保証する技術を意味するネットワーク用語です。
ストレージQoS登場の背景
近年、サーバ等のICTリソースの利用効率を高める手段として、クラウドサービスの利用やサーバ仮想化などが進んでいます。それに伴い、複数のサーバで1台のストレージを共有することが多くなっています。そこで発生するのが、両者間でのデータ転送作業がストレージ内部で干渉し合う事態です。例えばテープ・バックアップなどのさほど急を要さない作業と、ビジネス上重要度の高いアプリケーション作業で、データ転送作業が競合し、重要度の高い作業においてストレージが安定的に性能を維持できないという問題が起こります。
このような事態を回避するために、ストレージが各サーバの処理要求に優先順位をつけ、優先度の高いデータ転送作業を確実に処理する仕組みが必要になります。
ストレージのQoSの仕組みとはたらき
ストレージのQoSでは、サーバからの処理要求に優先順位を付け、それぞれの処理に必要な性能に上限を設定します。こうすることで、各サーバにおいて一斉に処理作業が発生した場合でも、ストレージの処理性能が、優先度の高い処理作業へ確実に振り向けられ、安定したストレージ性能を維持できるのです。
QoSの仕組みをイメージ的に表してみましょう。
図1は、サーバAの処理要求が増加し、より優先度の高いサーバBの処理を行うためのリソースを十分に確保できず、結果として、ストレージが必要な性能を維持できなくなった状態を示しています。
この問題を解決するためにQoSを適用します。つまり、優先度の低いサーバAの処理要求に割り当てるリソースの上限を低く設定し、優先度の高いサーバBの上限を高く設定するのです。
これによりサーバA、Bからの処理要求が重なっても、優先度の高いサーバBへの性能が不足する事態は避けられます(図2)。
QoSの設定はサーバやアプリケーションごとに固定されるわけではありません。ある処理だけ、ある時間帯だけ、設定内容を変更することがあります。例えば、日中においてはバックアップ処理の優先度を最低に、逆に深夜には最優先にするなどです。
展望
QoSにより、ビジネス上の重要性や時間帯における負荷の度合いなどに応じてサーバの優先度を最適に設定すれば、1台のストレージを共用するサーバの台数を増やす事ができ、運用管理コストの大幅な削減も可能です。また、今後さらにクラウドや仮想化技術の普及が進む中で、こうしたストレージのQoSの役割は重要になり、さらなる高度化、多機能化が求められるようになると考えられます。
富士通はQoSに対応したETERNUS DX ハイブリッドストレージシステムを提供。多種多様なデータを情報量の急増において求められるストレージの要件、「業務を止めない」「投資の最適化」「簡単導入・運用」などにしっかりと応えています。
掲載日:2012年8月6日
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ETERNUS DX ハイブリッドストレージシステム
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