オブジェクトストレージとは

オブジェクトストレージはデータを「オブジェクト」という単位で扱う記憶装置です。
ディレクトリ構造で管理するファイルストレージとは異なり、データサイズやデータ数の保存制限がないため、大容量データの保存に適しています。クラウド型のオブジェクトストレージであるAmazon S3の登場によってその存在が一躍認識されましたが、現在はプライベートクラウドなどでもオブジェクトストレージのニーズが増大しています。

オブジェクトストレージの登場背景と普及

これまでのストレージはサーバに付属したものという認識が一般的で、データ量の増大にあわせてサーバ主体で拡張すればいいという時代が続きました(DAS中心の第1のプラットフォーム時代)。しかし、爆発的に拡大するデータ量と、従来とは異なる種類のデータの増加が、ストレージに従来とは異なる機能を要求し始めました。以前は大きな割合を占めていたSQLデータベースなどの構造化データをはるかに凌ぐ勢いで、電子メールやWeb、画像などの非構造化データが急増(SAN・NAS中心の第2のプラットフォーム時代)。さらに、動画や音楽、ゲームを配信するコンテンツデポ、パブリッククラウドのデータは、第3のプラットフォーム時代の到来を示し、今後も高い増加率を示すと予測されています。また、めったにアクセスされないコールドデータも、法規制などによる長期保存の必要性や、分析などに利活用できる貴重な資源として、増大しています。

増加し続けるデータ量の図

小さなファイルのリード/ライトが中心だった時代にはディレクトリ構造のファイルシステムが非常に有効でしたが、動画ファイルなどデータ数の増大はストレージのI/Oにボトルネックを生じさせるようになりました。こうした課題を解決するストレージの必要性が求められました。

そこへ登場したのがAmazonのパブリッククラウドサービスAWS(Amazon Web Services)です。AWSはコストメリットと拡張性の容易さで瞬く間に普及しました。AWSのストレージサービスであるAmazon S3はオブジェクトストレージで、APIにより利用が可能です。 Amazon S3 APIベースの多数のアプリケーションやツールが開発され利用者が拡大したことにより、その後各社から提供されるオブジェクトストレージは、Amazon S3 API互換が必須条件になっています。
しかし、Amazon S3のようなパブリッククラウドサービスだけでオブジェクトストレージのニーズをすべて満たせるわけではありません。より高度なセキュリティやさらなる安定稼働を求めるユーザーからは、プライベートクラウド内にも設置できるオブジェクトストレージニーズも高まっています。

オブジェクトストレージとは何か?

オブジェクトストレージはデータをファイル単位やブロック単位ではなく、オブジェクトという単位で扱います。オブジェクトにはストレージシステムのなかで固有のID(URI)が付与され、データとそれを扱うためのメタデータによって構成されています。 メタデータは通常のファイルシステムでも作成日や作成者などの情報を持っていましたが、オブジェクトではデータの種類、保存期間やコピー回数など、より多くの情報を付加できます。

また、ディレクトリのような階層構造はなく、ストレージプールというオブジェクトの入れ物のみが作成され、メタデータによって管理されます。オブジェクト同士はフラットな関係で、データの移動で階層構造が変わることはありません。また、オブジェクト数に制限はありません。オブジェクトストレージは、一般的に、汎用ストレージを並列化した分散ファイルストレージで構成されており、スケールアウトが可能です。

ファイルストレージとオブジェクトストレージの概念

アクセスはHTTPS上のREST(Representational State Transfer)を利用します。ファイルシステムは通常使用されないため、OSに依存することなくWebアプリケーションのように利用可能です。

ブロックストレージとオブジェクトストレージのアクセスイメージ比較

ストレージ種別ごとの特長

トランザクション単位オブジェクトファイルブロック
プロトコルREST(HTTP)CIFS / NFSFC-SCSI
iSCSI
FCoE
物理インターフェースEthernetEthernetFibre Channel
Ethernet
対応プラットフォームWindows
Linux
Solaris
Android
iOS
Windows
Linux
Solaris
Windows
Linux
Solaris
適合データクラウドデータ
更新頻度:低
大容量:
共有ファイルデータ
更新頻度:中~高
大容量:
トランザクションデータ(DB)
更新頻度:高
大容量:
  • 高度な属性情報の付与により多様なデータに対応可能
  • HTTPでのアクセスが可能
  • 属性情報とディレクトリ構造の組み合わせでファイルのアクセスや検索が高速
  • データを一定の大きさに区切ることで、高速な送受信が可能

オブジェクトストレージの適用分野

オブジェクトストレージの導入が効果的なのは、更新、書き換えの少ない大容量データです。コンテンツデポと呼ばれる動画や音楽、ゲームなどのサービスプロバイダーが提供するコンテンツデータの保管・配信に適しています。また、複数年保存を法的に義務付けられているような大容量のアーカイブドキュメントや、バックアップ的な分散管理にも向いています。

上記のようなデータは、現在データ量が急増しているため、オブジェクトストレージの利用も急速に増大しています。もちろん、これらのデータを扱う個別の企業や団体ばかりでなく、そうした企業・団体にデータの配信や保管をサービスメニューとして提供するデータセンターサービス事業者のニーズも増えています。

適用分野

  • データセンター事業者
  • テレビ局
  • 映画・アニメ関連会社
  • 映像制作プロダクション
  • ゲーム会社
  • 音楽・レコード会社
  • 出版社・新聞社
  • コンテンツ配信事業者

富士通のソリューション

富士通のETERNUS CD10000 ハイパースケールストレージは、大容量データを効率的に格納できる高信頼なペタバイト級のストレージです。拡張性やマイグレーションの容易さといったニーズに応え、オブジェクトアクセスに対応することで柔軟なコンテンツ管理が可能です。

更新日:2019年12月26日
掲載日:2014年12月22日

【お知らせ】
ETERNUS CD10000 S2 ハイパースケールストレージは、2019年12月26日に販売終息しました。

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