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IP-SANとは
IP(Internet Protocol)をベースとしたSANのことです。IP-SANとは、一般的に、IPネットワークを介してSCSI接続を可能にするiSCSI(internet SCSI)を利用して構築したSANを指します。iSCSIを用いたIP-SANでは、通常のLANと同様にサーバとストレージを接続できます。安価なLAN用機器(スイッチやNICなどの通信カード)を使うため、FC-SAN(Fibre Channel(FC)を利用したSAN)と比べると低コストでSANを構築可能です。
FCでは通信中にデータが失われないように厳密に制御しますが、TCP/IPはネットワーク環境により通信中にパケットの損失による再送が発生する場合があるため、最適な性能を得るためにはチューニングが必要です。
FC-SANとIP-SANの違い
FC-SANとIP-SAN(iSCSI)の特徴を次にまとめます。
転送単位 | パフォーマンス | 信頼性 | 接続距離 | 導入コスト | 管理 | |
---|---|---|---|---|---|---|
FC-SAN | ブロック | 高 | 高 | 短 | 高 | 易 |
IP-SAN(iSCSI) | ブロック | 中 | 中 | 長 | 中 | 難 |
FC-SANは、大量のデータを高速に、高い信頼性で転送できます。そのため、大勢のユーザーに遅延なくデータやアプリケーションの提供が必要となるデータセンターなどの大規模システムに適しています。
一方、IP-SAN(iSCSI)は、速度や信頼性についてはFC-SANに及ばないものの、既存のTCP/IPネットワークや機器を使って構築できるため、導入コストが抑えられます。パフォーマンスに対して厳しい制約がない中小規模のシステムに最適です。
掲載日:2010年11月26日
更新日:2018年 4月23日
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