学校法人東洋大学 様

ノート型シンクライアント基盤にオールフラッシュを導入
高いI/O性能によりパフォーマンスを向上、職員の働き方改革推進に貢献

哲学教育を礎に、世界で通用する「グローバル人財」の育成に努める東洋大学。同大学は、大学教育を支える職員の働き方改革にも積極的に取り組んでいます。その一環として2019年、事務クライアントシステムの更新に合わせ、専任職員にノート型シンクライアントを配付しモバイルを活用する新しい業務スタイルに着手しました。新システムの基盤には富士通のオールフラッシュストレージ ETERNUS NR1000A seriesを導入。高いI/O性能により、既存システムで課題となっていたVDI環境におけるパフォーマンスを改善するとともに、重複排除によりデータ容量の最適化を図っています。多様な働き方に応える新システムにより、働き方改革の推進を支えていきます。

課題
効果
課題ICTを活用し専任職員の働き方改革を推進したい
効果ノート型シンクライアントとオールフラッシュストレージの採用により、セキュリティとパフォーマンスに優れた基盤を構築。働き方改革の推進に貢献
課題VDI環境でパフォーマンスを向上したい
効果オールフラッシュに特化したETERNUS NR1000A seriesの導入により高いI/O性能を実現し、VDI環境のパフォーマンスを向上。ユーザーも高く評価
課題ディスクスペースを最大限に有効活用したい
効果重複排除により仮想デスクトップ環境のOSデータや、複数の職員が利用する共有ファイルのデータを効率的に削減し、データ容量の最適化を実現

オールフラッシュストレージの導入により既存システムでは60秒を要していた起動時間が、新システムでは30秒に短縮できました。またGoogleスプレッドシートを使って既存システムで3分かかっていた処理が、今は1分もかからずに完了できます。さらに仮想デスクトップのCPUやメモリを増強し割り当てているパワーユーザーも、スムーズに利用しています

導入の背景

ICTを活用した職員の働き方改革に向けて、セキュリティとパフォーマンスが課題に

1887(明治20)年、哲学者の井上円了が創立した「私立哲学館」を前身とする東洋大学。同大学が掲げる建学の精神「諸学の基礎は哲学にあり」は円了の言葉です。グローバル化が進展し多様化が進む中、建学の精神が意味する「自分なりのものの見方、考え方を持ち、自分なりの哲学を持って行動すること」の重要性はさらに高まっています。13学部46学科15研究科、学生数3万人以上の総合大学に成長した現在、哲学教育、キャリア教育、国際化の3つを教育の柱とし、地球規模の視点で物事を捉え、未来を切り拓いていく「グローバル人財」の育成に努めています。

同大学は、建学の精神を具現化するためにキャンパスの整備、教育・研究環境の拡充とともに、実務を担う職員の働き方改革を推進しています。東洋大学 情報システム部 情報システム課 課長補佐 古海麻紀氏は「働き方改革の一環としてICTを活用した業務の効率化や多様な働き方への対応に取り組んでいます」と話し、こう続けます。「従来、2013年に導入したVDI環境による事務クライアントシステムのもと、職員は自席でデスクトップPCを使って業務を行っていました。働き方改革の第1ステップとして、2015年から部長クラスを中心に一部職員にノートPCを配付し、時間や場所に縛られない新しい業務スタイルを検証しました。第1ステップで生産性向上やペーパーレス化などの成果を確認し、2018年に専任職員に適用を広げる第2ステップに着手しました」。

既存事務クライアントシステムの更新に合わせた第2ステップで重要なポイントとなったのが、セキュリティの強化とパフォーマンスの向上でした。

導入のポイント

VDI環境のパフォーマンス向上ではストレージのI/O性能が重要なポイントに

従来はファットクライアントのノートPCを使っていたため、ローカルにデータを残しておくことで生じる情報漏えいのリスクがありました。情報漏えいを防止するために、ハードディスクを持たず端末にデータを残さないシンクライアント型ノートの配付がポイントとなりました。またVDI環境におけるパフォーマンスはストレージのI/O性能がポイントとなるため、SSD(フラッシュメモリ)搭載もシステム要件に加えました。従来のパフォーマンスにおける課題について、同大学 情報システム部 情報システム課課長補佐 田所正史氏はこう話します。

「教務課では、学生の成績や履修登録のデータなど膨大なデータの集計処理を行っています。そうした大きなデータを処理する業務が増えており、『起動時間が遅い』『処理が重く、時間がかかる』といった声が、ユーザーから多く寄せられるようになりました。今回、事務クライアントシステムの更新では、パフォーマンスの向上が最大の課題でした」。

2019年3月、同大学は指名競争入札によりRFPに基づく各社からの提案やコストを評価し、富士通を採用しました。富士通がVDI環境におけるパフォーマンス向上のソリューションとして提案したのが、SSDをフル搭載しオールフラッシュに特化したETERNUS NR1000A seriesでした。

システムの概要と導入のプロセス

高いI/O性能と重複排除を有するETERNUS NR1000A seriesを採用

東洋大学の全キャンパスと附属学校の専任職員が利用する新事務クライアントシステムの構成は、PCサーバPRIMERGY、オールフラッシュストレージ ETERNUS NR1000A seriesを中核に、富士通の超軽量ノート型シンクライアント「FUTRO」500台、ゼロクライアントを含むデスクトップと合わせて約800台の端末が稼働しています。また既存システムは耐障害性を考慮しストレージ2台の構成でしたが、ETERNUS NR1000A seriesはコントローラーが本体で冗長化されていることに加え、重複排除・圧縮機能により容量効率が図れるとともにサイジングも容易に行えることから1台のETERNUS NR1000A seriesに統合しました。

データ保護の観点では、誤ってファイルを消去しても消去される前の状態に戻せるスナップショットの利用に加え、オンプレミスからクラウドを活用したバックアップに変えることでBCP対策とコスト削減の両方を実現しています。

働き方改革を支える新事務クライアントシステムは、2019年4 月に構築を開始し、2019年9月に本稼働しました。情報システム部 情報システム課 大迫槙氏は富士通のサポートについて「本学と富士通が密に連携することで、5か月間という短期間構築を実現できました。今は、月1回の定例会を開催しています。困っているときに、『こういう方法があります』と様々な提案をしていだき、感謝しています。これからもきめ細かいサポートをお願いします」と評価します。

導入の効果と将来の展望

VDI環境のパフォーマンスを改善、重複排除によりデータ容量の最適化を実現

2019年9月の本稼働後、懸案だったパフォーマンスに関してユーザーから「早くなった」と評価する声が挙がってきていると大迫氏は話します。「オールフラッシュストレージの導入により既存システムでは60秒を要していた起動時間が、新システムでは30秒に短縮できました。またGoogleスプレッドシートを使って既存システムで3分かかっていた処理が、今は1分もかからずに完了できます。さらに仮想デスクトップのCPUやメモリを増強し割り当てているパワーユーザーも、スムーズに利用しています。パフォーマンスに加え、可動部分のないSSDは障害ポイントを最小化できる点もメリットです」。

今後、ユーザーの増加やデータ量の増大を見据え、重複排除への期待も大きい。「同じOSデータが大量に存在するVDI環境や、同じファイルを複数の人で共有する事務の業務では、重複排除が有効に働きます。新システムでは実行容量が5倍以上の効果が出ています。また、ストレージの統合により省スペース化、省電力化も図れました」(田所氏)。

シンクライアントの活用シーンも広がっていると古海氏は話します。「打ち合わせや会議でシンクライアントを持参するケースが増えており、会議のペーパーレス化も進んでいます。これまで他のキャンパスで業務を行う場合、出張者用のデスクトップを利用していましたが、台数に限りがあるなど不便でした。今は自分専用のシンクライアントを持ち歩くことでいつでもどこでも業務が行えます。また、シンクライアントはカメラとスピーカーを搭載しており、専任職員同士は顔を見ながらのテレビ会議も可能です」。

今後の展望について古海氏はこう話します。「確実に以前とは仕事の仕方が変わってきているという意見も出てきています。今後は、快適に利用できる環境の維持が重要なテーマとなります。また多様な働き方に向けて、リモートワークなど次のステップに進むための基盤を構築できたことも大きな成果です。今後、富士通には安定稼働のサポートはもとより、本学の立場に立った先進的な提案を期待しています」。

哲学教育を礎とし、世界に通用する「人財」を育てる東洋大学。富士通はこれからも先進技術と総合力を駆使し、同大学の取り組みを支援していきます。

担当営業、担当SEメッセージ

富士通株式会社
東日本営業本部 文教統括営業部 第三営業部
樋田 祥一

東洋大学様は多様化する働き方に対していち早く取り組まれており、今回のご導入は今までの課題が解決された次期ステップへの準備という位置づけでした。ご導入後はノート型シンクライアントの運用および基盤環境のパフォーマンスに評価をいただき安心しました。これからも世の中のニーズおよび東洋大学様の進むべき方向に、当社における働き方実践例の知見をエッセンスとして加え、働き方改革のパートナーとして共に実現していきたいと考えております。

東日本営業本部 文教統括営業部 第三営業部
程 楊

入社してから初めて担当させていただいたお客様のシステムであり、東洋大学様に寄り添って提案から稼働まで携わらせていただきました。近年の働き方改革から、大学におけるテレワークやリモートワークなどはさらに加速すると思われます。今後も東洋大学様のニーズに合いご満足いただける製品サービスを提案していきたいと思います。

株式会社富士通マーケティング
システム本部 公共ソリューションセンター 公共第一ソリューション部
福永 義隆

東洋大学様の働き方改革への第一歩「仮想デスクトップ×シンクライアント×VPN」の導入では、システムパフォーマンスの向上を目標にプロジェクト推進し、ご満足いただける結果が出たことに大変喜びを感じました。
今後、近い将来、AIやロボット等を活用した業務改革の時代が来ると思われます。私たち富士通および富士通グループは、大学様の良きパートナーとなるべく、働き方改革・未来創成に向けたAI等の次世代システム提案~導入まで、一気通貫で貢献させていただきたいと思っています。

学校法人東洋大学 様

創立 1887年
理事長 安斎 隆(2019年5月1日現在)
所在地 〒112-8606 東京都文京区白山5-28-20
学生数 大学・大学院(通学課程)31,640名、大学(通信課程)542名
(2019年5月1日現在)
教職員数 専任教員 1,029名、専任職員 551名 ※2019年5月1日現在
概要 文学部、経済学部、経営学部、法学部、社会学部、国際学部、理工学部、生命科学部、ライフデザイン学部、総合情報学部、食環境科学部、国際観光学部、情報連携学部の13学部、46学科15研究科
ホームページ https://www.toyo.ac.jp/

[2020年3月9日掲載]

本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。
なお、社名敬称は省略させていただいております。

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