株式会社富士通コンピュータテクノロジーズ様

SaleceForceに蓄積した顧客情報・商談情報の
共有によって、
組織横断的なソリューションの提供が
可能になりました。

社内の各部門が抱える優秀な技術リソースを活用した新規ビジネスの拡大にSalesforceを導入。全社で活用する顧客・商談情報の共有システムをわずか約5ヵ月で構築し、散在する社内の情報を一元化、分析を可能とした成功事例です。

課題
効果
課題組織が縦割りになっているので、他部門の状況が見えない
効果各部門の案件と受注情報を一元化し、組織全体で共有
課題営業活動の情報共有が難しい
効果商談一覧、受注実績、商談状況(プロセス)をリアルタイムに把握。ワークフロー運用により作業をスピードアップ。全社の情報が可視化され、商談などのデータ分析が可能な環境を構築
課題部門ごとに運用が異なる
効果Salesforceの柔軟性を活かした改修により、各部門が望む機能を実現することと、運用上の工夫で対応することとのバランスをとって、すべての部門が受け入れることができる運用を実現し定着を促進

背景

組込み開発の最先端技術を提供する
富士通コンピュータテクノロジーズ様

株式会社富士通コンピュータテクノロジーズ様は、1983年の創業から35年以上一貫して、組込み開発一筋にその技術力を高めてきました。ネットワーク機器などの社会インフラ製品から、センサー端末などの超小型機器、さらにはスーパーコンピュータに代表される高品質・高性能システムまで、多種多様な製品の組込みシステム開発を手掛けています。

富士通グループ唯一の組込みシステム開発会社として、様々な分野における開発経験と、実績の積み重ねにより、上流設計から評価/検証、保守に至るまで、製品開発手法と環境を確立しています。「富士通品質」を支える高い技術開発力と高度な診断ノウハウを保有し、お客様の製品企画から出荷、保守までの組込みソリューションをワンストップで提供しています。

新規ビジネス創出の取組みとビジネス上の課題

同社は、1983年に、親会社の富士通株式会社向けのメインフレームのシステム制御をはじめとする組込みソフトウェアの開発業務を40名で開始しました。その後、2007年にはテストプログラムの開発業務をラインナップに加えて500名体制となり、コンピュータやストレージシステムの開発を担う企業になりました。

同社の代表取締役社長の福元 芳朗氏は、次のように語ります。「全社員との1対1の面談を2年かけて実施しました。その面談の中で気付いたことがありました。それは個々の社員は自分自身の領域についてはいくらでも話せるのに、その領域の技術と、他部門の技術を足し合わせると何ができるか?といったことに答えられる社員が限られていたことです。他部門の状況が見えていなかったのです。

社内には、これまでに蓄積した技術を熟知している優秀な技術者を多く抱えていました。そこで、技術営業のチームを組織横断的に編成して、独自のノウハウと、富士通の技術、他社の技術を足し合わせた新たなソリューションをお客様に提供する活動を始めたのです。しかし、エキスパートを単に組み合わせだけのチームでは、新たな価値を生み出すことができませんでした。

営業に関しては素人集団だったので、商談状況を考慮して、どのような提案をすれば商談をもう一歩前に進めることができるかという情報共有が難しかったのです。社員がバラバラに動く状態から、行動を改革することがいかに難しいことかを体験しました。しかし、この活動は決して無駄ではありませんでした。商談に関する情報を組織横断的に共有し、組織の総力を挙げた対応ができ始めて、新規商談の受注への道筋が見えてきました。」

組織横断的な営業組織を構築した次は、営業情報・商談情報を共有する仕組みが無いことに問題があると気付きました。そこで、新規ビジネスの機会を発掘し、成約確度を高めて受注に結び付けるビジネスサイクルを実現する仕組みの検討を開始しました。特に力を入れて調べたことは、他社の成功事例でした。そして、その結果、行き着いたのが営業支援ツールとしてのCRMの活用でした。

ポイント

将来性と拡張性の観点からSalesforceを選択

同社ビジネス推進室 プロジェクト課長 香山 順一氏はこう語ります。「いくつかのCRMを検討して、最後までの残った2社のうち、1社がSalesforceのサービスでした。いくつかのCRMを検討して、機能、将来性、拡張性の3つのポイントから絞り込み、機能については、管理対象項目、ワークフロー、顧客管理に関する評価項目を決めて、ウェイト付けしたポイントの合計で評価しました。

Salesforceは、10年先を見据えても現行システムのままでも使用できると考えられました。将来性があり、リスクが少ないことがSalesforce採用の決め手となりました。また、弊社が最終的に構築したいシステムに対して段階的な拡張が可能なこと、運用の定着までの支援体制があることも重要な評価ポイントになりました。」

ビジネス推進室 プロジェクト課長
香山 順一 氏
第二事業部 第三開発部
志藤 歩 氏
富士通コミュニケーションサービス株式会社 ソリューション本部 第五事業部第三サポート部
課長代理(2018年1月12日取材時点)
深沢 光慈 氏

Salesforce導入プロジェクトの開始と現場が抱える不安の払拭

2017年4月にSalesforceの導入を決定し、パイロットプロジェクトを希望した、EyeExpert(アイエキスパート)と、GENEST(ジェネスト)の2プロジェクトにおいて、2017年7月に試験的な導入を開始しました。Salesforceが期待通りの運用に乗るかどうか、管理対象項目に過不足がないかどうかを、実際にSalesforceを使って確認し、さらに現場からのフィードバックを得たうえで、ワークフローなどを含めたトータルな運用の確認後、8月にサービスインする計画でした。

小型視線検出システム EyeExpert

Salesforceのパイロットプロジェクトを実施した同社第二事業部 第三開発部 志藤 歩氏は、次のように振り返ります。「これまでは表計算ソフトでお客様情報と商談情報を管理していました。その全てをSalesforceに置き換えることは、現場にとっては運用上の大きな変革だと感じました。特に私の部門はクライアント数が多く、EyeExpertはハードとソフトから成る製品のため発注形態も特殊であり、全社共通の仕組みをそのままの形で利用するのは、運用に不慣れなために導入時のハードルが高いという不安を感じました。」

同社は、Salesforceの導入に当たり、全社共通の仕組みを採用しています。しかし、運用に関しては部門ごとに差があり、現場ではSalesforceの導入に不安を抱いていることが分かりました。また、パイロットプロジェクトを通して、様々なシステム改修の要求も上がってきました。香山氏は、このような現場からの要望への対応について、次のように語ります。「Salesforceの導入に関する不安を払拭して現場に根付かせることに最も苦労しました。

富士通から、本プロジェクトを技術的に支援するパートナーとして、Salesforceの導入に関する豊富な経験を持ち、導入教育や導入後の運用定着までのサービスを提供できる富士通コミュニケーションサービス株式会社(以下、CSL)が紹介されました。富士通から提案のあったSalesforceの導入教育を実施し、日常の運用については、各部門を順に廻って説明し、現場の意見や要望を吸い上げることに注力しました。

現場からの意見や要望に対しては、まずCSLに相談しました。実際にCSLは、システム開発・導入準備段階からプロジェクトに参加して、現場の希望をいかに実現するかを親身になって考え、現場がSalesforceを使いこなすところまできめ細かくサポートしてくれました。現場が実現したいことを漠然とした形でCSLにぶつけても、システムの改修と運用の両面から検討して、現実的に実行可能な提案を返してくれたからです。CSLは多少無理な内容であっても、一度は受け止めて、親身になって相談に応じてくれました。」

Salesforceの導入と定着に関して、CSLのソリューション本部 第五事業部第三サポート部 担当課長 深沢 光慈 氏は次のように語ります。「現場が希望することと、現場が使いこなすことの間には相反する要素があります。例えば、ワークフローによって、関係者全員にメールを送ると、現場にメールが多数送られて、かえって重要な情報が分からなくなるというようなことが起こります。開発要件と、現場での運用とのバランスを考慮することが重要です。」

深沢氏は、さらに、今回のプロジェクトについて次のように語ります。「CSLとしては、富士通コンピュータテクノロジーズ様はシステム開発のプロフェッショナルで、Salesforce導入の期待値が非常に高いと感じました。そこで、本プロジェクトの最終形を意識しながら全体のステップを組立てました。まず、Salesforceの機能を絞って、導入段階のハードルを下げることにフォーカスしました。導入教育の内容もできるだけシンプルにして、まず一歩を確実に進め、すぐに二歩目に進めることを考えました。」

また、深沢氏は、Salesforce導入プロジェクトの成功要因について、次の3つをあげました。

  • 意識の高い2部門においてパイロットプロジェクトを実施したこと
  • 導入はシンプルにし、すぐに次のステップに進む真のアジャイル方式を採用したこと
  • 現場の意見や要望を大切にして、現場に寄り添う姿勢で運用の定着を図ったこと

導入効果

システム上でお客様情報と商談情報を共有し、全データの分析環境を構築

Salesforce導入プロジェクトの結果について、香山氏は次のように語ります。「これまでは、表計算のフォーマットが部門やプロジェクトごとに異なっていたので、データを集めるだけでも大変でした。また、データを分析しようと思っても、特定の項目があったり、無かったりして、一定の分析方法を全てのデータに適用することが困難でした。今では、お客様と商談に関する全ての情報がSalesforceに格納される状態になりました。既に登録されているデータは、2018年1月現在、900件以上になり、データを簡単に集め、1つの分析手法で、全てのデータの分析が可能な環境が構築されました。

システム概要図

Salesforceのパイロットプロジェクトを実施した志藤氏も、「色々なことを試した結果、他のプロジェクトと形態が違っていても、その形態に応じたシステムや運用を実現すれば使い勝手が良くなることが分かりました。」と、全社共通の仕組みを利用するうえでの不安が払拭されたと語ります。

「Salesforce導入の結果、お客様情報と商談進捗状況が見えるようになり、受注要因の分析や、強化すべきポイントが見えるようになりました。ワークフローの進捗状況もSalesforce上で簡単に確認できるようになっています。Salesforceへのログイン率が向上していることから、現場への定着も着実に実現しています。」(香山 氏)

Salesforce導入の成功と今後の展望

現場の想いを大切にして、現場に寄り添ったサポート

「Salesforceの導入と定着に当たって、現場に寄り添うことを何よりも心がけました。そして、単にシステムを構築するという考えではなく、魂を吹込むことが重要です。また、パイロットプロジェクトにおいて、現場の声に耳を傾けて、『これが足りない、ここが違う』といった、現場の声を聞かせていただくけることは本当にありがたいと感じました。

今回のSalesforce導入は大変なプロジェクトとは感じませんでした。プロジェクトに情熱を傾けながらも、楽しんでいました。現場の声を反映した改善が、会社を確実に良い方向に向かわせていることを実感できたからです。今後は、経理システムとSalesforceとの連携の実現や、売上の向上に直結する商談期間や勝敗因、クロージング率、接触率などの分析と可視化などに注力したいと考えています。」(香山 氏)

「2017年は、弊社のビジネスを可視化するところまで実現できました。現在は、データが集まり、分析ができるようになった段階であって、最終的にはお客様の要望に沿う提案ができるように共有された情報を活用したいのです。弊社の各部門長は、それぞれの分野で日本一を目指す高いレベルの技術を持っています。しかし、他部門の状況がなかなか見えないことが現在の課題です。部門長が、組織横断的に物事を見るためにSalesforceを活用できると期待しています。

また、現在は、弊社は富士通向けのビジネス比率が高いのですが、このビジネスを大切にしながらも、新規のお客様からのビジネスを拡大することで売上の増大を図ることを考えています。お客様は、弊社に対価をお支払いされるので、単に物やサービスをお客様に提供するのではなく、お客様からの要望に、プラス・アルファの価値を付けて提供することが弊社の使命です。将来は、Salesforceをより一層活用して、ビジネスへの貢献度を数値によって評価する仕組みや、さらにマーケティング観点からの営業支援体制についても検討します。」(福元 氏)

組込み技術者集団を支えている、知識と経験を兼ね備えた一人ひとりの開発エンジニアの能力をフルに発揮することに注力して、スーパーコンピュータ「京」とその周辺装置の開発、整備、テスト環境の構築などの最先端の科学技術を提供しながら、同時に「家族ロボット教室」活動のように、社員がボランティアで岩手県に赴き、子どもたちとその家族にロボット制作を通して科学の面白さを伝える活動を1,000回以上も展開するといった幅広い社会貢献活動を展開する富士通コンピュータテクノロジーズ様。Salesforceを活用したビジネス拡大へのチャレンジから目が離せません。

SaleceForceに蓄積した顧客情報・商談情報の共有によって、
組織横断的なソリューションの提供が可能になりました。

株式会社富士通コンピュータテクノロジーズ様

事業内容 スーパーコンピュータ・サーバ、ストレージ、ネットワーク機器等のコンピュータ製品や携帯電話に代表されるモバイル機器や人感センサー、QRコード などの認証システム等のユビキタス製品の組込みシステム(ハードウェアおよびソフトウェア)の開発/設計、評価検証サービスの提供
所在地 川崎市中原区上小田中4-1-1
ホームページ https://www.fujitsu.com/jp/group/fct/新しいウィンドウで表示

[2018年2月掲載]

本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

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