久留米市 様

プッシュ型の情報配信”久留米市スタイル”を確立させ業務の効率化を進め、さらなる市民サービスの向上を目指す

導入事例レポート 久留米市 様

久留米市イメージキャラクターくるっぱ

久留米市様は、九州の北部、福岡県の南西部に位置し、筑後川に沿って山々が連なる、自然豊かなまちです。一方で、ものづくりが盛んな歴史を有するとともに、商業や農業のまちでもあります。さらに多くの音楽家や芸術家を輩出するなど、地域を構成するあらゆる要素が高い次元でバランス良くとれていることが久留米市様の強みだそうです。近年はICTを活用した教育やe-市役所(注1)の構築にも力を入れています。市民への情報配信においては、広報紙の他、コミュニティFMやケーブルTVに加え、2020年3月LINEを入口とした市民向け情報配信サービス「FUJITSU Managed Infrastructure Service スマートコンタクトサービス for Public 」を導入し、"久留米市公式LINE" を活用して、タイムリーに情報を配信しています。

  • 注1
    e-市役所:久留米市様では、スピーディで効率的な行政運営の実現を目指し、職員PCのWi-Fi端末化や会議のペーパレス化に取り組んでいます。
課題
効果
課題市民に確実に情報提供したい
効果市へのホームページアクセス数が前年比2.5倍となり、これまでより多くの市民に情報が届いている実感を得られている
課題水害・新型コロナなど、緊急時・不測事態の時に伝えるべき情報をタイムリーに提供したい
効果緊急時や非常時の“タイムリーな情報発信”によって、市民の防災意識が高まった
課題各部局の情報発信の制約を無くし、より自由にしたい(広報紙やチラシでは、予算や情報量に制約があり、タイムラグが生じる)
効果各部局職員の意識が、LINEでのプッシュ型の情報配信をはじめ、制約の少ないデジタル情報へとシフトし、積極的に発信しようとする意識が高まった

導入の背景

新型コロナウイルス禍や相次ぐ自然災害などを受け、非常時での迅速な情報提供の必要性を痛感。“情報で市民を守る”と決意。

久留米市様では、近年、水害などの災害が増加、緊急時や非常時における迅速な情報提供が市民からの要望であり、行政としての課題でした。広報戦略課の佐藤氏は、「災害時には情報が頼り。市民へタイムリーかつ直接的に情報を届けられないかと考えていました。」と振り返ります。そのような中、LINE活用による市民への情報配信をしていた福岡市や熊本市など近隣の自治体を参考にしながら“市民目線での情報配信”を心がけ、久留米市公式LINEの導入検討を進めました。

広報戦略課 課長の千代田氏は、「役所はICTが苦手。でも市民サービスの向上にICT化の流れは避けられない。そうであればICTを積極的に活用し、情報で市の活力を高めたい。」と決意。ICTの活用に積極的な市長の姿勢も後押しになったと語ります。

久留米市 総合政策部広報戦略課 課長 千代田 成樹氏

久留米市 総合政策部広報戦略課 課長 千代田 成樹氏

導入のポイント

“職員が簡単に操作できる” “正確な情報を配信コントロールできる” “各部局が自由に情報配信できる”

佐藤氏は、情報配信の環境導入に際して、「SNSの中でも全世代での利用率が72.6%(注2)と高いLINEであれば市民にも受け入れられやすいと考え、情報配信とシステム導入の検討を開始しました。採用にあたって重要視したのは、“職員が簡単に操作できること”と“情報の配信を一元的にコントロールできること”の2点です。これらを実現できるのがスマートコンタクトサービスでした。」と語ります。久留米市様は、運用にあたって市民が情報を受け取った時にわかりやすく、情報を役立ててもらう観点から、特に情報のビジュアル(画像と文字のバランス)や、配信する頻度・時間帯に気を配っています。また、スマートフォンでの利用を前提として “スクロールさせずに一目で情報の要点を伝える”などの工夫もしています。

導入時には、部局から「職員の業務負荷が増える」といった意見もあったそうですが、「各部局が自由に情報配信できるようになる。結果的には、それでストレスが軽減され、事業の成果も上がる」として、各部局にも納得と協力をいただけたと千代田氏は当時を振り返ります。

  • 注2
    出所:2020年一般向けモバイル動向調査(株式会社NTT ドコモ モバイル社会研究所)
久留米市 総合政策部広報戦略課 佐藤 未来氏

久留米市 総合政策部広報戦略課 佐藤 未来氏

導入効果

“市のホームページアクセス数が前年比2.5倍、情報伝達の機会が増えた” “災害の事前注意喚起で市民の防災意識が高まった”

LINEで情報のポイントを配信し、詳細をホームページへリンクする仕組みとなっている久留米市公式LINE。ホームページへのアクセス数も、前年比2.5倍以上。導入効果について、佐藤氏は、「ホームページへのアクセスが増えているということは、それだけ市の情報に触れている人が増えているということ。それを日々の生活に活かしていただけていたら何よりです。」と語ります。友だち登録数も、当初想定していた、1年目1万人の3倍以上と、既に3万2千人に達しています。

また千代田氏は、「災害が起きている最中だけでなく、 WEB版ハザードマップや避難所の情報など、LINEで事前に発信し、注意喚起を行うことで、市民の災害へ備える意識が高まった」と導入効果を実感されています。市民からも、LINEホーム画面の投稿で 「新型コロナの情報が手厚い」「久留米LINEを登録したので情報をもっと出して」との声をいただいています。さらに千代田氏は、「新型コロナウイルスの影響で当初想定していた運用はまだ完成していませんが、LINEによる情報配信の“久留米市スタイル"が確立できた」と語ります。また、久留米市様では各部局がLINEで発信する情報を分かりやすく作るだけでなく、 LINEで発信することを意識してホームページを作り変えたり、より分かりやすく伝えようとする意識が芽生えてきています。

今後の展望

より多くの人に伝えるべき情報を効率的に伝え市民サービス向上に役立てる

2020年3月の導入以後、友だち登録数は3万人を超えていますが、久留米市様では、これは新型コロナウイルスと水害の情報を積極的に出したことによるものであり、本当にLINE情報の価値が評価されるのはこれからと考えられています。また、本質的にはコンテンツの質を高め、適切な量とタイミングで配信し、その情報を活用してもらうことが第一であり、友だち数はその指標の一つととらえ、今後も、さらなる活用法を模索しながら、より多くの人へ、伝えるべき情報を、魅力ある形にしたうえで、効率的に伝える手法を研究されています。久留米市様はスマートコンタクトサービスの導入を機に情報配信における“久留米市スタイル”を確立させ業務の効率化を進めることで、さらなる市民サービスの向上を目指しています。

久留米市役所 様

所在地 福岡県久留米市城南町15番地3
市長 大久保 勉 市長
発足 1889年4月
職員数 1,887名(2019年4月1日時点)
ホームページ https://www.city.kurume.fukuoka.jp/

[記載の肩書きや数値、固有名詞などは、取材当時のものです。(取材日:2020年8月)]

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