共創に向けた知財活用の取り組み

社会課題解決に向けた知的財産の活用

当社グループでは、ライセンス供与の新たなスキームを提示することにより、さらなる社会課題解決を進めています。
当社グループは、時系列データの異常検知を行うAIモデルを自動で作成する富士通独自のTopological Data Analysis(以下、TDA)技術を、米国で精神疾患の革新的ソリューションを提供するスタートアップ企業Delight Health Inc.(以下、Delight Health社)へライセンス供与し、Delight Health社の新株予約権を2023年11月に取得することで合意しました。本ライセンス供与によりDelight Health社は、現在開発中のせん妄の発症を正確に予測する高度な検出装置を富士通のTDA技術によって確立させ、特に高齢者に頻発する深刻な疾患であるせん妄に苦しむ患者の救済を目指します。

FUJITSU Technology Licensing Program™ for SDGs

富士通グループは、イノベーションにより持続可能な世界を実現するため、SDGs達成に貢献する特許やノウハウなどの知的財産を企業・学術機関にご活用いただく取り組み「FUJITSU Technology Licensing Program™ for SDGs」を推進しています。

環境関連技術の技術移転の枠組み「WIPO GREEN」を通じたコラボレーションや、国や自治体、金融機関、大学における知的財産マッチング活動、教育機関と連携した知的財産創造教育の取り組み、インクルーシブな社会を目指すブランド・デザインの活用により、当社グループの技術が社会で活用される機会を広げるとともに、環境保全・ウェルビーイング・経済成長に貢献しています。こうした取り組みを継続することは、グローバル社会における当社グループへの評価や社員のイノベーションに対するインセンティブなど、様々な無形資産の形成にも寄与するものだと捉えています。

ご紹介動画:社会課題を共創で解決する知財開放の取り組み

環境保全に向けた知的財産活用(WIPO GREEN)

当社グループは、SDGs達成を目的に、グローバル企業との共創を促進しており、2017年9月より、世界知的所有権機関(WIPO)が運営している、環境関連技術の技術移転を支援するための枠組み「WIPO GREEN」に参画しています。初代コアメンバー(世界で12企業/団体)として、WIPO GREENの活動方針について戦略的な提言を行うとともに、WIPO GREENデータベースに多数の技術を登録してきました。

また、SDGs達成に向けた社内啓発活動として、当社のWIPO GREENに関する活動やWIPO GREENのニーズ情報を題材に、SDGsに関する全社eラーニングの実施や、社内ワークショップを開催しています。

地方創生に向けた知的財産活用

当社グループが保有している特許の中には、事業戦略の変化に伴い当社グループ自身では実施しなくなったものや、実施している場合でも他の企業に活用していただいた方が、より高い価値を創造できるものがあります。このような特許に加え、ノウハウも技術シーズとして積極的にライセンスすることによって、研究開発の成果を広く社会で活用していただいています。

当社グループは、国や自治体、金融機関、大学における知的財産マッチング活動と連携しながら、共創活動による新ビジネスを多数創出しており、地域活性化にも貢献しています。

未来のイノベーターを育む取り組み

近年、企業の知的財産を活用した商品アイデアを考案する学生向けのアイデアコンテストが各地で開催されています。

当社グループは、未来のイノベーターを育む取り組みに賛同するとともに、積極的に知的財産を提供しています。学生の考案したアイデアが事業化につながった事例も出ており、イノベーションや起業に挑戦する人材の育成に貢献しています。また、教育機関と連携した小中学生向けの知的財産教育にも積極的に取り組んでいます。

FUJITSU Technology Licensing Program™ for SDGsの特許一覧

富士通が積極的にライセンスを行っている開放特許をご紹介します。


インクルーシブな社会を目指すブランド・デザインの活用
音をからだで感じ、まわりの人と音を一緒に楽しむ「Ontenna」

富士通の知的財産に関するお問い合わせ