昭和女子大学様発ベンチャー 株式会社 Tapirus(タピルス)様

在学生が起業したベンチャーが挑む、赤ちゃん見守りシステム「Tapirus(タピルス)」
【代表特許:特許5935593号】

企業の開放特許を活用したビジネスアイデアを競う「知財活用スチューデントアワード」(主催:西武信用金庫)で優勝したアイデアの実現に向けて、大学の歴史で初めて在学生がベンチャーを立ち上げたプロジェクトが産声を上げました。
次世代の赤ちゃん見守りシステム「Tapirus(タピルス)」を考案した昭和女子大学グローバルビジネス学部ビジネスデザイン学科・前田ゼミの皆さんに話を聞きました。


左から、昭和女子大学 杉田夏葵さん(株式会社Tapirus代表取締役、同大卒)、
前田純弘非常勤講師、菅安佳里さん(株式会社Tapirus 代表取締役、同大4年)

「知財活用スチューデントアワード」に参加された経緯について教えてください。

前田さん:学生たちにとって、企業の開放特許をもとに製品アイデアを考えるというのは非常に良い経験になると思い、ゼミの課題として参加を提案しました。ビジネスのアイデアというのは、ただ「楽しい」や「人気が出る」といった着眼点だけではなく「自分たちの身の周りにある社会課題を解決するためにどうするか」という視点から練ることも必要です。学生たちは、自分たちが将来経験する可能性の高い子育ての課題を探し、ターゲット層へのフィールドワークやコストの計算など、実際にビジネスを創出する際の手順を踏んでアイデアを生み出したので、非常に勉強になったと思います。

考案したTapirus(タピルス)の特徴を教えて下さい。

杉田さん:赤ちゃんに異変があった時にスマートフォンのアプリを通じて警告するシステムです。人体に微弱なマイクロ波を照射し、その反射波の変化量から呼吸・心拍・体動を計測する富士通さんの特許技術「非接触バイタルセンサー技術」を活用しました。赤ちゃんが嫌がる接触型センサーや、感知データが限定的だった既存センサーの課題を解決するものです。
赤ちゃんの見守りが求められる背景にSIDS(乳幼児突然死症候群)があります。実際に保育園で子育て中の両親にアンケートを取ると、不安を抱えている方が多く、その課題は未来の自分のことでもあったので、少しでも安心して子育てできるようなものになったらと思い、立案しました。企画を立て、フィールドワークを通じてアイデアを精査し、第三者にプレゼンをする過程が貴重な経験になりました。

子育て世代の悩みを緩和するアイデアですね。製品化の展望はいかがでしょうか?

杉田さん:技術的なハードルが非常に高いのですが、昨年会社を設立し、製品化するために方法を模索中です。

菅さん:私たちの会社の理念は「育児を頑張りすぎなくてもいい社会の構築を支援する」ことです。それは、この製品をカタチにすることで寄与できると考えています。

最後に、こういった学生向けビジネスコンテストについてどう思いますか?

前田さん:企業の特許技術を学生が勉強し、それを実際にビジネスのカタチにするというのは、他にはないコンテストです。なおかつ、そこからベンチャーが立ち上がれば、金融機関や企業の協力を仰ぎながら商品として世の中に出すのも夢ではありません。
社会課題の解決に向けて、皆様のお力をお借りしながら、未来を担う学生のアイデアがかたちになっていくのは理想的ではないでしょうか。企業と大学、ベンチャーなどが特許を通じて共創を目指すこのような取り組みは、もっと普及してほしいですね。

株式会社Tapirus様 概要

所在地〒154-8533 東京都世田谷区太子堂1-7-57昭和女子大学内
代表者代表取締役社長 杉田 夏葵
代表取締役 菅 安佳里
ホームぺージhttps://www.showabiz.com/新しいウィンドウで表示

[2021年12月24日掲載]

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