ブランドと商標 / デザインと意匠

ブランドと商標

富士通のブランドと商標

富士通ではブランドを重要な経営資源の一つと考え、より多くの人々に期待と信頼を抱いてもらえるよう、グローバルでブランドの訴求活動を行っています。

インターブランド社の「Best Japan Brands 2022」において、富士通は42位にランクインしています。知財部門では、富士通が有するブランドの価値を商標によって守る活動を実施しています。
また、190以上の国・地域において商標出願、商号やドメイン名に関するウォッチング体制を構築しています。第三者による商標等の不正使用や当社との関係を装う詐欺的な第三者によって富士通ブランドの信頼が損なわれることのないよう、毅然とした姿勢で対策を講じていきます。

ブランドの権利保護活動

富士通は、ブランドの権利保護活動として、以下の3つの活動を推進しています。

  1. 他者の商標権を尊重し、侵害リスクを回避するとともに、富士通グループの商標権を確保することでグローバルなビジネスを支援する活動
  2. 富士通商品の模倣品や、富士通の著名性に便乗した商標出願や商号登記などを監視・阻止するための活動
  3. 商品やサービスの名称だけでなく、Key Focus Areasを支えるKey Technologiesに関する商標権を確保してテクノロジーブランドとして保護する活動(以下ご参照)

テクノロジーブランドの紹介

Computing

デジタルアニーラ

「組合せ最適化問題」を実用レベルで解ける唯一の技術

量子現象に着想を得ることで、現在の汎用コンピュータでは解くことが難しい「組合せ最適化問題」を高速で解く技術です。様々な量子コンピューティング技術の中でもアニーリング方式というものに属していることが名称の由来になっています。
(日本国商標登録第6051802号他、特許出願済み)

AI

Wide Learning
(ワイドラーニング)

Deep Learning(深層学習)に並び立つAI技術

すべての組み合わせを網羅して特徴を見つけるAI技術です。富士通のAI「Zinrai」の技術の一つであり、Deep Learningが苦手とする領域をカバーする新たな技術であることが名称の由来になっています。下記リンクのサイトにおいて、新型コロナウィルス施策の分析事例や、体験ツールを紹介しています。
(日本国商標登録6256376号他、特許出願済み)

AI

Deep Tensor
(ディープテンソル)

人やモノのつながりを表すグラフ構造データから新たな知見を導くAI技術

グラフ構造データに対して高精度な解析を可能とするAI技術で、がんゲノム医療や新薬開発などにも活用できる技術です。テンソル(Tensor)と呼ばれる数学表現を用いてグラフ構造データを表現するDeep Learning技術であることが名称の由来になっています。
(日本国商標登録5957070号他、特許出願済み)

AI

High Durability Learning
(ハイ デュラビリティ ラーニング)

世界初AIの精度劣化を自動修復する新技術

「AIを運用していくうちに精度が劣化してしまう」という課題を解決する技術で、AIモデルの精度劣化を自動的に監視・修復する世界初の技術です。様々な環境・状況に対して高い耐久性(High Durability)を示し、良い結果を出し続けることができるAIモデルであることが名称の由来になっています。
(日本国商標登録第6317943号、特許出願済み)

Data&Security

Chain Data Lineage
(チェインデータリネージュ)

データ流通を「支える」ブロックチェーン技術

データの出所や加工履歴といったデータの血統(Lineage)のようなものを確認でき、データ流通の信頼性を向上させる技術です。患者のデータを利活用する創薬研究や、個人の運転履歴のデータを利活用する自動車保険などにおいて、本技術を活用して安心してデータを利活用できるようになります。
(日本国商標登録第6214305号、特許出願済み)

Data&Security

IDYX
(アイディーワイエックス)

ブロックチェーンを活用したアイデンティティー流通技術

オンライン上で誰もが安心・安全に取引を行うことができるように、企業や個人などの取引相手に対して信用できる本人情報を簡単に確認できるようにする技術です。デジタルアイデンティティを相互に交換し合うこと(IDentitY eXchange)が名称の由来になっています。
(日本国商標登録第6258327号、特許出願済み)

Data&Security

コネクションチェーン

ブロックチェーン同士を安全につなげるセキュリティ技術

実装方式や運営目的が異なる複数のブロックチェーンを安心・安全に相互接続するセキュリティ技術です。異なる仮想通貨の交換や、企業間の高信頼なデータ交換、契約自動化などで活躍する技術です。
(日本国商標登録第6058668号他、特許出願済み)

Converging Technologies

Actlyzer
(アクトライザー)

映像から人の様々な行動を認識する行動分析技術

大量の学習データを準備しなくても、映像から人の様々な行動を認識するAI技術です。行動(Action)と分析装置(Analyzer)の組み合わせが名称の由来になっています。
(日本国商標登録第6355622号、特許出願済み)

Converging Technologies

Dracena
(ドラセナ)

柔軟性の高いストリームデータ処理技術

IoTや5Gの進展によって、実世界のヒト・モノ・コトをクラウド上で表現できるようになっているなか、クラウドに流入する大量のストリームデータをリアルタイムで処理し、柔軟かつ迅速なサービス開発を可能にする技術です。
(日本国商標登録第6098165号、特許出願済み)

デザインと意匠

富士通のデザインと意匠

富士通ではデザインを重要な経営資源の一つと考え、あらゆる事業活動にデザインのマインドや手法を活用していきます。​
デザインの創作には、これまでもこれからも、人を中心に考える「Human Centered Design」、地球環境と共生する持続可能な社会を作る「サステナブルデザイン」、人々がそれぞれの能力を十分に発揮でき、安心、快適、そして豊かに生活できる社会を目指した「ユニバーサルデザイン」が大切であると考えます。
昨今は、物品の形状そのものであるハードウェアのデザインに加え、物品を問わない画像のデザインなども増えています。これらを含め、事業活動の過程で創作されたデザインを戦略的に意匠として権利化することで、お客様や自社の製品を守り、富士通のブランド価値を高めていきます。

事例1:体操の採点を支援する画面デザインを権利化

3Dセンシング技術を用いた世界初の採点支援システム
これまで目視で確認していた体操競技者の手足の位置や関節の角度などを、わかりやすく可視化している画面デザインです。
近年高度化・複雑化する体操競技の公正かつ正確な判定をサポートし、審判員の負担軽減やスムーズな競技進行の実現に寄与しています。
世界初の採点機能のアピール及び各国で開催される体操の大会における安全な使用の確保のため、日本だけでなく米国やEU など海外でも権利化しています。

受賞
2019年度のグッドデザイン賞 金賞、 DESIGN INTELLIGENCE AWARD 2020 のDIA SILVER 受賞を受賞し社外からも高い評価を得ています。

関係リンク

プレスリリース

事例2:コロナ禍における社会貢献を目指し、手洗いの行動分析の画像意匠を出願

行動分析技術Actlyzer(以下、Actlyzer)手洗い動作認識の画面は、厚生労働省が推奨する​正しい手の洗い方6ステップと各ステップのこすり回数、適切に泡立っているかについて​ユーザにフィードバックするために、誰が見てもわかりやすく使いやすいGUIを意識し​デザインされています。​
COVID-19の感染対策や、国際衛生管理手法HACCPに沿った手洗い実施の記録として​広く公衆衛生に寄与できる画面デザインであることを考慮し意匠出願を行いました。​

Actlyzerとは
Actlyzerは、「歩く」「首を振る」「手を伸ばす」といった人の基本的な動作の学習済​AIを組み合わせて、大量の学習データを準備しなくても映像から購買行動や不審行動など人の様々な行動を認識可能な技術です。​

関係リンク

プレスリリース

知財ミックス戦略での権利保護活動

富士通では、ユーザーとの対話を通じてユーザーが何を求めているかを真摯に考え、課題を解決するための新たな製品・サービスを生み出しています。知財部門では、それを如何に知財で保護していくかという視点で知財ミックス戦略を実践しています。
知財ミックス戦略とは、特許権、意匠権、商標権などのそれぞれの知的財産権の強みを組合せて権利化することにより、自社製品または自社サービスを知的財産権で多面的に保護する知財戦略です。
富士通が実践した知財ミックス戦略の事例として、音をからだで感じる新しいユーザインタフェースOntennaをご紹介いたします。

音をからだで感じ、まわりの人と音を一緒に楽しむ「Ontenna」

Ontennaの特徴
Ontennaは、60~90dBの音を256段階の振動と光の強さに変換し、音の特徴をからだで感じる新しいユーザインタフェースです。使用方法は、Ontennaをユーザの髪の毛や服のそで口などにヘアピンのように装着し、装着したOntennaが音を感知した際に、感知した音の鳴動パターンをリアルタイムに変換することにより、リズムやパターンといった音の特徴を楽しめる装置となっています。

開発の背景
Ontennaの開発背景として、開発者が学生時代にろう者と出会い、ろう者の方に「デザインとテクノロジーを用いて、音を伝えたい」という思いから、ろう者の方と一緒に新しい音知覚装置の開発を始めました。開発者は2016年の当社入社以降もデザイナー、エンジニアと共にどうすれば、Ontennaを用いて、ろう者と健聴者が一緒に音を楽しむ体験を提供することができるかを試行錯誤し、現在のOntennaにたどり着き、2019年8月にOntennaの販売が決定しました。 現在、Ontennaは全国のろう学校へ無償配布を行い、発話練習やリズム練習の際に、音を振動と光でろう学校の子供たちに届けるという大きな役割を担っています。

活用事例:ろう者と健聴者が共に楽しむ未来を目指して
Ontennaを使用することで、普段、声を出さないろう学校の生徒が積極的に声を出すようになったり、太鼓や笛の強弱を感じることができたり、みんなでダンスを合わせて楽しむことができるようになりました。
現時点では日本の約8割以上のろう学校に導入され、発話練習やリズム練習で活用されています。

また、楽器演奏時にリズムやタイミングを伝えたり、スポーツ・文化イベントにおいて、ろう者と健聴者が共に臨場感や一体感を感じることができるようになりました。

知財ミックス戦略での多面的な保護
Ontennaは装着時の違和感をなくすため、丸みのある優しいフォルムでヘアピンように装着できる形状となっています。 Ontennaの本体部分、充電器、複数のOntennaを制御することができるOntennaコントローラの意匠出願および意匠登録を行い、Ontennaの本体部分の形状は立体商標でも権利化を行っています。また、Ontennaの充電方法や通信システムは特許出願、特許登録も行っており、Ontennaの本体部分及び周辺機器を知財ミックス戦略で保護しています。

受賞
Ontennaは2019年度のGOOD DESIGN賞の金賞、IAUD国際デザイン賞大賞、地方発明表彰特許庁長官賞などを受賞し、社外からも高い評価を得ています。
さらに、2022年には、音を振動・光で知覚する身体装着装置に関する意匠が「恩賜発明賞」を受賞しました。

最後に
富士通は、物品の形状や画面デザインを意匠で権利化するだけでなく、特許、意匠、商標のそれぞれの強みを活かした権利化を行うことで、Ontennaのような製品を守り、安心、快適、そして豊かに生活できる社会を目指します。

富士通の知的財産に関するお問い合わせ

ページの先頭へ