宝養生資材株式会社 様

抗菌・消臭作用のある光触媒材料、チタンアパタイトを使った石鹸の開発
【代表特許:特許3928596号】

宝養生資材株式会社様は、神奈川県川崎市で、主に建築養生資材の製造販売を行っています。
代表取締役の吉村政城様と吉村千恵子様にお聞きしました。

知的財産をビジネスで活用してみようと思ったきっかけを教えてください。

当社は、建築や改装中の建物を汚れや傷から守る「養生資材」を扱っている会社です。先代の社長はさまざまな資材を開発した大変なアイデアマンです。特許もたくさん出願しています。会社を引き継いだ私たちも、何か新しいもの、環境にやさしいものを開発しようと考えていたところ、大企業の知的財産を中小企業のビジネスに活用する川崎市の知財マッチングの取り組みを知り、参加してみることにしました。

知的財産を使ってどのような製品を開発したのですか。

私たちは、光触媒「チタンアパタイト」の持つ吸着力に着目し、抗菌・消臭作用に優れた石けんを作ることにしました。
製品化には2年ほど試行錯誤しました。最初はチタンアパタイトの消臭効果が強すぎて、香料の香りまで吸ってしまい、香料を加えすぎると今度は固まらず、何度も試作を繰り返しました。最終的には抗菌・消臭作用に優れた満足のいく製品を開発できたと思います。


[開発した石けん]

新製品開発にチャレンジしてよかったことは何ですか。

新聞やテレビ番組で紹介され、取引先から「見ましたよ」と声をかけられます。本業でも「新しいことにチャレンジしている会社」として見てもらえて大きなイメージアップにつながりました。新しいことにチャレンジするのはとても面白いですね。これまでは接点のなかった異業種の方々と交流できることもとても楽しいと感じています。

今後の展開について教えてください。

私たちは建築業界の会社なので石けんの販路を持っていません。これから新製品を販売していきますが、私たち中小企業にとっては販路の開拓は大きな課題です。そのような中、販路作りにおいても川崎市の皆様の力強い事業化支援があり、川崎市やその他の地域に製品を置いていただけることになりました。これからが頑張りどころです。

知的財産コーディネータからひと言

(財)川崎市産業振興財団知的財産コーディネータ西谷 亨 様
神奈川県川崎市は、大企業・研究機関が保有する開放特許等の知的財産を中小企業に紹介し、事業化を支援する「川崎モデル」という活動をしています。「川崎モデル」では、製品開発から事業化までに生じる課題を一つ一つ解決するよう、中小企業と「伴走」することが特徴です。
宝養生資材さんはとても積極的な会社で技術開発も意欲的です。今後は、販売戦略などをアドバイスしながら、サポートしていきます。

宝養生資材株式会社様 概要

所在地〒216-0015 神奈川県川崎市宮前区菅生2-19-17
代表者代表取締役 吉村 政城
商品の購入先準備中

[2017年3月15日掲載]

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