いなば農業協同組合 様

PC強制シャットダウン機能により時間外労働を抑制
労働生産性向上のきっかけに

導入事例レポート いなば農業協同組合 様

1994年、富山県のJA小矢部市・JA津沢・JA福岡町の3JAが合併し誕生したいなば農業協同組合(JAいなば)様。コシヒカリ「メルヘン米」、大豆、大麦などを作付けする他、ハトムギの大規模産地として全国トップクラスの作付面積や生産量を誇ります。同組合の経営部門が進める働き方改革の推進を背景に、時間外労働の抑止を目指して「FUJITSU Software TIME CREATOR」を導入。労働環境の改善とともに、労働生産性の向上に取り組んでいます。

課題
効果
課題職員の時間外労働を削減できる強制力のある施策が必要だった
効果平日20時以降にPCを使えない設定にすることで、時間外労働の削減を推進
課題少子高齢化による人員不足に備え、労働生産性を向上していきたい
効果TIME CREATORの活用で職員の時間意識を高め、労働生産性向上の足がかりに

働き方改革の取り組み

働き方改革関連法案が施行

企業に求められる取り組み例

  • 残業時間の上限規制
  • 有給休暇取得の義務化(年5日間)
  • 労働時間把握の義務化
  • インターバル制の努力義務化  など

いなば農業協同組合様の取り組み

TIME CREATORの導入や終礼の実施

  • 残業時間の抑止
  • 残業時間の可視化
  • 労働時間把握の義務化
  • 残業含む業務内容における上司と部下のコミュニケーション促進

導入の背景

働き方改革を進めるために時間外労働を削減する施策を検討

富山県の小矢部市と高岡市、福岡町を事業区域に、相互扶助(お互いに助け合い、お互いに発展していくこと)を共通の理念として、地域農業の活性化、農産物の開発・販売、貯金の受け入れ、農業生産資金や生活資金の貸し付けなど、幅広い事業を手がけるJAいなば様。その中でも労働時間が長い傾向にある金融共済部門に対して、17時までの窓口業務を16時に変更するなどの対策を進める中で、働き方改革を推進するさらなる施策が求められていました。

「経営部門からは時間外労働の削減が課題として挙げられていました。少子高齢化に伴う人手不足が懸念される中で、これまでの業務や仕事のやり方を見直し、限られた人員の中で労働生産性をどのように高めていくかを検討する必要がありました。」と話すのは同組合の経営企画部 企画管理課 課長の山下和之氏です。

全国的にも高まる時間外労働の削減という課題に対して、同組合では定時に終礼を実施。時間外労働が必要な職員は紙の書類を提出し、上司の承認を得るという制度を採用しています。部内のコミュニケーションが活性化され、上司が部下の業務内容を把握できるようになるなど一定の効果を出すことに成功していましたが、それだけではまだ不十分であったといいます。

「終礼だけでは強制力や明確なルールがないため想定以上の効果は得られないと感じ、より効果的に時間外労働を抑制できる施策やソリューションがないかと検討を開始しました」と経営企画部 企画管理課 主任の高田泰志氏は語ります。

いなば農業協同組合 経営企画部 企画管理課 課長 山下 和之 氏 いなば農業協同組合
経営企画部
企画管理課 課長
山下 和之 氏
いなば農業協同組合 経営企画部 企画管理課 主任 高田 泰志 氏 いなば農業協同組合
経営企画部
企画管理課 主任
高田 泰志 氏
いなば農業協同組合 経営企画部 企画管理課 主任 砂川 勇二 氏 いなば農業協同組合
経営企画部
企画管理課 主任
砂川 勇二 氏

導入のポイント

現行のシステムを変更せずに導入できる点が決め手に

経営部門の意向を受け、経営企画部主導で時間外労働の削減を進めるためにJAいなば様が行ったのは、特定の時間以降のPC利用を抑制する方法です。試験的な取り組みとして、決まった時間にPCを自動でシャットダウンするバッチファイルを作成して金融共済部門の従業員が使用するPCに登録しました。

「特定の時間以降にPCを使えなくなるという観点は良かったのですが、設定した時間が来るとウィンドウが出た後にすぐにシャットダウンされてしまうため、作業データが保存できないなど、職員からは不満の声が挙がっていました」と山下氏は当時を振り返ります。

バッチファイルの実用性に課題を感じた同組合は改めてツールの選定に乗り出します。PCの時間外利用の管理ができ、かつ操作性の高いソフトウェアを探していく過程で知ったのがTIME CREATORでした。「情報収集をする中で類似の機能を持つ他社製品も検討したのですが、それは統合型のソリューションであったこともあり、現行のシステムを変更せずに導入できるTIME CREATORを選定しました。システム構築までの工数が少なくて済み、コスト削減という観点からも導入のしやすさを感じました」とTIME CREATORの導入を担当した高田氏は話します。

そうして約220台のPCに対してTIMECREATORを導入したJAいなば様。事前周知の徹底もあり、大きな問題もなく導入を推進することができました。また、バッチファイルと比較して、段階的に警告が出た後にデータの保護がしやすくなった点も好評だと言います。

導入効果と今後の展望

20時以降はPCを使えない運用により時間外労働の削減を推進

TIME CREATORは操作が簡単であるため、職員への電子マニュアルの配布だけで導入に成功した一方、ルール作りには力を入れたと話す山下氏。「定時である17時半までは自由にPCを使える設定にし、時間外労働の申請・承認がない場合には18時半から警告画面の表示を行い、19時にシャットダウンされるようルール化しました。また、平日20時以降は承認の有無に関わらずPCが使用できない設定にしています」

他社への導入経験などを元に富士通エフサスがパターン化した運用ノウハウを参考にしながら運用ルール作りを行いました。TIMECREATORは労働環境に合わせて運用方法を柔軟にカスタマイズできるため、その点は有用だったともいいます。また、部署ごとに誰が時間外労働を承認するのか、不在の場合には誰が代理で承認するのかといった詳細なルールを事前に決めたこともスムーズな導入につながりました。

また、「平日の20時以降はPCが使えない」という明確なルール化により、職員の時間意識が向上し、生産性向上のきっかけにもつながっています。「TIME CREATORを導入したことにより、職員から“今までは深夜残業してやっていた作業を明日に回すようになった” “帰宅時間が可視化されたので、仕事が終わったら帰りやすくなった”といった声も届いています。仕事が忙しくない時期は早く帰るようになることで、健康面にも良い影響が出ることを期待しています」(高田氏)

今後の展開について、経営企画部 企画管理課 主任 砂川勇二氏は「ますます環境の変化が進む中で、早い段階から働き方改革への対策を考えておくことは大切だと考えています。今後は人事部門とも連携し、TIME CREATORの分析レポートなども活用しながら、1年を通した時間管理の施策を進めていきたいと思います」とさらなる働き方改革への意気込みを語っています。

いなば農業協同組合 様

本社 富山県小矢部市石動町10-30
代表者 代表理事組合長 岡田繁正
発足 1994年9月
職員数 255名(2019年3月末)
ホームページ http://www.ja-inaba.or.jp/

[記載の肩書きや数値、固有名詞などは、取材当時のものです。(取材日:2019年3月)]

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