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VPS事例
株式会社SUBARU
モノづくり本部 生産技術統括部 様
開発・生産準備における業務効率化のためのプロセス変革
株式会社SUBARU様の自動車生産技術部では、量的成長を背景に定着してしまった経験とカンに頼った定性的な仕事の進め方から、データに基づいた定量的な仕事の進め方へと、大幅な業務プロセス改革に取り組まれました。
本稿では、解決手段の一つとして生産工程の情報管理(BOP*1構築)を行い、VPS DMUおよびMFGとVPS GP4を活用した具体的な取り組みと活用事例について、モノづくり本部 生産技術統括部 企画領域長 太田 様と主査(デジタル戦略)中村 様、電動車両生産技術部 塩谷様よりご紹介いただきます。
本事例の内容は、第40回VPS事例セミナーでのご講演をもとに作成しています。
(画像の一部にモザイク処理をしています。)
- *1)BOP:Bill of Process
製造業で用いられるBOM の一形。製造に必要な、作業手順や工程表、
作業指示書などで必要な情報を、製造プロセス情報、プロセスフローとして管理するもの。

生産技術統括部 企画領域長 太田様 生産技術統括部 主査(デジタル戦略) 中村様

- 本社: 東京都渋谷区恵比寿1-20-8 エビススバルビル
- 代表者: 代表取締役社長 大崎 篤
- 創立: 1953年(昭和28年)7月15日 (創業:1917年(大正6年5月))
- 従業員総数: 17,228人(連結会社 合計37,521人)
- Customer's website
- (2023年3月31日現在)
取り組み範囲とBOPの狙い
現状の問題は現物段階における開発のやり直しでした。ありたい姿は、机上段階から各部一丸となって検討をやりきり、現物段階へ進むことです。しかし、上流情報を待つという仕事の進め方や出図以降から始まる検討業務により、絶対的に検討時間が不足しているのが現状です。そのため十分な机上検討をやりきることができず、現物段階に進んだ後に検討不足による見落としや不具合が見つかり、開発のやり直しが生じています。
また、混流生産やピッチタイム変動によって工程変化が流動的に発生することもあり、最新の工程情報をキャッチする仕組みが無く、開発や改善に活かせないといった課題もあります。こういったことから、ありたい姿と最新の工程情報を共有することにより、部門を越えた開発プロセスの改革が必要と考えました。
以下の図1は、BOPの取り組みの狙いを記載したものです。現状業務では机上検証がやり切れず、現物段階で設計変更や工程変更などのやり直しを行っている時間を示しています。お客様によりよい品質の商品を早くお届けするために、下段グラフの青い折れ線のように机上段階に検討工数をフロントローディングし、現物段階でのやり直しをなくすことを目指しています。
これまでは解決手段がなく、実現できずにいましたが、VPS DMUおよびMFGとVPS GP4を活用して業務プロセスの変革を行いました。

BOP構築活動概要
BOP構築活動では、まずSUBARUの生産技術業務の現状分析から始めました。2021年度のプロジェクト開始当初から、開発元のデジタルプロセスにも支援いただき、BOP構築とは意識せず、工数が多くかかっている箇所やミスが出ている箇所、困りごとなどを、各生産技術部門にインタビューを行いました。出てきた問題点を分類して親和図を作成し、それらを影響の大きさにより重要度を付け、優先順位を決定しました。問題点を分類すると、どの部門も「情報収集や帳票作成」と「検討内容の質」に問題があることが分かりました。
インタビューから明らかになったことを整理し、先ほどの図1にあてはめると、開発の前半では、検討に必要な情報を書類、現場、または知見のある人から集めるといった作業に多くの時間をかけていました。生産図面の出図後も、帳票の作成に多大な工数をかけている上に、図面や過去の検討結果などさまざまな情報を人が転記で作成するためミスが多発します。図2の右の円グラフのように現物フェーズで発見される不具合の多くは、見落とし、判断ミス、検討不足によるものです。開発のムダを省いて業務効率化を行い、検討精度を上げることで、やり直しの多いトラブルシュート開発からの脱却が求められていました。

SUBARUの競争力強化には、環境・市場変化にタイムリーな商品提供が必要です。そのためにはこのトラブルシュート開発を改め、開発・生産準備段階を短縮、効率化するだけではなく、新技術や次期車へのリソース配分の強化が必要となります。そこでBOP構築を進め、設計情報、工場情報、品質情報をBOPと繋げ、蓄積した情報を各所で利活用できる姿を目指しました。
BOPシステムでは、開発業務と量産以降の業務とのデータ連携が必要で、設計~生産技術のみでなく製造部門でも扱いやすい仕組みとツールが求められます。市場にはPLMソリューションとしてBOP管理ができるものもありますが、それらは普段現場で作業を行う製造部門にとってはなかなか馴染みません。そこで、製造部門でも扱いやすい工程検討ツールとして、3Dをベースに視覚的にわかりやすく使いやすい操作性を実現しているVPSと、その情報を管理するBOP管理ツール(デジタルプロセススクラッチ開発ツール)を組み合わせたBOP構築に取り組みました。
この取り組みでは、前述の現状業務の分析から始め、各部門が主体的に活動を進めました。現在も進捗に合わせて計画を見直しながら活動を継続しています。このBOP構築活動で一定の成果が出てきているボディ(溶接)領域と、トリム(組立)領域について説明します。
ボディ(溶接)領域 取り組み
ボディ(溶接)領域では、スポット溶接でボディを組み立てます。従来の業務では、3D CADのキャプチャを取り、打点計画/打点指示にExcelを使用して帳票を作成していましたが、各担当者のローカルPCでの作業であったため、資料の個人持ちや計画漏れが発生していました。また、関連会社へ意図を正確に伝えることができず、説明にも工数を費やしていました。
VPSでは、3Dデータに打点情報を設定し、3D上の打点を選択するとその打点情報が表示されるため、打点計画を容易に作成、共有できるようになりました。また、以前に計画/指示を作成した打点は情報を引き継ぐことができ、変化点のみの管理が可能になったため、約30%の工数を削減できました。

トリム(組立)領域 取り組み
トリム(組立)領域でも、デジタル検討段階では3D CADデータなどの上流情報を使用して検討しますが、生産図面の出図以降は、担当者による帳票間の転記作業が行われており、上流情報を十分に活かせていませんでした。これからは上流情報をデータで参照しながら、組立性検証(構造検討)や工程検討を実施し、その結果をデータベースとして蓄積します。また、その情報はレビューやシミュレーション、他部門との共有に利活用します。そしてBOPとして蓄積した情報は生産指示までつなぎ、帳票作成などの作業を省きます。
VPSでは、3Dデータで組立の作業手順検討、製造情報検討、アニメーション作成を実施します。VPS MFGで作成した情報をVPS GP4へ連携し、工程シミュレーションに繋げることで、机上検討の幅が大幅に広がりました。
VPS MFGの活用例の一つとして、作業指示にて作業手順をアニメーションで確認ができるため、従来、文字と2Dの絵で伝えていた工程表に比べ、圧倒的に理解度が高まっています。
また、VPS GP4を活用することで、3D上で工場内の作業者の動きや工数、距離の算出、作業姿勢分析など、定量評価と改善をフロントローディングできるようになりました。

今後の展開
今回の取り組みでは、各部門へのインタビューから始まり、ありたい姿を描き、重要度と優先度を決めてスコープを絞り進めてきました。スコープを絞り、スピード優先で進めてきた結果、2年をかけずにここまでの構築が可能となりました。また、データに基づいた検討と判断ができるようになり、各生産技術部の取り組みは一定の成果を上げることができました。
今後は、初期に描いたありたい姿により近づくため、BOP管理ツールを中心にVPS MFGとVPS GP4のさらなる展開や新規製品への適用、またVRソフトのXphereの導入検討を視野に入れながら、3Dデータを活用した業務改革とBOP構築を加速していきます。
[ 2024年6月掲載 ]
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