仮想化(KVM)
機能紹介
ここでは、KVMが提供する機能のなかで「リソース配分/拡張機能」と「運用管理/保守機能」について紹介していきます。
リソース配分/拡張機能
- CPUリソースを仮想マシン毎に柔軟に配分
富士通が中心となって開発した資源管理機能「cgroup」により、仮想マシン毎にCPUリソース(仮想CPU数、CPU使用比率配分(Weight)、物理CPU指定(Pin))を柔軟に配分することができます。
CPUリソースを求められる高負荷な業務には、物理CPUを占有させることでリソース不足による処理能力の低下を回避できます。一方でCPUリソースをそれほど要求されないような業務では、複数業務で物理CPUリソースを共有・リソース配分することで、貴重なCPUリソースを有効に活用することができます。 - 仮想マシン毎に占有メモリを割り当て
メモリ管理はLinuxと共有なためシンプルにメモリ管理を行うことができます。またCPUと同じように、仮想マシン毎に占有メモリを割り当てることが可能です。
物理マシンに搭載されたメモリはプールされ、仮想マシン起動時に割り当てられます。仮想マシン起動中は割り当てられたメモリを占有して利用するため、メモリ不足による性能低下が防げるとともにメモリリソースを有効に活用できます。 - HBA(FCカード等)を仮想マシン間で共有
仮想ブロックデバイス(VBD)は、仮想マシンにブロックデバイスを割り当てるための機構です。FCカード等を共有しながら、VBDとしてパーティション、GDS論理ボリューム(注)、LVM論理ボリューム、イメージファイルを利用することができます。
(注)GDS(PRIMECLUSTER Global Disk Services)は、ディスク装置に格納されているデータの可用性と運用管理性を向上させる富士通のボリューム管理ソフトウェア。
HBA(FCカード等)は仮想マシン間で共有できます。仮想マシンのSANブートや、イメージファイルを使用することでNASブートも可能です。 - 仮想マシンのネットワークを柔軟に設定
仮想ネットワークとして仮想ブリッジが提供されています。仮想ブリッジを経由することで仮想マシンは物理ネットワークインターフェースを共有することができ、仮想マシン間の内部折り返し通信等も可能となります。
仮想ブリッジによるネットワークカード(NIC)共有により、業務ネットワークや管理ネットワークなどの専用ネットワークの構築が容易となるとともに、最小の外部IPアドレスでネットワーク環境を構築できます。また、業務間のプライベート通信は仮想ブリッジで接続可能なため、NICやLANケーブルなども不要となります。
運用管理/保守機能
- 仮想マシンのGUI管理
仮想マシンマネージャ「virt-manager」はGUI(Graphical User Interface)ベースの運用管理ソフトウェアです。GUIであるため、仮想マシンの起動・停止・再起動の操作、仮想マシンの状態表示やリソース設定変更が容易に行えるのが特徴です。
また、リモートサーバ上の仮想マシンの監視・操作も行えるため、運用管理を一元化できます。 - 仮想マシンのクローニング
ひな型となる仮想マシン環境を用意しておき、それを複製することで簡単に仮想マシン環境を構築することができます。開発環境やテスト環境など、通常は必要ないけれど一時的に環境を用意したいような場合にクローニングを用いることで、簡単かつ迅速に作成できます。
各種修正やパッチ適用を行う前の仮想マシン環境を保存しておくことで、万が一トラブルが発生した際でも旧環境へ容易にリカバリーすることができます。また、バックアップ用途として活用することも可能です。 - ライブマイグレーション
本機能を利用することで、仮想マシンを実行したまま別のハードウェア上の仮想環境に移動させることができます。
ハードウェア保守が必要だが業務は止めたくない、高負荷な業務を立ち上げるので負荷が少ないハードウェアに移動させたい、などのシーンで活用すると効果を発揮する機能といえます。
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