富士通グループの歴史を
次世代に残すために
多種多様な歴史資料を
体系的に一元管理                                       

富士通株式会社 総務部
富士通アーカイブズ 導入事例

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「富士通アーカイブズ」は、富士通グループの歩みを示す貴重な歴史資料を組織的に収集し、一元管理するプロジェクトとして2010年からスタートしました。「FUJITSU 文教ソリューション Musetheque V4」を導入・活用し、それまで各部門で個別に管理していた資料を体系的に管理、広く活用できる仕組みを構築しました。

【導入事例概要】

業種 企業
ソリューション FUJITSU 文教ソリューション Musetheque V4

【課題と効果】

1 富士通グループの歴史を示す貴重な資料が各部門に分散し、個別に管理されていたため、散逸のリスクがあった Musethequeの導入・活用で、手作業による資料管理から脱却
2 大きな機器から部品まで、動画や写真、書籍から一枚ものの資料まで多種多様な品物を管理する必要があった 多種多様な品物や資料を容易に登録し管理でき、既存の一覧表などを活用した一括登録も可能
3 社内外からの富士通グループの歴史に関する情報提供依頼、問い合わせへのタイムリーな対応が困難だった 大量データの柔軟かつ高速な検索で関連資料も見つけやすくなり、問い合わせへの対応を迅速化

【導入の背景】

社史編纂をきっかけに富士通の足跡を示す歴史資料を一元管理する重要性が高まる

 1976年に開設された富士通沼津工場には、日本のコンピュータ業界の発展に大きく貢献した故池田 敏雄の功績を記念した「池田記念室」をはじめ、富士通のDNAを次の世代に伝える研修施設「富士通DNA館」、貴重な資料とともに富士通のあゆみが展示された「富士通アーカイブズ展示エリア」といった歴史施設があります。
 富士通 総務部 シニアマネージャーの布施 明人氏は、「富士通アーカイブズは、富士通の重要な製品・資料を一元管理し、一般公開することで企業価値を高めることを目的に創立75周年事業の一環として2010年にスタートした取り組みです」と説明します。
 この富士通アーカイブズの開始以前は、重要な資料や歴代の製品は富士通の各部門で保管していました。そのため、どこがどのような歴史資料を持っているのか把握しにくく、必要な資料を探すのに時間と手間がかかっていました。
 そのことが顕著になったきっかけは、創立75周年に向けて2007年に動き出した社史の編纂作業でした。総務部 富士通アーカイブズ 笠原 正子氏は「社史編纂には、歴史資料や歴代の代表的な製品を揃える必要がありましたが、部門ごとに表計算ソフトや紙の帳票で管理していたため、非常に苦労しました」と当時を振り返ります。
 各部門に電話やメールで問い合わせを重ねて必要な資料にやっとたどり着けるという状況だったのです。しかも長い歳月の中では、オフィスの引っ越しや部門の統廃合などがあり、その際に失われてしまった資料もあります。  
 貴重な資料を一元管理し、未来に残すための仕組みや施設など環境を整備することの重要性が急速に高まっていったのです。

【導入の経緯】

資料や写真、機器など多種多様な収蔵品の登録しやすさと検索スピードが導入の決め手に

 こうした動きの中で、富士通の総務部内に設置された富士通アーカイブズグループが取り組みをスタート、同時に「FUJITSU 文教ソリューション Musetheque V4」(以下、Musetheque)が導入されました。現在では機器約6,500点、資料や図書約38,000点、写真約15,000点、メディアファイル約6,500点など、合計で約72,000点をデータベース化し保存しています。
 Musethequeの導入にあたっては、資料や図書、写真、歴代の製品や機器など多様な収蔵品のデータを登録しやすいこと、必要に応じて素早く検索して資料や図書、写真などを探しだせることが高く評価されました。とくに、キーワードをいくつも入れた複合検索を実行しても検索スピードが落ちず、膨大な資料データベースの中から迅速に必要な資料を探し出せることにメリットを感じたようです。

【導入の効果】

必要なときに必要な資料にたどり着ける迅速な対応で企業価値をさらに向上

 Musethequeの導入・活用により、富士通アーカイブズではさまざまな効果を実感しています。まずは、歴史的資料の確認・閲覧といった問い合わせに迅速に対応できるようになったことです。「例えば、『1960年代の製品の写真が欲しい』といった要望や、富士通が大切にしている価値観の1つである『挑戦』を表す第8代社長 小林 大祐の『ともかくやってみよう』という言葉に関する資料への問い合わせなどにも、スムーズに対応できるようになりました」と笠原氏は話します。
 とりわけ、タイムリーな対応が求められる広報部門からの新聞掲載資料に関する問い合わせに迅速に対応できるようになったことの効果は大きいようです。布施氏は「広報部門からの『明日の朝刊に間に合わせるため、急ぎで資料の手配をお願いできますか』といった急な依頼にも、Musethequeの高速かつ高度な検索機能が非常に役立って います。富士通のブランド価値を高める意味でも、迅速な資料手配で当社の記事が掲載されることに繋がれば、その効果は大きいでしょう」と強調します。
  Musetheque に標準搭載されている類義語辞書(シソーラス) 機能にもメリットを感じています。例えば、社内報に関する資料を探すとき、「富士通ニュース」や「 F-PaL」など社内報のタイトルが変わってきたことを把握していないと、必要な資料を探し出すのが難しくなります。「Musetheque の類義語辞書に『社内報』や関連するキーワードを登録しておけば、名称変更などの予備知識がなくても必要な資料を探しやすくなります」(笠原氏)。
 また、布施氏は「展示会に製品や資料を貸し出す機会も多いので、貸し出した製品や資料が今どこにあり、いつ戻ってくるかを確認できる機能も便利です」と説明します。過去に好評だった展示会への貸出記録から製品リストを作成し、次の出展品の参考にするといった活用も広がっているようです。
 さらに、日本の科学技術の発達史上重要な資料の保存を目的に国立科学博物館が実施している登録制度「重要科学技術史資料(愛称:未来技術遺産)」に日本のコンピュータ黎明期を牽引したリレー式計算機「FACOM128Bおよび関連資料」が登録されたこともMusethequeの導入効果の1つです。「未来技術遺産(重要科学技術史資料)への登録は、世界最古級となる計算機が現在も稼働できる状態であること、また、設計・製造・保守・運用に関わる資料とともに保存されていることが評価された結果です。収蔵品データの登録が簡単で関連資料も体系的に管理できるMusethequeがあったからこそ、この結果につながったと実感しています」(布施氏)。

【今後の展望】

産業界にとっても価値ある資料の活用の幅をさらに広げていきたい

 Musethequeの導入・活用により富士通沼津工場内の施設だけでなく、神奈川県川崎市にある富士通テクノロジーホールをはじめ、施設・エリアを超えた社内資料の一元管理を実現しました。それにより、社内の貴重な資料を全社的な営業活動や企業PRに活用しやすくもなりました。さらなるMusethequeの活用と検索機能の高度化に向けて笠原氏は「製品名などをキーにした収蔵品の『モノ検索』に加えて、製品に関連する出来事やプレスリリースなどの『コト』からも検索できるデータベース化を進めていきたいです」と語ります。
 また、富士通沼津工場には、重要科学技術史資料「FACOM128Bおよび関連資料」をはじめ、情報処理技術遺産に認定されている各種製品など、日本の産業界にとって価値ある資料が数多く保管されています。布施氏は「著作権の問題もありますが、集めた貴重な資料を社内外に公開していくのが次のステップになると思います。将来的には社員だけでなく社外の方でも富士通の資料をWebで閲覧できるようにして、さらなる企業ブランドの向上や社会貢献を目指していきたいです」と今後の展望を示します。目指すべき方向性は明確なようです。(2019年1月現在)

【組織情報】

名称 富士通株式会社 総務部 富士通アーカイブズ
URL https://www.fujitsu.com/jp/about/plus/museum/
所在地 〒410-0396 静岡県沼津市宮本140番地 富士通沼津工場内
資料点数 約72,000点
(機器:6,500点、資料・図書:38,000点、写真:15,000点、
 媒体:4,000点、物品:2,000点、メディアファイル:6,500点)

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