Voice(社員の声)

富士通のパーパス実現を支える知財部門の業務内容、またその業務を通じてどのようなキャリアを積むことができるのか、それぞれの分野で活躍する知財部員の声をご紹介します。

Tiep Nguyen

Enhancing Fujitsu brand through promotion and protection of Fujitsu’s Technologies

I am the Director of Fujitsu Intellectual Property Center (FIPC), an intellectual property (“IP”) team remotely located in the Washington DC area, near the USPTO. I joined Fujitsu in 2008 to assist in FIPC formation. Our team is tasked with patent promotion and other IP-related activities for Fujitsu companies and research facilities outside of Japan, including North America, Europe, India, and Israel. Such activities include harvesting and protecting innovations from global Fujitsu research facilities via patent filing and prosecution, managing Fujitsu’s patent portfolios, IP training for Fujitsu researchers and IP personnel, negotiating research and joint IP agreements, and preparing legal opinions on patent infringement and invalidity. I am also a member of Fujitsu’s IP Center of Excellence which is tasked with developing and implementing Fujitsu’s global IP strategies.

Prior to joining Fujitsu, I spent 9 years in private law practice in the U.S. and 6 years as a USPTO Patent Examiner. My prior experiences made me realize that I wanted to be closer to innovations when and where they happened. At Fujitsu, I have gained a deeper technical knowledge of its technologies and understood the strategic and business reasons behind my work of protecting Fujitsu’s innovations in such technologies. I found much satisfaction helping technical researchers express their innovations to enhance Fujitsu’s products and services. It is a joy for me to see their pride when they realize that Fujitsu values their work through protection of their innovations with patent, trademark, and/or copyright registration. I enjoy the camaraderie and teamwork with colleagues in Legal & IP Unit in negotiating and preparing joint research agreements between Fujitsu and universities and other companies to further advance Fujitsu’s technologies. My active participation in the American IP Law Association (“AIPLA”) provides me with networking opportunities in the US and worldwide, which allows me to stay abreast of new IP law and regulations that I can share with my colleagues in Legal & IP Unit. Together, we work to ensure that Fujitsu takes full advantage of the available legal avenues to protect Fujitsu’s IP rights worldwide, enhance the Fujitsu brand as a technology company and its business, while also enhancing society with sustainability.


郷家 隆志

グローバル経験を通じたキャリアと人脈形成

研究開発職として入社し、自分の発明案件や他社特許の分析などを通じて知的財産に関心を持ち、自らの希望で知財部門に異動した後に弁理士の資格を取得して本日に至ります。 知財部門ではグローバルなビジネス展開に応じた知財ポートフォリオを構築し活用していくことも重要なミッションとなります。これを実現させる一つの手段としてグローバル全域のイノベーションの抽出と展開を加速させるために海外拠点の実務的な知財活動状況を共有できる情報交換の仕組みを構築する施策を自ら提案し、海外リージョンメンバーと連携して構築しました。また、コロナ禍において駐在員の派遣を停止した海外拠点の知財部門をリモート環境でマネジメントする体制を構築して海外から創出されるイノベーションを適切に保護してきました。何れの施策も言語や時差の壁は当然のことながら、文化の相違から生じる課題解決のアプローチが様々であり、お互いを理解する努力が必要となる場面にも直面したりしましたが、誠意と信念を持って対話を重ねることで信頼関係を構築し、課題解決に共に取り組んできました。 

この様なグローバル経験を通じて国内のみならず海外実務に関する知識・経験を研鑚できたことは勿論のこと、お互いに何でも相談したり助け合える世界中の仲間と巡り会えたことはかけがえのない財産と考えております。

現在は近年新設されたインドの研究所に駐在しており、非常に活気あふれる環境の下で知的財産のみならず法務や安全保障輸出管理など多面的な実務に取り組んでおり、常に新しいことに挑戦できることに大きなやりがいと責任を感じております。

最後になりますが当社ではグローバルにチャレンジを希望する社員をサポートするプログラムを提供しており、新入社員の方々も積極的にプログラムに参加しています。当社に入社される皆様にもグローバルにご活躍していただければとても嬉しく思います。


小松崎 舞佳

様々な業務に携わり、知財部員として成長できる

入社後、特許の出願から権利化を主に行う知財センターに配属になり、現在はコンピューティング研究所の量子化学計算に関する発明を担当しています。大学時代に化学を専攻していたことから、分子式や化学系の単語に対しての抵抗はあまりありませんが、権利化や中間処理を適切に行うために、コンピューティングに関してはもとより、化学系の分野についても発明の内容を理解するためには技術的な知識を身につける必要があります。本や論文等を用いながら技術について学びますが、理解できない部分も多々あり、発明のポイントがどこであるのか特定するのに初めはかなり苦労しました。それでも、技術のスペシャリストである発明者に直接、基本的な部分から質問したり、一から説明してもらうことで、段々と自分の中で、発明者との関り方や発明のポイントを見いだせるようになり、少しずつ自信が生まれてきました。
また、米国代理人が来日した際には、自分の担当している分野の案件についてディスカッションを行う機会もあり、英語で技術内容を説明し、対応方針について理解してもらうのはなかなか大変でしたが、代理人から有益なフィードバックをいただけ、無事に特許査定を得られたことは良い経験になりました。

海外に拠点を置く現地の知財担当者や共同研究相手先とも連絡を取り合うこともあり、知財の各部署のメンバーとも連携しながら必要な情報を収集し、業務を進める毎日です。入社時から働き方はリモートワークが中心ですが、上司、同僚と定期的に出社する日を揃え、出社した際は、ホワイトボードを使いながら対面で議論をしたりしています。周りに、知識と経験が豊富な社員がいて、業務の相談や知財について様々な観点で学べ成長できる環境があることも魅力だと思います。


森田 岳

特許の専門家から知財のジェネラリストへ

入社以来10年間、主にAIを含むコンピュータ・ソフトウェア関連発明の特許業務に従事してきました。特許業務には、技術的な思想である発明を文章で表現するという作業があります。この作業は、特許紛争、アライアンス構築など特許の活用シーンを考慮し、様々な観点でより良い表現を目指して推敲を重ねて行うものです。国内外の特許出願に関して数十件、数百件と経験を積むことによって、発明を表現するスキルを習得していきます。幸い、富士通は技術を重んじる会社で特許出願件数も比較的多く、社内に脈々と受け継がれているノウハウもあり、特許技術者としての成長環境は恵まれていると思います。

成長を感じる経験の1つに、約7ヶ月間に渡る米国研修があります(写真はCityCenterDCにて)。米国研修では、ワシントンDCにある法律事務所に滞在し、特許弁護士と対峙しながら米国実務を直に学んできました。教わるばかりではなく、時には異を唱えることによって、彼らと信頼関係を構築しました。帰国後も連絡を取り合っており、日々の業務の中で彼らの知見を上手く活用することができています。また、研修期間中に、パテントエージェント試験に合格するという目標も達成でき、実りある経験をさせていただきました。

23年度より知財戦略室に異動し、知財の何でも屋となっています。主には海外の知財部と連携しながら海外の研究開発拠点の知財活動のマネジメントを行っていますが、その他、AI技術のライセンス供与を活用した米国スタートアップへの投資、買収企業の知財事項に関するPMI、国策に関わる関係省庁からのヒアリング対応等、様々な業務に携わっています。10年間で培ってきた特許技術者のスキルをベースとして、その上に様々な知財の経験やスキルを積み上げているところです。

今後も、国益に資する知財人になるべく精進していきたいなと思います。


髙橋 知明

知財を活用することで富士通のビジネス、そして、社会に貢献する重要な業務

私は学生時代に知的財産センター受入れのインターンに参加したことがきっかけで、特許業務は特許法の知識だけでなく技術を理解する力も求められることを知り、知的財産センターへの配属を希望して入社しました。学生時代から物の構成や動作原理を考えることは好きでしたが特許法の知識はなかったので不安もありましたが、社内外の研修や先輩方からの指導などを通じて特許業務について基礎から学ぶことができ、入社時には特許について初心者だった私でも半年後には実際の案件を担当させてもらえるまでになりました。その後は、特許出願・権利化業務を担当し、発明者の技術資料を元にして特許出願するための説明資料の作成や、特許庁から特許されないと判断された発明における特許庁への反論方針の検討などを行っています。技術を理解するのに時間を要し苦労することもありましたが、特許出願・権利化業務を通じて説明力を培いながら、狙った権利範囲で特許査定を受けた時には達成感を得られました。

現在は、知的財産戦略室に異動し知財活用施策の検討および実行を担当しています。担当業務の一つに、イノベーションにより持続可能な世界を実現するため、SDGs達成に貢献する特許やノウハウなどの知的財産を企業・学術機関にご活用いただく取り組み「FUJITSU Technology Licensing Program™ for SDGs」があります。他の企業に直接、あるいは、学生が創造した新商品のアイデアをベースに他の企業に当社の知的財産をご活用いただきますが、当社が提供する知的財産について発明の特徴部分などを分かりやすく説明する必要があります。そこで、これまで特許出願・権利化業務を通じて培ってきた説明力が発揮されていると実感しています。この取り組みで他企業・他機関と共創することで実際に商品化された事例もあり、自社そして社会に貢献する、そのような重要な仕事に携われ、日々やりがいを感じながら仕事をすることができています。

2024年3月実施
本稿中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は取材当時のものです


棚田 景子

知財部門の新しい価値創造、テレワーク環境でもしっかり成果が出せる

入社後、SEの損益管理を行う事業部門に配属され、事業部内の予算策定等の業務に携わりました。富士通の第一線でビジネスをされるSEの方を隣から見ることができる貴重な業務でした。約10年経って、当時の業務への達成感と「新しいことに挑戦したい」という気持ちが芽生え、現在所属する知的財産イノベーションセンターを志願し異動しました。

知財イノベーションセンターでは、ビジネスプロデューサーやSE(現場部門)のビジネスに寄り添い、知財活動を幅広く支援しています。特に、私は現場部門の商品企画を支援する「知財コトづくり」という仕事を担当しています。この仕事は良い商品を作りたいという現場部門の課題や目指すゴールを伺い、知財の付加価値をつけて良いアイデアを創出するワークショップを行うものです。毎回、創意工夫に頭を悩ませながらも、新しい価値創造ができるのでワクワクする仕事です。これまで約100PJを支援しましたが、現場部門の方の「お客様に訴求する提案をしたい」という熱意や悩む姿を見て、「一緒に頑張りたい!」とやる気になります。また「次回もお願いします」と言っていただけると、知財部門がビジネスパートナーとして期待されていることを実感します。2020年の社内の論文大会では代表に選ばれてプレゼンする機会もあり、広く認められて嬉しかったです。

ワークショップを行うことが多いですが、コロナ禍前は対面形式だったものの、現在は全てオンライン形式になりました。オンライン形式の方がより成果を出せているし、通勤時間がなくなった分、子供と向き合う時間が増えたので私にとってはメリットが大きいです。今後も仕事と子育てを両立させて、楽しくやりがいのある仕事を続けたいです。


余吾 貴彦

知財の専門家として成長できる環境

入社後、6年間コンピュータ・ソフトウェア関連発明の知財権利化業務に従事し、現在は権利化業務で得た知見を活かして知財情報を活用したインテリジェンス解析業務に従事しております。本業務では、事業部からの依頼に対し、知財情報やマーケット情報、論文情報等を統合的に分析し、今後のビジネスに役立つインサイトを見出す調査レポート(IP Insight)を提供しています。自身の経験を踏まえ、富士通知財部門の魅力は大きく2つの環境にあると考えます。

1つ目は様々な研修を通し、多くの知識を得られる環境です。知財を学ぶJIPA研修、社外の知財部門の方と知財に関し議論するJIPA委員会&知財情報活用分科会、海外への語学研修や大学のビジネススクール等、自身の成長につながる様々な学びの機会をいただき大変刺激になりました。

2つ目は様々な観点から知財の活用方法を学べる環境です。私は入社前、知財の業務として権利化やライセンスをイメージしておりました。しかし、入社後、それらに加え、知財をどう活用するかを考えることの重要性を学びました。知財の活用の仕方は多岐に渡り、無限の可能性があります。富士通知財部門では常にその可能性を模索し、複数のセンター・室がそれぞれ違った立場から知財の活用に取り組んでおります。
私自身、権利化業務に従事していた際には自身が担当した部門や技術領域の特許を実ビジネスへの貢献につなげるためにどうアピールするかという観点での活用をメインに取り組んでおりました。一方、現在の業務では、競合他社や業界の特許を分析し、ビジネスの方向性に関する知見を得るために活用しております。前者が知財の権利としての活用、後者が知財の情報分析としての活用であり、これら二つだけでも大きく異なる活用方法となります。

富士通の知財部門では上記活用以外にも様々な活用が実践されており、知財の活用を様々な観点から学び、経験できる魅力的な部門であると感じております。


足立 夏子

「富士通のブランドとデザインを知財で支える」

私はブランド・デザイン知財戦略グループで、商標と意匠の権利化と使用等にあたってのリスク回避を主とした業務を担っています。
デザインに関していうと、今後のサービス展開や使われ方を想定し、競合他社の状況も踏まえたうえで、意匠法やその他関連法に則り権利範囲を定めて出願の方法を検討しています。
また、企業の知財担当ならではですが、完成したデザインを権利化するだけではなく、社内に向けた知財の啓発にも積極的に取り組んでいます。会社全体のポートフォリオはもちろん、法改正や他社状況などを常にキャッチアップし実務や施策に落とし込み、活発且つ安全な知財活動を促すために、セミナーの開催やe-learning講座を作成したり、創作活動のモチベーションを高める施策の検討などを行っています。また業界団体として関係省庁への法整備の働きかけなど、種を蒔く前の土つくりから長いスパンで携わり業務は多岐に渡っています。
未だ世の中にない新しいデザインを戦略的に権利として抑えるにあたっては、法律の側面だけではなく、最先端の技術やデザインに触れて、それが広がることで新たな便利で美しい世界が生まれることを想像し、年を重ねるにつれ薄れてしまいがちですがワクワク感やミーハーな感覚を持つことも大切だと考えます。その想いとデザイナーへのリスペクトを持つことで、創作の背景にある物語を引き出し、いい権利が生まれるのではないかと思います。

自分らしく働き自分軸で生きる人生を

時間や場所に捕らわれない新しい働き方が可能な時代になりました。通勤やそれに付随する時間が省略されたことで、自分を成長させる時間や時には甘やかす時間、家族と過ごす時間を保つことができ、また子供の成長を近くで見守ることができるのは何にも代えがたいものです。時間のコントロール主が自分になることで、それは自身を律する責任を伴うことではありますが、人生100年時代を”自分軸”で働くことができ、よりよい人生の歩みに繋がっていくと思います。


丹下聖子

社内外の様々な人と関わりながら成長し、
富士通ビジネスを知財で支える

入社後、富士通の技術を特許で権利化する部署で、特許のプロフェッショナルとして様々なプロジェクトに関わりました。例えば、メディア露出も多い体操採点支援システムでは、基礎研究を行う研究所と応用および商談を担当する事業部の両者を担当し、ビジネスのスピードを落とさずに、先端技術をしっかり知財でおさえることで、プロジェクト全体を知財で盛り上げる活動を行いました。
その後、ビジネスプロデューサーやSEなどのビジネスフロント部門の知財関連相談を一手に引き受ける部署に異動し、商談などビジネスでの知財活用、契約対応、他社特許侵害回避対応、OSS、さらには現場の知財リテラシー向上のための教育など、多岐にわたる仕事を任されています。企画や商談前などビジネスの上流段階で、攻めと守り両面で、知財も使いながら、現場と一緒にビジネスを組み立てていくという、チャレンジングな仕事で、やりがいを感じています。

また、2014年と2016年には、米国ワシントンD.C.の法律事務所にトレーニーとして赴任しました。米国弁護士をはじめとした現地の人たち、日本企業の駐在員など、その時に構築したネットワークは、日本帰国後も交流が続いており、大きな財産となりました。 さらに、各社知財部員が様々な知財イシューを検討する社外活動にも参加しています。各々独自の知財戦略を持つ他社の人たちとディスカッションする機会はとてもエキサイティングであり、自身の視野を広げることができます。
最後に、「知財部門=研究開発部門の人たちと仕事をする部署」というイメージがあるかもしれませんが、お客様と相対するビジネスプロデューサー・SE、さらには国内外問わず社外の人たちと関わることも多いです。そのため色々な人と関わりながら仕事をして自分自身を成長させられることも、この職場の魅力だと思います。

2022年9月実施
本稿中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は取材当時のものです

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