Voice(社員の声)
富士通のパーパス実現を支える知財部門の業務内容、またその業務を通じてどのようなキャリアを積むことができるのか、それぞれの分野で活躍する知財部員の声をご紹介します。

棚田 景子
知財部門の新しい価値創造、テレワーク環境でもしっかり成果が出せる
入社後、SEの損益管理を行う事業部門に配属され、事業部内の予算策定等の業務に携わりました。富士通の第一線でビジネスをされるSEの方を隣から見ることができる貴重な業務でした。約10年経って、当時の業務への達成感と「新しいことに挑戦したい」という気持ちが芽生え、現在所属する知的財産イノベーションセンターを志願し異動しました。
知財イノベーションセンターでは、ビジネスプロデューサーやSE(現場部門)のビジネスに寄り添い、知財活動を幅広く支援しています。特に、私は現場部門の商品企画を支援する「知財コトづくり」という仕事を担当しています。この仕事は良い商品を作りたいという現場部門の課題や目指すゴールを伺い、知財の付加価値をつけて良いアイデアを創出するワークショップを行うものです。毎回、創意工夫に頭を悩ませながらも、新しい価値創造ができるのでワクワクする仕事です。これまで約100PJを支援しましたが、現場部門の方の「お客様に訴求する提案をしたい」という熱意や悩む姿を見て、「一緒に頑張りたい!」とやる気になります。また「次回もお願いします」と言っていただけると、知財部門がビジネスパートナーとして期待されていることを実感します。2020年の社内の論文大会では代表に選ばれてプレゼンする機会もあり、広く認められて嬉しかったです。
ワークショップを行うことが多いですが、コロナ禍前は対面形式だったものの、現在は全てオンライン形式になりました。オンライン形式の方がより成果を出せているし、通勤時間がなくなった分、子供と向き合う時間が増えたので私にとってはメリットが大きいです。今後も仕事と子育てを両立させて、楽しくやりがいのある仕事を続けたいです。
余吾 貴彦
知財の専門家として成長できる環境
入社後、6年間コンピュータ・ソフトウェア関連発明の知財権利化業務に従事し、現在は権利化業務で得た知見を活かして知財情報を活用したインテリジェンス解析業務に従事しております。本業務では、事業部からの依頼に対し、知財情報やマーケット情報、論文情報等を統合的に分析し、今後のビジネスに役立つインサイトを見出す調査レポート(IP Insight)を提供しています。自身の経験を踏まえ、富士通知財部門の魅力は大きく2つの環境にあると考えます。
1つ目は様々な研修を通し、多くの知識を得られる環境です。知財を学ぶJIPA研修、社外の知財部門の方と知財に関し議論するJIPA委員会&知財情報活用分科会、海外への語学研修や大学のビジネススクール等、自身の成長につながる様々な学びの機会をいただき大変刺激になりました。
2つ目は様々な観点から知財の活用方法を学べる環境です。私は入社前、知財の業務として権利化やライセンスをイメージしておりました。しかし、入社後、それらに加え、知財をどう活用するかを考えることの重要性を学びました。知財の活用の仕方は多岐に渡り、無限の可能性があります。富士通知財部門では常にその可能性を模索し、複数のセンター・室がそれぞれ違った立場から知財の活用に取り組んでおります。
私自身、権利化業務に従事していた際には自身が担当した部門や技術領域の特許を実ビジネスへの貢献につなげるためにどうアピールするかという観点での活用をメインに取り組んでおりました。一方、現在の業務では、競合他社や業界の特許を分析し、ビジネスの方向性に関する知見を得るために活用しております。前者が知財の権利としての活用、後者が知財の情報分析としての活用であり、これら二つだけでも大きく異なる活用方法となります。
富士通の知財部門では上記活用以外にも様々な活用が実践されており、知財の活用を様々な観点から学び、経験できる魅力的な部門であると感じております。
足立 夏子
「富士通のブランドとデザインを知財で支える」
私はブランド・デザイン知財戦略グループで、商標と意匠の権利化と使用等にあたってのリスク回避を主とした業務を担っています。
デザインに関していうと、今後のサービス展開や使われ方を想定し、競合他社の状況も踏まえたうえで、意匠法やその他関連法に則り権利範囲を定めて出願の方法を検討しています。
また、企業の知財担当ならではですが、完成したデザインを権利化するだけではなく、社内に向けた知財の啓発にも積極的に取り組んでいます。会社全体のポートフォリオはもちろん、法改正や他社状況などを常にキャッチアップし実務や施策に落とし込み、活発且つ安全な知財活動を促すために、セミナーの開催やe-learning講座を作成したり、創作活動のモチベーションを高める施策の検討などを行っています。また業界団体として関係省庁への法整備の働きかけなど、種を蒔く前の土つくりから長いスパンで携わり業務は多岐に渡っています。
未だ世の中にない新しいデザインを戦略的に権利として抑えるにあたっては、法律の側面だけではなく、最先端の技術やデザインに触れて、それが広がることで新たな便利で美しい世界が生まれることを想像し、年を重ねるにつれ薄れてしまいがちですがワクワク感やミーハーな感覚を持つことも大切だと考えます。その想いとデザイナーへのリスペクトを持つことで、創作の背景にある物語を引き出し、いい権利が生まれるのではないかと思います。
自分らしく働き自分軸で生きる人生を
時間や場所に捕らわれない新しい働き方が可能な時代になりました。通勤やそれに付随する時間が省略されたことで、自分を成長させる時間や時には甘やかす時間、家族と過ごす時間を保つことができ、また子供の成長を近くで見守ることができるのは何にも代えがたいものです。時間のコントロール主が自分になることで、それは自身を律する責任を伴うことではありますが、人生100年時代を”自分軸”で働くことができ、よりよい人生の歩みに繋がっていくと思います。
2022年9月実施
本稿中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は取材当時のものです
髙橋 知明
富士通のビジネスを支える重要な業務
私は学生時代に知的財産センター受入れのインターンに参加したことがきっかけで、特許業務は特許法の知識だけでなく技術を理解する力も求められることを知り、知的財産センターへの配属を希望して入社しました。学生時代から物の構成や動作原理を考えることは好きでしたが特許法の知識はなかったので、入社後に仕事に付いていけるのか不安がありました。しかし、社内外の研修や先輩方からの指導などを通じて特許業務について基礎から学ぶことができ、入社時には特許について初心者だった私でも半年後には実際の案件を担当させてもらえるまでになりました。現在は主に特許出願・権利化業務を担当し、発明者の技術資料を元にして特許出願するための説明資料を作成したり、特許庁から特許されないと判断された発明における特許庁への反論方針の検討などを行っています。
特許出願・権利化の業務にあたっては、発明の新しい部分を明らかにすることが必要です。しかしながら、発明者の技術資料を読んでもすぐに発明を理解できないことも多々あり、基礎技術や従来技術から勉強する毎日です。発明に関わる技術に関して、技術者の方々から直接教えてもらうこともあります。技術を理解するのに時間が要し苦労することもありますが、技術的な構成要素がどのように組み合わさって機能しているのかを一つずつ解明することで発明の新しい部分を明らかにできた時には、この仕事の楽しさを感じます。
また特許実務を習得するには、技術に加えて、国内外の特許法など法律についても勉強する必要があるため、時間がいくらあっても足りたいと感じることもあります。しかしながら、技術者の方々が開発した大事な技術を特許という知的財産に仕立て上げ、そして活用することで富士通のビジネスに貢献する、そのような重要な仕事に携われ、日々やりがいを感じながら仕事をすることができています。
森田 岳
知財の専門家を目指して
入社以来、主にコンピュータ・ソフトウェア関連発明の特許業務に従事してきました。特許業務には、技術的な思想である発明を文章で表現するという作業があります。この作業は、特許紛争、アライアンス構築など特許の活用シーンを考慮し、様々な観点でより良い表現を目指して推敲を重ねて行うものです。数十件、数百件と経験を積むことによって、発明を表現するスキルを習得していきます。幸い、富士通は技術を重んじる会社で特許出願件数も比較的多く、社内に脈々と受け継がれているノウハウもあり、特許技術者としての成長環境は恵まれていると思います。
成長を感じる経験の1つに、約7ヶ月間に渡る米国研修があります(写真はCityCenterDCにて)。米国研修では、ワシントンDCにある法律事務所に滞在し、特許弁護士と対峙しながら米国実務を直に学んできました。教わるばかりではなく、時には異を唱えることによって、彼らと信頼関係を構築しました。帰国後も連絡を取り合っており、日々の業務の中で彼らの知見を上手く活用することができています。また、研修期間中に、パテントエージェント試験に合格するという目標も達成でき、実りある経験をさせていただきました。
現在、富士通研究所の人工知能研究所を担当しています。AI技術は、富士通のビジネスにおいて最も重要な技術の1つです。また、人工知能研究所は「技術で世界一を目指す」を標榜して研究開発を行っています。最重要技術であって、世界一を目指す訳ですから、それに呼応して世界基準で質の高い特許を仕立て上げることが求められます。それに応えることによって、特許で富士通のAI技術のプレゼンスを証明するという想いを持って業務を行っています。
責任重大ではありますが、非常にやりがいのある仕事です。
丹下聖子
社内外の様々な人と関わりながら成長し、
富士通ビジネスを知財で支える
入社後、富士通の技術を特許で権利化する部署で、特許のプロフェッショナルとして様々なプロジェクトに関わりました。例えば、メディア露出も多い体操採点支援システムでは、基礎研究を行う研究所と応用および商談を担当する事業部の両者を担当し、ビジネスのスピードを落とさずに、先端技術をしっかり知財でおさえることで、プロジェクト全体を知財で盛り上げる活動を行いました。
その後、ビジネスプロデューサーやSEなどのビジネスフロント部門の知財関連相談を一手に引き受ける部署に異動し、商談などビジネスでの知財活用、契約対応、他社特許侵害回避対応、OSS、さらには現場の知財リテラシー向上のための教育など、多岐にわたる仕事を任されています。企画や商談前などビジネスの上流段階で、攻めと守り両面で、知財も使いながら、現場と一緒にビジネスを組み立てていくという、チャレンジングな仕事で、やりがいを感じています。
また、2014年と2016年には、米国ワシントンD.C.の法律事務所にトレーニーとして赴任しました。米国弁護士をはじめとした現地の人たち、日本企業の駐在員など、その時に構築したネットワークは、日本帰国後も交流が続いており、大きな財産となりました。 さらに、各社知財部員が様々な知財イシューを検討する社外活動にも参加しています。各々独自の知財戦略を持つ他社の人たちとディスカッションする機会はとてもエキサイティングであり、自身の視野を広げることができます。
最後に、「知財部門=研究開発部門の人たちと仕事をする部署」というイメージがあるかもしれませんが、お客様と相対するビジネスプロデューサー・SE、さらには国内外問わず社外の人たちと関わることも多いです。そのため色々な人と関わりながら仕事をして自分自身を成長させられることも、この職場の魅力だと思います。
大須賀 咲子
多様な業務とキャリアプラン
入社してからこれまで、知財部門の中で幅広い業務を担当してきました。大学で法律を学んでいたこともあり、配属当時は商標の権利化・渉外や知財契約の業務を中心に行っていました。その後、知財戦略の企画・立案、グループ再編やグループガバナンスへの対応、またJEITAや日本知的財産協会といった外部団体を通じた知財政策活動への参加、さらに産休・育休等の休職期間を経て特許の紛争対応や特許プールを通じた知財活用戦略の検討などの業務を担当し、現在に至ります。
知財部門というと、特許の権利化のイメージを持つ方が多くいらっしゃると思いますが、実際にはその業務は多岐に渡ります。富士通の知財部門では、若手の頃から沢山のチャンスが与えられ、子育てをしながらであっても多様なキャリアが積めることをぜひ知って頂きたいと思います。
現在所属する知的財産戦略室では、富士通グループ全体の知財戦略の策定・推進を行っています。多様な施策がある中、昨年度はテクノロジーブランディングの推進を担当し、全社ブランド戦略と技術戦略の連携に向けた社内体制の構築を行いました。今年度はチームを率いて、富士通グループ全体に関わる知財ガバナンス実現のための方針検討と体制構築、および改訂コーポレートガバナンス・コードへの対応として、社外ステークホルダーに対する知財情報の開示に関する検討を行っています。
新しい施策の推進には困難も多いですが、これらの施策を通じて富士通のビジネス貢献につながると思うと、やりがいを感じると共に、プロジェクトリーダーとしての責任や使命感を覚えます。
今後も富士通のパーパス実現を支えるための知財戦略に携わり、様々な形でビジネスに貢献してきたいと思います。そして、私自身も更にキャリアを重ね、成長し続けて行きたいと考えています。
2021年12月実施
本稿中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は取材当時のものです
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