公共図書館を行政や
地域情報の発信拠点に
広報業務成功の鍵は
ホームページの活用
北海道滝川市立図書館 様
行政と連動した展示や市内の企業と連携した取り組みで地域の活性化を図る北海道滝川市立図書館様(以下、同館)。よりタイムリーかつ広範囲な広報活動を実現するために図書館独自のホームページを作成。図書とは直接関係ない行政・地域の情報も発信し、市民と行政・地域と図書館の連携をさらに強固なものにしました。その取り組みを紹介します。
導入事例概要
オファリングテーマ | 広報支援サービス |
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ソリューション | FUJITSU 文教ソリューション WebiLis |
課題と効果
課題
効果
- 課題図書館に求められる役割が変化し、市民と行政・地域をつなぐという視点で新たなサービスの拡充・機能強化が必要だった
- 効果図書館ホームページを開設して行政や地域の情報、地元企業のバナー広告などを掲載、ホームページを通じて市民と行政、地域をつなぐことで、地域活性化に貢献
- 課題図書館のユニークな取り組みや行政情報を、よりタイムリーに多くの市民に届けることが求められていた
- 効果 行政の取り組みを図書館ホームページやSNSを通じて発信、鮮度の高い情報をよりタイムリーに多くの市民に届けられるようになった
- 課題 高齢者・障がい者向けサービスの情報など、情報を必要としている市民に適切な情報を届ける取り組みが手薄だった
- 効果図書館ホームページに図書とは直接関係のない情報なども掲載、情報を必要としている市民に適切なタイミングで発信できる体制を整えられた
導入の背景
多くの市民に、よりタイムリーに図書館からの情報を届けるには
街中で実施される行政が関わるイベントや防災月間といった啓発活動など、PRが必要な取り組みの情報をキャッチしたら、すぐに庁内の担当課からポスターやチラシをもらい、本の貸出返却のタイミングで図書館利用者にチラシを手渡ししたり、イベントに関連する書籍を一緒に展示したりと図書館ならではの広報活動を実施し、「市民と行政との間をつなぐ」新たな役割を果たすようになりました。こうした中、同館 館長の深村 清美氏は「もっと多くの情報をタイムリーに市民に届け、図書館と『つながる』市民や地元企業などを増やしていくにはどうしたら良いのかを、さらに考えるようになりました」と振り返ります。
さらに、同館では「雑誌ささえ隊」という活動に取り組んでいます。これは、地元の企業・団体に雑誌の年間購読料を負担してもらうことで、最新号の裏表紙カバー部分に支援企業・団体のチラシを入れて活動をアピールするものです。チラシによるアピール以外にも企業や団体の活動を広報・宣伝できれば、企業や団体のこと、「雑誌ささえ隊」の取り組みを、より多くの市民に認知してもらえます。
また、滝川市内の店舗や団体・サークルなどを取材して図書館で紹介する「まちなかコンシェルジュ」の取り組みも、より多くの市民に届けたい情報でした。
そこで、同館では、市民にとって有益な情報を届け、「市民と行政をつなぐ」役割をより確実に果たすため、広報業務におけるホームページのさらなる活用を検討しました。
導入の経緯
多くの公共図書館が抱える図書館ホームページの活用における課題とは
ホームページを活用した情報発信には多くの自治体や公共図書館が取り組んでいますが、市民に活用してもらうためには、さまざまな工夫が必要です。例えば、多くの公共図書館のホームページは「自治体ホームページの一部」で、図書館として本当に知ってもらいたい取り組みをきちんと紹介できていないケースがほとんどです。また、ホームページを使った情報発信においては、利用者が知りたい情報を素早く探し出せるようにし、情報検索を途中でやめてしまわないように工夫することが大切です。深村氏は、「行政や図書館の目線ではなく、市民の目線に立って『こういったホームページなら面白い』と思ってもらえることが重要です」と話します。読みたい本が明確ではなく、「どんな本があるか」、「どんな情報があるか」を知りたくて図書館のホームページを訪れた利用者に対しても、興味・関心を抱かせ、深いところにまで入ってもらえるようにコンテンツを充実させることが必要です。
さらに、ホームページのデザインも利用者の心をつかむために必要な要素です。いかに見やすく使いやすいデザインにするか、これも公共図書館ホームページが考慮すべき課題の一つです。
導入の効果
図書館専用のホームページを開設し、市民と行政、地域をつなぐ役割を果たす
多くの公共図書館がホームページの活用に課題を感じている中、同館では2020年9月に図書館独自のホームページを開設しました。あわせて、情報発信のプラットフォームとしてSNSも活用し、広報業務のさらなる充実に取り組んでいます。例えば、行政や団体の取り組みを紹介するポスターやチラシをダウンロードできるページを作り、市民が図書館ホームページを通じて行政や地域の情報を簡単に入手できるようにしました。また、「雑誌ささえ隊」や「まちなかコンシェルジュ」といったユニークな施策についても独自のページを作って情報発信しています。特に「雑誌ささえ隊」のページは図書館ホームページ内でもアクセス数が5位の人気コンテンツです。雑誌の年間購読料を負担している企業や団体・サークルのチラシをダウンロードできるだけでなく、企業や団体ホームページへのリンクを張り、バナー広告を掲載することで、多くの市民によりインパクトのあるアピールができるようになりました。
「まちなかコンシェルジュ」のページもアクセス数が多い人気のコンテンツです。「まちなかコンシェルジュ」のように、図書館と直接関係しない情報へのアクセスが多いことについて、深村氏は「地域の情報を発信するという図書館ホームページの新たな役割が果たせています」と手応えを感じていらっしゃるようです。
さらに、新たな「気づき」もありました。アクセス解析の結果、「高齢者・障がい者向けサービス」のページのアクセス数が想定よりも多く、10位に入っていたのです。深村氏は、「高齢者・障がい者向けのサービスに関する広報活動が十分ではなく、情報を必要としている人に適切な情報が届けられていなかったことがわかってきました。そこを少しでも改善できたのは大きな効果です」と説明します。同館では、図書館ホームページでの情報発信と合わせて高齢者・障がい者向けサービス活用ガイドを作成しました。高齢者施設の関係者が集まる会議で配布し、説明会を行ったところ、高齢者施設や重度障がい者通所施設への出張おはなし会といった連携にもつながりました。図書館ホームページが市民と行政をつなぐ役割を果たしたのです。
図書館ホームページを活用した広報業務により、同館には2021年の図書購入費の寄付が400万円以上もあったほか、「雑誌ささえ隊」への図書購入費が約60万円、イベントへの協賛などもありました。図書館を中心に行政、地域、学校、企業、団体などの連携先とのWin-Winの関係が構築できました。
今後の展望
市民と行政・地域をつなぐ役割を果たすために広報業務の重要性はますます高まる
今後、公共図書館がホームページの活用を通じて広報業務を拡充できれば、他の図書館や自治体の取り組みや展示の情報を共有・閲覧できるようになるでしょう。市民は近隣自治体の図書館、さらには日本全国での取り組みといった情報に触れることができ、それを受けて各図書館・自治体は展示を工夫したり、新たな催しを企画したりと、図書館や町の発展にもつながっていくと期待されます。深村氏は「図書館がホームページを今以上に活用することで、情報交流のハブになる、そんな理想を描いています」と目指す方向性を示します。昨今のコロナ禍での非対面・非接触や業務効率化のためのICT活用など図書館を取り巻く環境は変化しています。社会情勢の変化や市民のニーズの変化によって、図書館に求められる役割も変わってきています。「こうした変化に合わせて、広報業務の充実や情報発信など図書館が新たな業務に取り組むのはなかなかハードルが高いことでもあります。そんなときには視点を変えて、『できること』から一歩を踏み出すことが大切です」(深村氏)。市民と行政、地域をつなぎ、街のにぎわいの中心となる図書館となるため、その一歩はすでに踏み出されているようです。

図書館情報
名称 | 滝川市立図書館 |
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URL | https://lib.city.takikawa.hokkaido.jp/ |
所在地 | 北海道滝川市大町1丁目2番15号 |
資料点数 | 148,108冊(令和2年度末) |
年間来館者数 | 82,858人(令和2年度実績) |
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