教育活動を支えるデジタルドリルの日常使い
~学校組織で取り組む
デジタル特性を活かした教育支援~
岡山県早島町立早島小学校 様
タブレット端末などICTの日常使いをどう推進し、子どもたちの学習の定着化につなげていくか。Next GIGAに向けて多くの小学校が直面している課題ではないでしょうか。岡山県早島町立早島小学校では、富士通Japanのデジタル教材提供サービスを導入・活用し、子どもたち一人ひとりの学習状況の把握と学習の定着化、教員の働き方改革を進めています。同校の取り組みについて紹介します。
導入ソリューション
課題と効果
- 課題GIGAスクール構想で導入したタブレット端末の日常的な活用に向けて、利用率を向上させる方法を模索していた
- 効果紙のドリルがそのままデジタル化されたドリルの導入で、日々の授業の終わりの演習や宿題で活用できるようになり学習の定着化が図られた
- 課題紙のドリルや子どもたちにIDが割り当てられていないデジタルドリルでは、一人ひとりの学習状況を素早く把握することが困難だった
- 効果子どもたち一人ひとりの学習状況や理解度、定着率などを簡単に把握できることで、個々の児童にあったサポートが可能になった
- 課題紙のドリルでは採点やフィードバックに時間や手間がかかり、教員の日常的な業務負荷が大きかった
- 効果デジタルドリルで採点やフィードバックなどの業務を改善、演習や宿題の結果をすぐに知りたい子どもたちの学ぶ意欲にも応えられるようになった
導入の背景と経緯
Next GIGAを見据え
タブレット端末の利用率向上が課題
岡山県早島町立早島小学校は創立約150年の歴史ある学校で、現在、865名の児童が通っています。同校では、Next GIGAを見据えた中で、タブレット端末の利用率の向上が課題でした。特別支援学級担当で情報主任でもある樋口 林太郎氏は、「授業や宿題で使う漢字ドリルや計算ドリルをデジタル化すれば子どもたちも親しみを感じ、興味を持ってタブレット端末を活用するようになるのではないかと考え、デジタルドリルの採用を検討しました」と説明します。
また、漢字や計算のデジタルドリルには、紙のドリルにはないメリットがあることも採用のきっかけになりました。6年生担当の宮地 亮太氏は「紙のドリルでは解答して間違ったところを見直して、と2度くらいしか利用しない子どもがほとんどです。デジタルなら何回でも間違った問題にチャレンジできるので、学習の定着化にも効果が期待できました」と導入を検討した理由を示します。
こうした中、同校では2023年4月から3年生以上の中学年、高学年を対象に富士通Japanのデジタル教材提供サービスを導入、活用を開始しました。さまざまなデジタル教材がある中で、本サービスを選定したポイントについて、樋口氏は「それまで使っていた紙のドリルが、そのままデジタル化されていたから」と説明します。
導入の効果と今後の展望
子どもたち一人ひとりの学習状況把握に
デジタルドリルを有効活用
同校では現在、富士通Japanのデジタル教材提供サービスを具体的にどのように活用し、どのようなメリットを感じているのでしょうか。3年生担当の吉田 里香氏は、「子どもたちの学習状況を教員が素早く簡単に把握できるところにメリットを感じています」と話します。日々の授業での終わりの演習と宿題でデジタルドリルを日常的に活用し、「宿題を出した翌日の朝に子どもたちが何時頃に宿題に取り組み、どのくらいできているのかを確認しています。一人ひとりの学習状況の把握に役立っています」(吉田氏)。
吉田氏が示す通り、同校では他の教員も子どもたちの学習状況を把握するのに効果的にデジタルドリルを活用しています。4年生担当の池嶋 直明氏は「日々の授業で子どもたちが習ったことを、ほぼ毎日宿題にしています。習ったことがどこまで定着化しているのかを確認しています」と説明します。
また、同校では4年生以上で教科担任制を導入しています。5年生担当の辻本 佳南氏は、「自分が担任するクラスだけでなく、教科担任として教えている他のクラスの子どもたちの学習状況もデジタルドリルなら素早く簡単に把握できます。そこが紙のドリルとは大きく違います」とメリットを示します。さらに辻本氏は、「自動採点の機能を使って子どもたちに採点をさせて、間違ったところは何度もやり直しをするように伝えています。子どもたち一人ひとりが、ちゃんと宿題をやったか、間違ったときにやり直しをきちんとしたか、学習の定着化にも効果が期待できます」と話します。
一方、教員が児童とコミュニケーションをとるきっかけとしてもデジタルドリルを活用しています。宮地氏は「デジタルドリルで正答率が低い子どもには解き方のヒントを伝え、『先生からヒントを送ったけど、見た?』と声をかけてあげたり、登校しづらい子どもとの接点を持つことにも活用したり、自然とコミュニケーションをとるきっかけとしても役立てています」と活用方法を教えてくれました。
今後、同校では教育的な効果をさらに高めていくような活用に注力していく考えです。池嶋氏は「何回も解き直しができるのがデジタルドリルの本質的な魅力。基礎・基本となる学力の定着化をより徹底していこうと考えています」と話します。樋口氏も「本校には全学年に情報担当の教員がいます。その教員を中心に教育効果をより高めていく活用方法を全校で検討していきたいと考えています」と方向性を示します。デジタルドリルの活用がさらに進展していきそうです。
岡山県早島町立早島小学校 様
(左から)池嶋 直明氏、宮地 亮太氏、樋口 林太郎氏、吉田 里香氏、辻本 佳南氏
富士通Japan担当者の声
子どもたちが学習した時間や時刻、取り組み内容など、詳しい学習状況を丁寧に把握され様々な指導・支援に活かしていただいているとのこと。デジタルだからこそ実現できたことを最大限に活かして実践されておられることに大変嬉しく思っております。
教育効果向上に向けて全校で活用方法をさらに検討していかれるとお聞きしました。弊社も子どもたちのよりよい学びにつながるよう、よりよいサービスを目指してまいります。
富士通Japan株式会社
教育ソリューションビジネス部
應田 博司・小田 太地
岡山県早島町立早島小学校 様
所在地 | 岡山県都窪郡早島町早島1297-1 |
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代表者 | 藤本 真砂子 校長 |
児童数 | 865名 |
ホームページ | https://www.town.hayashima.lg.jp/primaryschool/ |
[2024年1月 掲載]
本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は取材日のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。
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