聖学院大学 様
大学図書館のシステムをクラウド化、
時代の変化に対応し、安心と利便性を実現

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聖学院大学の図書館は、長く課題だった図書館システムの刷新、クラウド化を実現しました。サーバを大学が自ら運用する負担をなくすとともに、停電などの物理的トラブル、ウイルス感染などのセキュリティ課題への対応を軽減し、利用者サービス向上のための検索機能強化、データベースの利便性向上などを実現し、デジタル時代の図書館運営に向かって第一歩を踏み出しました。

導入ソリューション

課題と効果

課題
効果
課題CiNiiResearchなどのデータベース利用について利用者へわかりやすい案内ができていなかった
効果iLiswave-Jの導入によって、図書館ホームページからデータベース一覧を案内することで、利用者がスムーズに情報にアクセス、検索できるようになった
課題サーバが大学図書館棟内にあったため、停電事故やランサムウェアの不安が常にあり、実際に停電したときの対応には時間と労力を要した
効果クラウド化したことで、事故などの不安から開放され、管理上の負担が大幅に軽減された

背景

情報連携の改善、停電やセキュリティが積年の課題

埼玉県上尾市にある聖学院大学では、数年前から大学図書館のシステムの変革に乗り出しました。前提としては学校法人聖学院(幼稚園から大学院までを経営)が2018年から2023年の方針「聖学院ビジョン」の経営アクションプランの一つに、学園全体のICTの拡充を掲げたことがあります。
同大の図書館システムを担っていた企業がこの分野から撤退したこともあって、大学図書館は旧システムを刷新し、これまでの課題を解決することを目指しました。

「システムに関係する図書館の課題は大きく二つありました。一つは学術情報データベースとの情報連携ができていなかったこと。ILL(注1)との連携はできているものの、CiNii Research(注2)から、当図書館のOPAC(注3)への連携がうまくいかないことがありました。CiNii Researchで自館の蔵書の有無はわかっても、OPACの検索結果に跳べないといった問題があったのです」と田山 恭司氏は振り返ります。

もう一つは、停電などへの対応です。
「サーバは図書館棟内に設置され、場所は近いのですが、落雷などの停電時の対応・復旧には大変な手間がかかります。また、施設点検のための法定停電も定期的に実施されるため、システム担当職員にとって停電への対応は日常業務の一つになっていました」(田山氏)。

聖学院大学総合図書館 学務部司書課
田山 恭司氏

さらに、聖学院全体のシステム業務を担当する学校法人聖学院法人センター統括部の鈴木 純氏は、「ランサムウェアの被害が気になるなど、セキュリティ上の心配もありました」と付け加えます。
サーバ室は図書館棟の応接室を改装した部屋で、図書館システム以外のサーバも設置されているため、入室管理に気を使う面もありました。「これらの課題を解決するため、クラウド化は長い間の懸案になっていました」(鈴木氏)。
学務部司書課(以下、司書課)ではこうした課題解決と、コスト面、同法人内の中学校・高校と同じシステムを利用するなどの条件を合わせ、新システムを考えました。

学校法人聖学院 法人センター統括部
鈴木 純氏

  • 注1
    ILL    Interlibrary Loan(図書館間相互利用)
    利用者に必要な資料が大学図書館にないとき、他大学の図書館などに複写、貸し出しが依頼できるILLサービスが用意されている。
  • 注2
    CiNii Research
    CiNii(サイニー)は、NII(国立情報学研究所)が管理・運営する学術情報ナビゲータである。そのサービスには全国の大学図書館にある書籍・雑誌の情報を検索できる「CiNii Books」、文献だけでなく研究データやプロジェクトの情報を検索できる「CiNii Research」などがある。
  • 注3
    OPAC    Online Public Access Catalog(オンライン蔵書目録)
    各図書館の持つオンライン蔵書目録。書影付きのウェブOPACも増えている。

導入ポイント

実績と抜群のインターフェースから選択

司書課では2018年頃から「図書館総合展」に足を運ぶなど、図書館システムについての情報収集を開始し、2020年には富士通を含む4社のベンダーの提案に絞り込み、検討しました。

その結果、選んだのが富士通のiLiswave-Jです。選択の理由はまず、富士通にICTやシステムでの圧倒的な実績があることでした。「他のベンダーの提案もクラウドでしたが、富士通の歴史、規模ともに安心感がありました。データセンターも富士通が自前で持ち、オール富士通という魅力もありました」(鈴木氏)。
「大切なデータを預けるのでセキュリティ面は特に重視。その点、富士通には豊富な実績と技術力があって信頼できました」(田山氏)。
二つ目の理由は利用者サービス系システムのデザイン面です。「4社を比べて見ると、iLiswave-Jが、色彩や表現など第一印象が最も優れていると感じました。また帳票などをある程度カスタマイズができることも魅力でした」(田山氏)。

スムーズなシステム導入を実現

クラウドシステムへの移行は2021年度中に行われました。この間、聖学院大学の司書課全員(4名)、法人センター1名、聖学院中学校・高等学校、女子聖学院中学校・高等学校の担当者(各1名)の計7名と、富士通、および富士通のシステムパートナーである東京コンピュータサービスのメンバーが加わり、オンラインでミーティングを重ね、詳細を詰めていきました。

「富士通のデータセンターにクラウド環境を構築することで、堅牢なファシリティと万全なセキュリティ対策を実現しました」と富士通Japan株式会社 文教・地域ソリューション開発部の小島 瞳は語ります。
「サービスを提供しているデータセンターとは別地域のデータセンターに遠隔地バックアップを行うことで、BCP対策にも配慮しています。また、サービスを安定稼働させるためのツールや24時間365日の有人監視を組み合わせ、異常発生時にも速やかに復旧させるためのサポート体制を構築しています」(小島)。

聖学院大学と富士通の間の調整をはかった東京コンピュータサービスのSE、小林千秋氏は「図書館クラウドS.E.は基本的にシステムへ運用を合わせていただく製品となりますが、全てを合わせなければいけないわけでもありません。お客様の現状運用とシステムとのギャップを可能な限り小さくするべく、導入時にヒアリングを重ねて運用に最適なシステム設定へと努めました」と振り返ります。それは例えば、年度締めの処理としての柔軟なデータ検索(聖学院の各館ごとの冊数、受け入れ金額集計など)の機能に反映しています。

そのほか、同法人内中学校・高校も同じシステムを導入するといった条件に対応しています。「『中高向け館内端末での、自館をトップとするOPAC表示』、『中高向け業務端末でのカウンター画面設定(生徒がカウンター当番をする場合を考慮し、利用者情報を必要以上に参照させないため)』、『中高での発注運用をシステムによるデータ管理に切り替える』といった機能を搭載しました」(小林氏)。
また同社の営業は、このプロジェクトの印象について次のように振り返ります。「聖学院大学様が非常に協力的で、スムーズに連携できたのが成功要因の一つでした」(副主任 丸 智哉氏)。「聖学院大学様の意思統一、決断が早く、スケジュールに余裕を持たせることができ、富士通および当社のSEチームが一体となって仕事を進めることができました」(課長 松本 剛氏)。

効果

導入はスムーズに進み、新システムは2022年4月から稼働を開始しました。
「稼働には何の問題も起こっていません。サーバを近くに置かなくても何ら支障がないことにあらためて気づかされました。また私の感覚ですが、以前、原因はわからないものの、システムの動作が目に見えて遅くなることが何回かありました。しかし今のシステムにしてからはそうした問題はまったくなくなりました」(田山氏)。
また長期的に見れば、司書課が今後、システム更新によるデータ移行、設計などの作業に携わらなくて済むことは、大きな負担の軽減になります。

操作上、多少とまどったのは業務システムの名称です。旧システムと各業務の名称が多少違っているために、慣れるまで少し時間がかかりました。
「帳票類をカスタマイズできる機能も活用しています。例えば、書籍の背表紙に貼るラベルも、司書課でカスタマイズして印刷しています。すべて自分たちで微調整できるので大変便利です」(田山氏)。

学生に対しては従来から、新入学生に図書館での書籍の探し方などを説明するところから始まり、2年次、3年次でもあらためて論文の検索、各種データベースの利用法などを伝えるので、こうした場で、iLiswave-Jの機能を伝えています。

期待と展望

富士通のサポートにも満足いただいています。サポートデスクでは、図書館クラウド専用のポータルサイトで、図書館からの運用に関する質問、相談、要望などの受け付けをし、各種マニュアル、FAQ情報もここに集約しています。問い合わせなどに対応できるチームがサポートし、特定の担当者に依存しない体制を取りました。

「問い合わせに即答していただけるのはありがたいですね。旧システムのベンダーでは一人のSEに頼る形なので担当SEに連絡が取れないで困ることがありましたが、富士通の場合、組織として対応する形なのも良い点だと思います」(田山氏)。

鈴木氏は、サポートデスクでは対面ができない分、オンラインの接触頻度を増やすことを期待します。雑談の中から次のアイデアが生まれると考えているからです。
「将来、図書館の業務は外部委託が進む気がします。資料の電子化も進むでしょう。大学がわざわざ図書館を持つ意味を考えざるを得ない時代が来ると思います」(鈴木氏)。

そうした将来に向け、しばらくは各大学の模索が続くでしょう。その中で、富士通の図書館システムは関係者に寄り添い、共により優れた図書館システムを目指していきます。

富士通Japan担当者の声

複数の図書館クラウド提供ベンダーの中から、富士通を選定くださったことに感謝しています。
サポートデスクでは、図書館様からのお問い合わせに答えるだけでなく、図書館様への情報提供も積極的に行っています。また、大規模な機能追加を行った際には、事前にウェブセミナーや動画などで情報共有を行い、変更内容をご理解いただいたうえで機能追加を実行しています。

2022年度に開催される大学図書館でのイベントの一つに、NII(国立情報学研究所)様の大規模なシステム更新がありますが、それによって図書館様の運用に影響が出ないよう、NII様との密な情報共有をしたうえで、変更に迅速に対応しています。
今後もサポートデスクでは、図書館様に安心・安全にシステムを運用していただき、利用者様のよりよい学びにつながるサービスを提供していくことを目指して、サポートをしていきます。

富士通Japan株式会社
文教・地域ソリューション開発本部
大学ソリューション事業部 第一システム部
小島 瞳

聖学院大学 様

創立 1988年
所在地 埼玉県上尾市戸崎1-1
学生数 学部2,294名 院41名(2022年5月1日)
概要 3学部5学科
ホームページ https://www.seigakuin.jp

東京コンピュータサービス株式会社 様

設立 1969年8月4日
所在地 東京都文京区本郷1-18-6 トーコンビル
人員数 515名(2022年1月現在)
概要 情報処理機器、装置の総合サービス(販売、製作、運用、保守、修理等)
情報システムの設計、構築、運用
電気工事、電気通信工事の請負施工
ホームページ https://www.to-kon.co.jp

[ 2022年11月 掲載 ]


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