Our value creation:
Fujitsu Uvance

CTO(Chief Technology Officer)メッセージ

世界をリードする技術をもとにお客様に価値を提供し、社会課題の解決と富士通グループのグローバルな成長に貢献します。

執行役員 SEVP
CTO
ヴィヴェック マハジャン

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グローバルにトップレベルにある富士通の技術

富士通グループは、DXに必須の5つのKey Technologiesに経営資源を集中しています。具体的には、膨大なデータ処理を可能にするComputing、データをつなぐNetwork、データを用いた意思決定を支援するAI、それらすべての安全性を守るData & Security、そして、人間がデータを使用するために必要な技術と人文・社会科学の融合を支えるConverging Technologiesの5つです。

この5つのKey Technologiesにおいて、私たちはグローバルにトップレベルにあるか、トップに立てる可能性を持っています。例えば、Computing領域において、私たちは世界でも上位の処理能力を持つスーパーコンピュータ「富岳」*1のプロセッサーを開発・製造する技術を有し、世界最速量子シミュレータ*2や、組合せ最適化問題を解く富士通独自の技術である「デジタルアニーラ」でも世界をリードしています。Computing領域だけでなく、5Gやさらに先の6Gを実現する超高速通信技術、ヒトやモノなどに関する様々なデータの1つひとつが持つ因果関係をAIで発見する技術など、お客様に高い価値を提供するための技術を自ら開発し知的財産として保有している点が、テクノロジーカンパニーとしての私たちの強みです。

技術と事業の最適化で価値を届ける

CTOとしての私の役割は、これらの技術を事業につなげ、富士通グループのグローバルな事業の成長に貢献することです。従って現在優先すべき課題は、Fujitsu Uvanceの7 Key Focus Areasの中に5 Key Technologiesを組み込み、競争力のあるサービスとして提供することです。幅広いお客様が利用できる形でHigh Performance Computing(HPC)を含めたComputing パワーをサービス化し、さらにそこにビジネスアプリケーションを付け加え、富士通ならではの付加価値を提供する、あるいは、5Gの活用を通じて製造業のお客様の工場の大幅な効率化を実現する、こうした技術と事業の最適化によって、より多くのお客様に価値を届けることに注力します。

日本企業は売上高に占める研究開発費率が低いことが指摘されており、実際に当社グループの研究開発費も米国のテクノロジー企業に比べると限定的です。しかし私は、金額だけでの比較には意味がないと考えています。重要なことは、研究開発と事業の乖離をいかに埋め最適化するかです。欧米企業にはない独自の技術力を基盤に、社会課題の解決に貢献する事業を展開することで、グローバル市場でプレゼンスを発揮することは十分に可能であると考えています。

開発スピードの加速に向け研究体制を整備

グローバルな研究体制も強化しています。2021年11月に、安全なAIの活用を支援するための技術とソリューションの開発拠点をイスラエルに設立、続く2022年4月にはAIや量子ソフトウェアを中心とする研究拠点をインドに設立しました。現在は、開発スピードの加速に向け、グローバルな研究体制の下で拠点ごとに技術を集約しています。

先端技術の開発をリードするアカデミアとの連携も重視しています。前述のイスラエルとインドにおいては、それぞれベングリオン大学、インド工科大学ハイデラバード校とインド理科大学院との共同研究を進めているほか、日本において、当社グループの研究員が大学内に常駐または長期的に滞在し、共同研究の加速や新規テーマの発掘にあたる「富士通スモールリサーチラボ」の取り組みも進めており、連携を通じて幅広く革新的なアイデアを取り入れる方針です。

8か国850人以上のグローバルな研究体制の下で拠点ごとに技術を集約しています。イギリス・スペインではソーシャルデジタルツイン、AI倫理。イスラエルではセキュリティ。インドでは次世代AIと量子ソフト。中国ではパターン認識。アメリカでは先端機械学習。カナダでは先端コンピューティング。

限界を超える挑戦でイノベーションを起こす

富士通グループとイノベーションを実現したいお客様にとって、信頼されるパートナーとなるためには、リスクを恐れずにスピーディにものごとを判断し、動かねばなりません。技術領域で言えば、これまで開発が100%完成に至って初めて実社会での活用を模索していたのに対し、たとえ完成形とは言えない段階であっても新しい技術やそれによって開かれる可能性をお客様にアピールしていくことも時には必要です。トップダウンのマネジメントが主流のグローバルIT企業と、現場主義の日本のビジネススタイルは大きく異なります。グローバルに事業を成長させていくには、マインドセットの変化が求められます。

イノベーションには失敗がつきものです。失敗しないことは、限界を超える挑戦をしていないということと同義です。そして社員による思い切った挑戦を促すには、「組織の透明性」とも言うべき、リーダー層の示すビジョンと実際のオペレーションとの一致と、そこから生まれるポジティブな環境が必要です。私は、富士通グループの特長の1つはこの透明性にあると考えています。「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていく」というパーパスと、変革を遂げグローバルに成功しようという意識がグループ全体で共有されている当社グループには、お客様と共にワクワクするような価値を生み出す力があると確信しています。

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