知的財産ポートフォリオ

5 Key Technology Areasにおける富士通グループの優位性

富士通グループの知的財産マネジメントの優先課題は、デジタルサービスに不可欠な5 Key Technology Areas(5KTA)の知的財産ポートフォリオの構築と活用です。

膨大なデータ処理を可能にするComputing、データやコンピューティングパワーの利用を支えるNetwork、データを用いたシミュレーションや意思決定を支援するAI、それらすべての安全性を守るData & Security、そして、デジタル技術を活用するために必要な人文社会科学との融合によって人・組織・社会に新しい価値をもたらすConverging Technologies。当社グループの競争優位性は、これら5KTAすべての領域において高い技術力を持つだけでなく、それらの技術をつなぎ、組み合わせてデジタルサービスを提供できる点にあります。

今後は、開発した技術の権利化を通じて優良な知的財産ポートフォリオを構築するだけでなく、技術やオファリング開発の企画段階において、特許・市場情報の分析により得られた洞察や知見を提供する、あるいは、お客様との共創や大学・研究機関とのオープンイノベーションにふさわしい知的財産へのアプローチについての議論に参画するなど、事業ポートフォリオ戦略と新たなビジネスモデル構築の推進力となる取り組みにも注力する方針です。

知的財産ポートフォリオの変化

当社グループは、創業以来、電信・電話の通信機器、サーバやPCなどのコンピュータ、企業や官庁・自治体の基幹システム構築を核とするICTサービス、そして現在のデジタル技術を活用したクラウドベースのサービス型ビジネスへと、事業の柱を大きく転換してきました。

デジタル技術を活用したサービスへと経営の舵を切った2018年以来、知的財産ポートフォリオも変化しています。5 KTAのうち、創業以来のコア技術として豊富な技術資産を持つNetworkとComputingに加え、AI、Data & Security、Converging Technologiesの領域においても開発を加速したため、、2018年以降の特許出願累積件数に占める5KTAの割合は、2001年~2017年の同件数に比べ増加しています。 

5 Key Technology Areasの特許ポートフォリオ構築

当社グループでは、Uvanceをはじめとするデジタルサービスに必須のAIとComputingを中心に、サービス差別化につながる5KTAに研究開発リソースを集中するテクノロジー戦略の下、技術強化、戦略的提携を実施しています。テクノロジー戦略を実行する基盤として、知的財産への戦略的な投資が不可欠です。富士通グループでは、知的財産ポートフォリオに占める5KTAの割合を拡大させています。中でも1980年代からの研究開発の蓄積があるAI関連技術については、2014年以降2024年8月までに公開された日本国内での特許出願数が1位を占めます。
AIにおいては、従来強みとしてきたAIのコア技術に加え、現在当社はAIの応用技術の権利化にも注力しています。応用技術とは、コア技術を特定の業種や用途に関するナレッジと融合した技術を指します。応用技術の権利化は、AIを核とする5KTAのUvanceへの統合を加速する事業戦略と連動したものです。また、量子コンピュータの開発においても橋頭保を築いています。特許庁発行の令和5年度 特許出願技術動向調査報告書「量子計算機関連技術」における、パテントファミリー件数上位出願人ランキングにおいても日本企業1位(世界9位)です。ビジネスへの活用を見据えた知的財産ポートフォリオにより、当社グループのサステナビリティを起点とした重点戦略の実行を支えていきます。

AI関連発明の出願人別特許出願件数
(2014年以降の出願で2024年8月までに公開されたもの)

令和5年度 特許出願技術動向調査報告書
-量子計算機関連技術-
パテントファミリー件数上位出願人ランキング

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