須賀川市様
SaaS型インターネット施設予約システム

公共施設のインターネット24時間予約、
利用統計データ集計の効率化を同時実現
予約情報のスムーズなサイネージ出力によりサービスを向上

須賀川市役所庁舎外観

須賀川市様には公民館9施設とコミュニティセンター、文化センター、アリーナ、体育施設などがありますが、施設の予約は電話か直接施設の窓口へ行くしか方法がなく不満の声が上がっていました。利用件数が増える中で、もはや紙台帳と職員の手作業による対応は難しいと判断、運用の抜本的改善のため、SaaS型施設予約サービスの導入に踏み切りました。

課題
効果
課題施設ごとに電話や直接訪問で受け付けていた予約手続きを効率化したい
効果24時間インターネット自動受付が可能になり利用者の利便性が向上。従来の紙台帳はすべて廃止し全施設の予約をWeb上で一元管理することに成功
課題各施設から紙台帳を集め、電卓、Excelで集計していた施設利用状況の集計作業を効率化したい
効果システムの機能を利用することで、データを自在に抽出、集計できるようになり、集計作業が迅速化
課題各施設にデジタルサイネージ装置があるものの市全体の画一的な情報しか流せず、あまり利用されていない
効果施設予約システムとの連携で予約情報を自動でデジタルサイネージ装置に表示。また施設で文書、写真、動画等の情報登録が可能となり、各地域・施設ならではの情報発信が増加

前システムの課題点

以前の施設予約システムでは、どのような課題があったのでしょうか

公民館や体育館ごとに予約管理用のA3大紙台帳を用意し、電話、直接来館者の予約を受けて書き込んでいたのです。また一部の使用頻度の高い施設は、簡易なWeb版の利用状況公開ソフトウェアで、予約状況を「○」「×」で表示するようになっていました。

しかし近年、施設の予約などはインターネットが主流で、市民の皆さんから「須賀川市もぜひ、利用者が直接、24時間予約できる仕組みを整えてほしい」との声が寄せられていました。簡易な利用状況公開システムでは空きの表示だったのに、予約の電話をしたらタッチの差で埋まっていたというケースも多く、改善の余地があったのです。

市の管理担当課としては、どのような課題がありましたか

施設利用データを自由に抽出し統計管理に利用したいとの要望がありました。これまでは各施設から台帳データを取り寄せ、電卓片手あるいはExcelに入力して集計する状況だったのです。その結果、施設の運営審議会に提出する報告書の作成にかなりの時間を要していました。また施設の修繕、新規建設等のために国に提出する、最新の公共施設利用状況を元にした公共施設管理計画の作成も膨大な時間がかかっており、施設利用データの電子集計はどうしても必要だったのです。

各施設においてはどうでしたか

毎朝その日の予約情報をホワイトボードに手作業で掲出している状況でした。どのフロアでどこの団体がどのような催し物を予定しているかの情報を、ホワイトボードに貼り出すのです。毎日、午前と午後の部、施設によっては夜間の予定をすべて貼り出したり差し替えたりする作業は、慣れた職員でもそれぞれ15分は要したでしょう。

また数年前から、駅のコミュニティプラザなどの施設に設置したデジタルサイネージ装置の利用度が今ひとつでした。施設では力を入れたい催しなどがあっても表示できるコンテンツが全市画一的なものだったので、オリジナルな情報発信ができずに諦めていたようです。もっと地域に根ざした情報をタイムリーに発信する仕組みが必要でした。今回の調達では、このサイネージの活用も一つのポイントと考えていました。

須賀川市 行政管理部 行政管理課 情報推進係長 塩田 喜一 氏の写真須賀川市 行政管理部
行政管理課
情報推進係長
塩田 喜一 氏
須賀川市 行政管理部 行政管理課 情報推進係 主査 黒河内 仁 氏の写真須賀川市 行政管理部
行政管理課 情報推進係
主査 黒河内 仁 氏

新システム導入の経緯、採用理由

富士通のSaaS型施設予約サービスを選定した理由についてお聞かせください

東日本大震災で被災時、ホスティングしていたサーバのおかげで市のホームページ機能を維持できた経験から、データセンターを利用したSaaS型サービスであることを重視しました。その上で、高齢者や障がい者の方々にもスムーズに使えるユーザービリティや、将来施設が増えても簡単かつ低コストで拡張できること、そしてデータセンターのセキュリティ性の高さなどを採点評価しました。その結果、富士通のSaaS型施設予約サービスとデジタルサイネージシステム ChaMEO(シャミオ)の採用を決めました。施設予約システム、サイネージシステムともに職員の評価が高かったことや、予約データのサイネージ連携がスムーズなことも大きな決め手です。すでに数多くの自治体で導入、運用されている実績も安心材料になりました。

導入時のサポート

市内施設の10数カ所へのシステム導入になりました。スムーズに導入できた理由とは

富士通SEのアドバイスをガイドラインに、施設運用ルールを微調整できたことが、スムーズな導入と運用につながったと思います。

少し詳しく説明します。各施設の運用は各条例、たとえば公民館条例、体育施設条例、文化センター条例などを根拠にしています。システム導入後の運用も条例に合わせてしまえば導入は簡単なはずです。しかしそれが地域の利用者に使いやすいルールかというとそうでもないのです。根拠となる条例の考え方の範囲内で、たとえば開館や閉館時間は地域の事情に合わせた方が良いなど調整する必要があるのです。

豊富な導入経験に基づいたSEのきめ細かいアドバイスが参考になったのがここでした。たとえば、ここは条例に寄った運用方法が良い、あるいは逆に地域の実情に寄った方が良いなどの意見。他にも、高齢の方々はインターネットをあまり利用しないので、ICTに慣れた人との格差が生まれないように、予約開始日はこう設定した方が良いなどのアドバイスを数多くいただきました。

こうした調整は、各施設の担当者を交えて進めることで、現場担当者の立場に立ちながら根気よく説明していきました。その点においても全面的な協力が得られたので助かりました。こうした調整を後回しにして、情報管理部門の主導で条例だけを根拠に進めていたなら、「予算と時間をかけて導入したものの、使い勝手が悪いのかほとんど利用されていない」という結果になったかもしれません。

システムの操作方法は分かりやすかったでしょうか

運用開始前にSE主導の操作説明会を実施しました。当初、二つのシステムの習得に時間がかかるのではと思われましたが、特に大きな問題はありませんでした。施設予約システムの操作は一度覚えれば理解できましたし、サイネージシステムはテキスト、PDF、JPEGなど発信したい情報のデータを決められたフォルダーにドラッグ・アンド・ドロップするだけの簡単な操作だったので、施設の職員もすぐに覚えてくれました。運用開始直後も質問はほとんどありませんでした。よく寄せられる質問を共通する疑問点としてメールで情報共有したためだと思います。既存のサイネージを保守してきたベンダーとの調整やフォローも万全でした。

導入効果

システム導入後、各施設ではどのような導入効果がありましたか

利用者からの電話を受け、台帳に手書きしていた予約業務が簡単かつスムーズになりました。標準的施設では館長と正職員2名、嘱託職員が1名ですが、だれでも手元のパソコンでスピーディーに登録できるからです。また、予約情報は連携するデジタルサイネージに自動的に表示されるので、毎朝ホワイトボードにその日の予定を書き込み、掲出していた作業は不要になりました。貸出件数の多い施設では大幅な効率化です。以前は抽選日には施設の窓口に行列ができていましたが、これもなくなりました。行政サービスの質向上につながったと実感できましたね。

市の管理担当者の業務は効率化されましたか

施設予約業務について、利用団体の登録作業がシステムで処理できるようになったことでかなり楽になりました。現在、社会教育関係団体、約400団体に利用いただいています。

今後の活用になりますが、各施設における利用状況の集計業務が効率化され、精度が上がっていくと思います。たとえば年に1度の運営審議会では、今後の施設整備や運用を効率化するために、どの施設のどの部屋を、どの団体がどの程度の頻度で利用したか、データを集計し担当課に提出しています。利用者の年齢層、利用時間帯などのデータの集計、把握が容易になり、運用していく間にさらにデータが蓄積され、さまざまの観点からより正確な分析ができるようになるはずです。

導入後、各施設のデジタルサイネージ装置による情報発信に大きな変化が見られたそうですね

目的別のフォルダーに発信したい写真、ポスター、お知らせなどのデータを入れれば、簡単にサイネージに表示できるので、各施設が独自のコンテンツを入れて運用するようになりました。地域の行事のお知らせや、いろいろな取り組みで頑張っている人たちの声、写真などが画面に表示されて来館者にも好評です。以前は市から送られる情報が金太郎飴のように画一的であるせいか、サイネージがあまり目立たない所に置かれていたようですが、今ではどこの施設においても最も目立つ場所に設置されています。防災面でもデジタルサイネージとの連携は災害時に必要な情報発信、たとえば一斉同報発信などを簡単に行える環境を整え、対策強化につながりました。

各施設とは直接関係のない行事やお知らせ情報の発信依頼がいろいろな課から寄せられ、施設長の臨機応変の裁量によりサイネージに表示されるといったケースも増えています。活用に広がりが生まれているようです。

左より 須賀川市 塩田氏、黒河内氏の写真左より 須賀川市 塩田氏、黒河内氏

須賀川市中央公民館の方々の写真須賀川市中央公民館の方々

須賀川市様 概要

所在地福島県須賀川市八幡町135番地
代表者須賀川市長 橋本 克也
人口77,039人(2016年12月1日現在)
職員数599人(2017年4月1日現在)
ホームページhttps://www.city.sukagawa.fukushima.jp/
須賀川市のご紹介

須賀川市は福島県のほぼ中央、中通りの中部に位置する自然に恵まれた町であり、県内唯一の空の玄関口「福島空港」を有する空の玄関、臨空都市です。
同市は、昭和29年3月の市制施行で須賀川町と隣接する4ヵ村が合併して誕生。その後平成17年4月に近隣2町村と合併し、新たな一歩を踏み出しました。平成23年3月11日の東日本大震災では甚大な被害を受け、尊い人命も失った同市ですが、震災からの復旧・復興、さらなる発展に向け全力で取り組み続けています。
観光面では国指定名勝の須賀川牡丹園がつとに有名です。また特撮の神様と呼ばれた円谷英二監督の生誕地でもあり、平成25年にはウルトラマンの故郷 M78星雲 光の町と姉妹都市提携。仮想都市「すかがわ市M78光の町」の住民登録(登録無料)が話題を呼んでいます。

須賀川牡丹園

[2017年4月3日掲載]

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