小松市 様
MICJET スマート窓口システム

背景

窓口サービスの質向上に向けて様々な取り組みをされてきたそうですね

以前から市民目線で様々な取り組みを行ってきましたが、さらなるサービス向上を目指して昨年、市民に窓口サービスについてのアンケート調査を行いました。その結果、市民が一番ストレスを感じているのは、記載台でどのように届出書を書けばいいのか悩むこと、また記入しなければならない書類が多いこと、これらに伴い庁内滞在時間が長くなることだと分かりました。

実証実験を行った経緯と効果について教えてください

この課題に対応できるシステムはないか調査していたところ、富士通から住民異動届の窓口システム実証実験の提案がありました。富士通のシステムは初めてでしたが、求めていた機能の検証ができる好機と捉え、実施することにしました。2カ月ほどの準備期間を経て、2020（令和2）年8月に3週間ほどの実証実験を開始。お客様が異動届出書にタブレットのナビゲーションに沿って入力すると届出書ができあがる「セルフ窓口タイプ」のシステムを試行しました。
職員からは手書きよりも読みやすい、記入ミスが減った、という好意的な意見がありました。一方、タブレットとタッチペンの操作に不慣れな方にとっては、職員が横についてサポートしなければ難しいケースも見られ、市民にやさしい窓口が実現できたとは言えませんでした。

小松市 市民共創部市民課
課長 三ツ橋 薫 氏

小松市 市民共創部市民課
主査 山下 裕貴 氏

導入効果

届出の手間が軽くなった以外に、市民にはどのようなメリットがありますか

届出される方のうち多くの方は、転入手続きに付随した手続きをする必要があります。マイナンバーカードの住所変更をはじめ、お子様がいる場合は児童手当や医療費受給者証の手続き、必要な方には国民健康保険、介護保険関係など手続きは多岐にわたっています。これまではこれらの手続きする課で、住所、氏名などを何度も記入いただく必要があり、お客様に負担がかかっている状況でした。
MICJET スマート窓口システムでは、システムが表示するイエス/ノークエスチョンに答えていただくことで、異動に伴う必要な手続きを把握していきます。この質問フォーマットの活用によって必要な申請書が市民の住所、氏名などが入った状態で出力されます。この質問フォーマットの作成には、的確な質問を漏れなく短時間で確認できるかという点で苦労しましたが、最終的には3～4分で答えられる25問程度に絞ることができました。

職員の業務は改善されましたか

異動届作成時には、転出証明書のOCRスキャンのほか、マイナンバーカードのスキャンによって旧住所や氏名、生年月日などが取り込めますので、記載内容を確認する時間が大幅に短縮しました。新住所も職員が画面のナビゲーションに沿って入力しますので、記載ミスが格段に減りました。
付随手続きに関しても、あらかじめ用意したフォーマットの画面に沿って確認でき、経験の浅い職員でも漏れなく必要な手続きの確認が行えます。

市民の評価はいかがですか

小松市では、感染リスク軽減と市民に「やさしい窓口」実現のため「書かせない」「来させない」「移動させない」の窓口サービスを心がけています。転入・転居などの手続きは窓口に来ていただく必要があるため、市民がいかに楽に手続きができるかを考え、「書かせない」ソリューションを導入しました。市民から、「今までの引っ越しより断然楽です」「小松市ではこんなにも簡単に手続きできるんですね」といった声をいただいています。
手続き時間は夫婦と子ども2人のモデル家族が転入する場合、35分かかっていたものが最短で20分に短縮されています。インターネットでの事前申請があればさらに短くなり、コロナ禍において市民の庁内滞在時間を減らし、混雑を緩和することができました。
2021年6月には、MICJET スマート窓口システムにコロナワクチン同意書の帳票を追加で構築しています。現在、転入された方にはコロナワクチンの接種を希望する方へは接種履歴確認の同意書を提出していただく必要があります。
関連帳票の追加により住所等が自動印字され、お客様は該当する項目にチェックを入れるだけで済むので簡単に手続きができています。