浜松市様
MCWEL 介護保険システム

政令市介護保険制度の運用課題を
徹底ヒアリングし機能提案
手厚いサポートと説明により円滑な導入

浜松市役所 庁舎外観

浜松市健康福祉部介護保険課様は平成29(2017)年3月、全庁的なシステムオープン化の流れの中、制度改正のたびに改修を重ねてきた旧システムをMCWEL 介護保険 V2に更新。手作業に頼っていた入力の自動化による業務負荷の大幅軽減、認定の申請から結果通知発送までの期間短縮などを実現。システムのEUC機能を活用し、介護保険事業計画策定の基となる複合的なデータ分析などに取り組んでいます。

課題
効果
課題介護保険と認定支援が別システムであるため、データ入力作業の負担が高い、認定結果通知に時間がかかるなどの課題を抱えていた
効果両システムが統合され、データ連携作業が不要になった分、認定結果通知発送までの期間が短縮された
課題数千件に上る、給付申請時の番号管理や負担限度額の更新案件作業を自動化したい
効果保険者番号の入力作業を軽減するためのExcel操作等の作業や、入力ミスのチェック作業等が不要となり自動化された
課題担当以外の業務画面の操作が容易ではないため、問い合わせの対応に時間を要することがあった
効果資格、認定、給付、保険料の各業務間を横断的に確認できる操作性により、担当以外の問い合わせ対応も迅速化した

前システムの課題点

MCWEL 介護保険に更新する以前、どのような課題がありましたか

全庁的に、以前から運用していたホストコンピュータを、オープン化しようという流れがありました。介護保険業務についていえば、制度が始まった平成12年からずっとホストによる運用を続け、制度改正のたびに改修を重ね、そのためのコストがかさみ、課題の一つになっていました。また運用面では情報政策課が管理していたので、介護保険課として統計資料作成やデータ分析のためのデータが必要となった場合、抽出を依頼し、入手するまでに時間がかかっていたという課題もありました。

日々の業務において改善するべき点はありましたか

介護保険システムと認定支援システムが別システムであったために、認定支援システム側の修正履歴が介護保険システム側に反映されているか、常に注意をはらわなければなりませんでした。医療機関の登録など双方のシステムに入力しなければならず負担となっていました。また、認定結果の通知を被保険者に発送する業務はホスト側の処理ですが、審査会の結果は認定支援システムからの連携を待つ必要があり、その分1日余計にかかっていました。認定結果通知は申請受付から30日以内に送るという原則を守るために改善する必要がありました。

手作業で行わざるをえない業務が多いなどの課題はありましたか

はい、例えば給付業務における住宅改修事前申請時の番号管理です。住宅改修の申請は工事前の事前申請と工事後の給付申請の2段階です。本来ならば事前申請の段階で市全体での通しの受付番号を振りたいのですが、以前のシステムでは給付の決定処理しかできませんでした。そのため各区役所を含めた全庁で共有できるExcelファイルを作成しておき、各区で申請を承認した時点で通し番号をファイルに追記していく方法をとっていたのです。浜松市の場合、住宅改修は年間で約3千件ほどありますから、大変な作業になりました。

また、負担限度額の一斉更新も課題でした。対象は約5千件になるのですが、1件1件、手入力だったので、7カ所の区役所の給付担当者が1週間かかりきりで処理していました。次いで大変だったのが、申請情報にしたがって必要項目を入力する作業です。件数にして2千件ほどです。その他、亡くなられた方、保険料をいただき過ぎた方などへの還付が月に約1千件。保険者番号は10桁ですから、できるだけミスの可能性をなくそうと、Excelのマクロ機能を使って入力の一部を自動化していました。それにしても毎月千人単位で発生する作業ですから効率化の必要があったのです。

さらに認定業務において審査会資料中の個人情報を手作業でマスキングする作業も自動化が必要でした。マスキングの箇所は個人名など決まっているので難しい作業ではないのですが、一つ一つもれなくマスキングをする作業にはかなりの時間がかかっていたのです。

システム操作の面で課題点はありましたか

以前のシステムはキーボードによる操作が主で、それもトップメニューから各業務の画面に下りていくという流れです。そのため慣れるまでにやや時間がかかっていました。自分の担当業務以外となると、操作はかなり困難です。問い合わせの電話を受けた場合など、担当者がいないとシステムを開いて確認、対応するというわけには行きません。担当者が席に戻って改めて連絡することになり、改善が必要でした。

浜松市 健康福祉部 介護保険課 課長補佐 谷野 聡 氏の写真浜松市 健康福祉部
介護保険課
課長補佐  谷野 聡 氏
浜松市 健康福祉部 介護保険課 総務・給付グループ長 大村 貴弘 氏の写真浜松市 健康福祉部
介護保険課
総務・給付グループ長
大村 貴弘 氏
浜松市 健康福祉部 介護保険課 総務・給付グループ 山内 智恵 氏の写真浜松市 健康福祉部
介護保険課
総務・給付グループ
山内 智恵 氏
浜松市 健康福祉部 介護保険課 総務・給付グループ 鈴木 順也 氏の写真浜松市 健康福祉部
介護保険課
総務・給付グループ
鈴木 順也 氏
浜松市 健康福祉部 介護保険課 総務・給付グループ 犬塚 祐菜 氏の写真浜松市 健康福祉部
介護保険課
総務・給付グループ
犬塚 祐菜 氏
浜松市 健康福祉部 介護保険課 指導第1グループ 高橋 紀恵 氏の写真浜松市 健康福祉部
介護保険課
指導第1グループ
高橋 紀恵 氏

MCWELを採用した理由

MCWELの導入を決めた理由についてお聞かせいただけますか

調達の段階で際立っていたのが富士通です。単に一方的に提案をするのではなく、浜松市の抱える課題についてきめ細かなヒアリングをしていただき、その上で必要な機能などをリストアップし、提案していただいたのです。本庁はもちろん各区役所にも足を運んで、当市における介護保険業務上の問題点を分析する。あるいは当初の仕様にはないところも追加提案として提示していただくなど、熱意において他のベンダーを圧倒していました。採用決定を強く後押ししたといっても良いでしょう。

操作性については、認定支援システムと一体化されているので、「各種業務負荷がかなり軽減しそうだ」と分かりました。実際に操作してみると、情報アイコンが画面の上部に表示され、例えば認定の状況や滞納状況などが、ぱっと目に入ってくるのです。カラーデザインも良いと思います。またWindows方式なので、マウス操作に慣れていれば習熟も早そうで、新任者に使いやすいシステムと直感しました。

導入時の工夫

以前のシステムとは、業務の流れ、操作性が大きく変わりました。スムーズに移行させるためにどのような取り組みをなさいましたか

新旧のシステムを比べれば、必ず、「以前のシステムのほうが使いやすい」、あるいは「業務の流れが変わってしまい、使いにくい」といった声が上がるだろうと予想されました。そうした逆戻りにならないためには、職員には早い段階から新システムを理解してもらう必要があると考えました。これについては、要件定義時のサポートが頼りになりました。本庁はもちろん、区役所職員を集め、資格、受給者・認定、給付、保険料の各業務に分かれ、ていねいに説明していただいたのです。新しいシステムになって流れが変わる業務は何か、変わらない業務は何か、また帳票にかかわる作業はどう変わるかなどです。この説明を週に1回、ほぼ丸1日。月に3回から4回、3カ月にわたって実施していただきました。当初は、「ここまで詳細に説明いただくのか」と少々驚きましたが、その積み重ねにより新しいシステムに対する理解が深まり、円滑に移行したのです。

導入効果

MCWEL導入による効果をお聞かせください

認定業務だけ別のシステムだったことによる連携処理がなくなり、それだけでも認定結果の通知発送は従来より1日前倒しになっています。また、手作業で行なっていた、住宅改修事前申請の通し番号付与、負担限度一斉更新、審査会資料に表示される個人情報のマスキングなども全て自動化され、業務負荷が大きく軽減しています。

使いはじめてすぐに実感できた便利さは、資格、認定、給付、保険料などの各業務間を相互に横断する画面操作で、それぞれのデータを容易に確認できることです。以前のシステムは縦割りというか、介護保険の全体を把握していないと他業務の画面を操作することは難しく、データの確認なども困難だったのです。MCWELでは、被保険者やそのご家族、事業者などから問い合わせを受けた時、担当以外であってもその場で対応できるケースが増えました。またユーザーごとに、頻繁に使う業務メニューをお気に入り登録しておけば即座に画面を呼び出すことができるブックマーク機能も便利で、よく使われています。問い合わせを受けた時など、すばやく対応するために登録している職員もいるようです。

データ抽出のツールを用意していただき、複合的なデータ分析も可能になったことも大きな導入効果といえます。例えば給付費を日常生活圏域ごとに集計分析するなど従来は情報政策課に依頼しなければできなかった作業も所管課の職員で簡単にできるのです。政令指定都市に求められる多様な集計分析にも活用できるものと期待しています。

今後の展開/富士通への期待

今後の展開について、また富士通に対してどのようなご期待をお持ちでしょうか

これまで通りの、レベルの高いサポートを期待します。システム導入段階において分かったのですが、富士通のSEは、介護保険制度のみならず自治体業務を広く深く理解されているのです。もちろん私どもも介護保険制度については勉強を重ねていますが、その我々をして「どうしてそこまで知っているのか」と驚かせることもしばしばありました。

今後、マイナンバーの利活用や、一層の業務効率化を図るシステム利用環境の構築が求められていくわけですが、セキュリティポリシーをしっかり遵守しながら使い勝手の良いシステム環境を構築することになります。AIを利用した新たなサービスなども登場するのでしょう。そのためにはシステムへの理解、さまざまの制度に対する理解はもちろん、当市の業務特性を理解していただく必要があります。富士通のサポート、アドバイスをいただきながら、我々もしっかり勉強していこうと思います。

後列左から 浜松市 大村氏、谷野氏、山内氏、富士通 西垣 / 前列左から 浜松市 犬塚氏、鈴木氏、高橋氏 の写真後列左から 浜松市 大村氏、谷野氏、山内氏、富士通 西垣
前列左から 浜松市 犬塚氏、鈴木氏、高橋氏

浜松市様 概要

所在地浜松市中区元城町103-2
代表者浜松市長 鈴木 康友
人口807,331人(2017年11月1日現在)
職員数5,348人(2016年9月1日現在)
ホームページhttps://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/
浜松市のご紹介浜松市は静岡県の西部に位置し、平成17年7月に天竜川・浜名湖地域の周辺12市町村の合併により静岡県下最大の都市となり、平成19年、全国で16番目の政令指定都市として新たな歩みを始めています。
戦国の世、浜松市を含む遠州は上洛の足がかりとなる要地で、市内には古戦場をはじめ数多くの史跡があります。のちに江戸幕府を開いた徳川家康は、織田信長と同盟を結び、ここで武田軍と対峙。29歳より17年間、浜松を居城としていました。また市北部の古刹・龍潭寺(りょうたんじ)は、徳川四天王の一人、井伊直政の養母で、女城主として井伊家を断絶の危機から救った井伊直虎ゆかりの地として有名です。
豊かな自然環境と温暖な気候に恵まれた浜松市は、海の幸、山の幸が豊富な地域。海水と淡水が混じる汽水湖・浜名湖は古くから養鰻業が盛んで、「浜名湖うなぎ」は全国ブランドとして知られています。もう一つ、浜松自慢のB級グルメ「浜松餃子」も、全国的に知られる一品。具にキャベツや白菜などの野菜をふんだんに使用し、付け合せとして茹でたもやしを添えるのが特徴です。

家康くん & 直虎ちゃん

うなぎ(蒲焼)

浜松餃子

[2018年2月14日掲載]

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