本ページの製品は2024年4月1日より、エフサステクノロジーズ株式会社に統合となり、順次、切り替えを実施してまいります。一部、富士通表記が混在することがありますので、ご了承ください。

成功事例から見るテレワーク環境構築の最適解

富士通8万人のテレワークを支えるVDI基盤とは?

富士通8万人のテレワークを支えるVDI基盤とは?

先進的な企業では10年以上前からITを活用した生産性向上や業務改革に積極的に取り組み、働き方改革やテレワークを実践している。2016年に内閣が設置した「働き方改革実現推進室」によって、働き方改革が大きく注目されるようになり、2018年には働き方改革法案が成立し、大規模な企業が取り組み始めたことがニュースになった。加えて、2020年に発生した新型コロナウイルスという未曽有の事態により多くの企業が働き方の変革に取り組むことで、急速にテレワークなど新しい働き方が定着した。

一方で、このような取り組みに対して、どのようなITインフラを整備しなければならないかに悩んでいる企業も少なくない。ネットワーク、サーバ、ストレージをどのように整備し、社員が使う端末をどのようにすればよいのか。対面が難しくなる状況の中で、コミュニケーションをうまく取るにはどうしたらよいのか。

そんな中、社員8万人のテレワークに成功しているのが富士通だ。2015年にセキュリティ要件の高い部署からVDI環境を順次展開し始め、2016年には営業やSEなど顧客情報を扱う部署にも展開。2017年からはテレワーク制度を正式導入し、事務系・製造系を含む残りの部門にも展開するなど、段階的なテレワーク環境構築を実現できている。

富士通の成功例から見る、テレワーク環境構築の最適解とは?またテレワークでも社内業務を問題なく遂行し、コミュニケーションを強化するシステムを実現するために必要なITインフラを選ぶコツについても紐解いていこう。

富士通のテレワーク環境を支えるVDIソリューション

富士通株式会社 インフラストラクチャシステム事業本部 統合商品事業部 事業部長の加藤浩晃氏は、新型コロナウイルス感染拡大以降の問い合わせが大きく2つのカテゴリに分けられると話す。

「大きく分けて、社内業務の遂行に向けたインフラ整備とコミュニケーション強化に向けたシステム導入の2つの問い合わせが非常に増えてきています。社内業務の遂行に向けたインフラ整備では、社内ネットワークに接続できるVPN環境、持ち出しやすいモバイルPC、社内から安全に業務が行えるリモートデスクトップやVDIなどが求められています。また、コミュニケーションの強化に向けたシステム導入では、社内外でのコミュニケーション強化、文教分野では遠隔授業、医療では遠隔診療や在宅カンファレンスに関する問い合わせが増え、それを実現するテレビ会議などのコミュニケーションツールが求められています」

富士通では、場所を選ばずに安心して業務を続けられるテレワークソリューションを提供しているが、テレワークの導入スタイルについても変化が起きていると加藤氏は説明を続ける。

「ノートPCを社外に持ち出せばテレワークができるわけではなく、セキュリティや安全性、運用効率化なども課題となってきます。そのため、社外のノートPCへのリモートデスクトップ接続だけでなく、簡易VDI(仮想デスクトップ)や本格的なVDIも大きく注目を集めています」

そのような要望の変化に対して、富士通では要望に合わせてVDIソリューションを提供している。サービス基盤としてクラウド型とオンプレミス型を用意し、クラウド型のVDIサービスとしてVMware Horizon DaaSをベースとしたV-DaaSを提供。オンプレミス型としては、大規模システムでコストメリットのあるHCI(Hyper Converged Infrastructure)を提供している。HCIでは主要なVMware vSANをはじめ、3製品を選ぶことができ、性能や要件に自由度を求める場合は同社のPRIMERGYサーバとストレージのETERNUSシリーズを使ったシステム構築にも対応している。

また、システム基盤だけでなく、クライアントとしてもモバイルPCのLIFEBOOK U9シリーズやシンクライアントのFUTRO MU937を提供。特に、FUTRO MU937は、約15.5㎜の薄さと約799gの軽さで、手のひら静脈認証内蔵モデルもあるため、非常に人気が高いという。

富士通が提供するVDIソリューション

導入時に人の移動を極力減らす取り組みも実現

富士通が提供するHCIの特長について加藤氏は、「VDIの早期立ち上げやスモールスタートが可能であることが大きな特長です」と説明する。富士通のHCIは、VMwareをはじめ、各社のSDS技術に合わせて設計・検証・構築されて提供されるため、すぐに利用することができ、お客様の環境や状況に合わせて少ない台数からスタートし、簡単に増設していくことが可能だ。

また、ストレージのETERNUSシリーズにも性能要求に対応した豊富なラインナップがあり、ストレージ機能によるスナップショットや瞬時バックアップなどによってデータを安全に保護できるという。国内の社内インフラを20年以上支える信頼と性能を担保するSAN(+Unified)ストレージのAFシリーズとDXシリーズ、パブリッククラウドとのハイブリッドな連携でバックアップが行えるSANストレージのABシリーズとHBシリーズ、ファイルサーバやプロファイルの一括管理に最適なUnifiedストレージのAXシリーズやHXシリーズが提供されている。頭文字が「A」のシリーズはAll Flash仕様となっているため、高速なデータアクセスも実現することが可能だ。

では、オンプレミス型のVDI基盤を検討している場合、HCIとサーバ+ストレージのどちらを選択すればよいのだろうか。加藤氏は、「運用性重視ならHCI、性能・設計重視ならサーバ+ストレージをお勧めしています」と説明する。HCIでは、ストレージ管理の手間から解放され、運用管理者の負担を軽減でき、構築や増設、リプレースが簡単に行えるという特長がある。また、サーバ+ストレージでは、サーバとストレージを完全に分離した従来の運用を踏襲でき、きめ細やかな性能設計、物理システムと仮想システムの統合も可能となるという。

さらに、グラフィックス業務を行っている企業に対しても、高解像度加増処理を行えるVDIソリューションも用意していると加藤氏は説明を続ける。NVIDIA GPUの仮想化対応(NVIDIA vGPU)によって、自動車、重工業、建築・空間設計、インテリアデザインなどのさまざまな業種で、3D CADを用いた設計・工業デザインや動画作成などにもテレワークを適用することが可能となるのだ。「VDIグラフィックスを、ハードウエアやソフトウエアとともにワンストップでサポートできるのは、富士通だけだと自負しています」と加藤氏は話す。

使った分だけ支払うサブスクリプションモデルを選択できることも、富士通のVDIソリューションの特長だ。サブスクリプションモデルによって初期費用を軽減でき、コストを最適化して利用料に応じた支払を行うことができ、対象製品もPRIMEFLEX for VMware vSANをはじめ、PRIMERGY、PRIMEQUEST、ETERNUSなど、幅広い製品が対応している。

「製品自体をVDIやテレワークに最適化させていくだけでなく、その導入についてもニューノーマル時代に合わせて、人の移動を極力減らす取り組みを行っています」と加藤氏は話す。富士通は、ハードウエア納品の付帯作業からリモート環境の構築までをワンストップで提供し、搬入・検品、構築作業スケジュールを効率化して、約30%の期間短縮を実現しているという。また、導入側の企業がリモートでの構築をすることも可能としていると加藤氏は説明している。

富士通のITインフラ導入時の取り組み

自社製品を活用し、テレワーク全社導入を実現

富士通では、2015年からテレワークに取り組んでVDI環境を順次展開し始め、2016年にはサテライトオフィスを設置して、2017年からはテレワーク制度を正式導入。現在は営業やSEなどの部門から事務系・製造系の部門に展開し、将来的には全員がどこでも働ける会社を目指しているという。これらは、同社のHCIソリューションであるPRIMEFLEXを使って実現されていると加藤氏は説明する。

また、加藤氏は、同社のVDIソリューションの導入事例も教えてくれた。長野県協同電算様では、PRIMEFLEXを導入することによって、物理サーバ1台のVDI環境を90人から240人にして集約率2.7倍を実現し、PRIMEFLEXの管理ツールによって管理者の負担も軽減させている。ETERNUS(All Flash Array)とFUTROを導入した東洋大学様では、起動時間を1/2に短縮し、朝のアクセスが集中する時間帯でも快適に操作できるように。処理時間も3分から1分に短縮した。他キャンパスからの会議参加を可能にし、モバイルを活用することによって、教職員の新たなワークスタイルを実現している。さらに、ETERNUS(All Flash Array)を導入してvGPUを実現した工学院大学様では、高速なグラフィック処理を実現できる学習環境を提供し、3D CADの利用が多い学生6400名がいつでも、どの端末からも学習できるようにログオン時間も以前の1/2以下となり、学生からもパフォーマンス向上に好評を得ている。

「富士通では、シンプルで安全な基盤の上にプラットフォームとインテグレーションを提供し、その上にお客様とのエコシステムでトラステッドな未来を実現するテクノロジーを提供し、自社技術とテクノロジーパートナーとの協業で、新たな価値を創出していきます」と話す加藤氏は、富士通は、基幹業務からサービス基盤、HPCまでをカバーする幅広いラインナップを提供していると説明する。

富士通の製品ラインナップ

また、クラウドと連携したハイブリッドITも業務やシステム要件に応じた最適な環境が提供され、Hyper-V、vSphere、KVMのそれぞれのテクノロジーに対して、プライベート環境とクラウド環境のアーキテクチャを同一にすることによって、全体設計や移行の負荷を低減できるようになっている。また、サポート窓口が一本化されることによって、トラブル発生時の早期対応を支援していることも安心できるだろう。

「ニューノーマル時代には、想像力を働かせ、新しい未来の姿を再構想する必要があり、富士通はその実現を可能にし、皆様と新しい未来を構築していきます。働き方改革の実現には、安心できるテレワークソリューションが必要不可欠です。富士通は、安心安全なテレワークを支えるプラットフォームとして、PRIMEFLEX、ETERNUS、LIFEBOOK、FUTROなどの製品群を用意していますので、ぜひご相談ください。また、テレワークや働き方改革に関するセミナーも随時開催していますので、『富士通 セミナー』で検索して、ぜひご参加していただきたい」と最後に加藤氏は語った。

インテル® Xeon® プロセッサー・テクノロジーはクラウド・コンピューティング、リアルタイム分析、ミッション・クリティカルな業務の処理、ビッグデータのインサイトを提供します。データセンターの効率性および信頼性が向上し、あらゆるワークロードの処理に対応します。

本コンテンツは、日経XTECH ACTIVEに掲載されたコンテンツを再構成したものです。

仮想化基盤 PRIMEFLEX ハイパーコンバージドインフラストラクチャーに関するお問い合わせ

この製品に関するお問い合わせは、富士通株式会社のフォームを使用し、2024年4月1日よりエフサステクノロジーズ株式会社が対応いたします。

ページの先頭へ