子どもたちの未来のために
デジタル田園都市国家構想交付金で
図書教育のさらなる充実を図る
山口県田布施町の取り組み

山口県田布施町 様

お問い合わせ・ご相談

ご不明点、ご要望などございましたらお気軽にお問合せ下さい

山口県田布施町(以下、同町)では、デジタル田園都市国家構想交付金を活用し、すでに町立田布施図書館に導入していたクラウド型公共図書館向け業務サービス「FUJITSU 文教ソリューション WebiLis(ウェブアイリス)」に「学校分館接続オプション」を追加導入。町立田布施図書館と町内の小学校の学校図書館とを接続することで、学校図書館から町立田布施図書館の蔵書を検索できるシステムを構築しました。子どもたちの読書機会の創出や読書意欲の向上を目指す、同町の取り組みを紹介します。

導入事例概要

オファリングテーマ クラウド型公共図書館業務サービス
ソリューション FUJITSU 文教ソリューション WebiLis

課題と効果

課題
効果
課題自治体としての予算が限られる中で、子どもたちの未来のためにICTを導入・活用する費用を調達するのが難しかった
効果デジタル田園都市国家構想交付金で町立図書館と学校図書館を接続、子どもたちが読みたい図書を素早く探し出せる仕組みを構築
課題小学校の学校図書館の蔵書は必ずしも十分とはいえず、子どもたちの読書機会をさらに創出する施策が求められていた
効果町立図書館と学校図書館を接続したことで子どもたちは合計13万冊以上の蔵書を素早く検索できるようになり、読書機会がさらに拡大
課題学校図書館では司書教諭や学校司書の人員不足、台帳や表計算ソフトでの蔵書管理の負荷増大から業務効率化が求められていた
効果クラウド型公共図書館向け業務サービス「WebiLis」の「学校分館接続オプション」を導入し、効率的に蔵書の把握が可能になり、業務負荷が軽減

導入の背景

限られた予算の中で子どもたちの未来のためにICTを導入

 同町では、これまで町民向け行政サービスのデジタル化に取り組むなど、ICTを活用した魅力ある町づくりを積極的に進めてきました。携帯電話通信事業者と協業で高齢者向けスマートフォン教室を定期的に開いて多くの人がデジタルに触れる機会を作ったり、ICT環境を整備してサテライトオフィスの誘致を目指したり、SNSの活用を目的に「地域活性化起業人」を受け入れたりといった取り組みも町の活性化の一環です。
 しかし、少子高齢化にともなう人口減少で町の歳入も減少傾向にあるなど、自治体としての予算が限られる中、ICT活用の次の一手をどう打つかが課題でした。同町の企画財政課企画係長 デジタル推進室 係長兼務の井上 信哉氏は、「小さな町だからといって『ICT活用が進まない』では世の中から取り残されてしまいます。限られた予算で次に何をどうすべきか。徹底的に考えました」と振り返ります。
 中長期的な視点に立って町の将来像を思い描いたとき、井上氏は「やはり子どもたちの未来のためにICTを導入・活用しようと思い至りました」と語ります。具体的には教育分野でのICT活用です。もともと田布施町では地域を挙げて子どもたちを育むことに継続的に取り組んできました。各小学校には地域と連携したコミュニティスクールがあり、学習支援や読み聞かせのボランティアが活動しています。ただし、教育のためのICTの導入・活用にも費用がかかります。予算で賄えない費用をどう捻出するか。そこで、「デジタル田園都市国家構想交付金」の活用を検討しました。この制度を使って国から補助金を受け、子どもたちの未来のためのICT導入・活用を促進したい、そう思ったのです」(井上氏)。


田布施町 井上様

導入の経緯

デジタル田園都市国家構想交付金を使って町立田布施図書館と学校図書館を連携

 デジタル田園都市国家構想交付金とは、地方の社会課題解決や魅力向上の取組みを促進するために令和3年度(2021年度)からスタートした制度です。「学校教育のどの部分にICTを導入・活用するか。それを考えたとき、真っ先に浮かんだのが図書教育の拡充だったのです」(井上氏)。
 同町ではこれまでにも、町立田布施図書館に富士通のWebiLisを導入し、町民への図書館サービスの充実を図ってきました。一方で町内の4つの小学校の学校図書館は、蔵書が十分とは言い切れませんでした。町立田布施図書館から定期的に一定数の図書を小学校に配本し児童に貸し出していましたが、「子どもたちの『読みたい』、『知りたい』というニーズに、迅速に応えられてはいない状況でした」(井上氏)。
 また、町内の小学校の学校図書館では蔵書の管理についても課題がありました。台帳や表計算ソフトでの蔵書管理で、貸出・返却の確認など職員が手作業で行わなくてはならず、負担が大きかったのです。
 「こうした課題を解決するには、学校図書館のデジタル化が必須だと考えました。そこで、デジタル田園都市国家構想交付金を使い、WebiLisの『学校分館接続オプション』を導入することを検討しました」(井上氏)。「学校分館接続オプション」で町立田布施図書館と小学校4校の学校図書館とを連携させれば、町立田布施図書館と町内4小学校の学校図書館を1つの大きな図書館のように捉えて蔵書を検索したり、自校にない図書の貸出を他の小学校や町立田布施図書館に依頼したりできるようになります。「子どもたちの『読みたい』、『知りたい』といったニーズに応じて、さらなる読書機会の創出につながると確信したのです」(井上氏)。

導入の効果

蔵書13万冊以上大きな図書館ネットワークを構築

 同町ではWebiLisの「学校分館接続オプション」を導入し、まず2022年度に小学校1校と町立田布施図書館を接続し、2023年中には全4校を町立田布施図書館とつなげる予定です。それにより「学校分館接続オプション」の導入で、町立田布施図書館と町内の全小学校の学校図書館の蔵書を一体的に把握、管理できるようになります。井上氏は、「町立田布施図書館と町内全小学校の学校図書館の蔵書を合わせれば13万冊以上になります。子どもたちが読みたいときに『どこにその本があるか』がすぐにわかるようになれば、読書に対する意欲や学習に対する意欲がより高まるでしょう」と期待感を示します。
 一方、子どもたちの「読書機会の創出」の視点でも効果がありました。町立田布施図書館が発行する図書館カードの登録者数が「学校分館接続オプション」導入後にさらに増えているのです。「もともと多くの町民が登録していましたが、学校分館接続オプション導入後には小学生の登録率が以前よりも上がりました。子どもたちも町立田布施図書館をより身近に感じるようになったのではないでしょうか」(井上氏)。
 「学校分館接続オプション」が小学校の学校図書館に導入されることで、町立田布施図書館の蔵書を学校図書館から検索できるようになります。「自分たちの学校図書館にはないけれど町立田布施図書館にはあるということがわかると、子どもたちは学校図書館の向こうに大きな町立田布施図書館があると感じるでしょう。さらにその向こうには、全小学校の学校図書館がつながる、より大きな図書館が見えているようになる、そうなったら『利用したい』という思いが、今よりももっと強くなり、それが読書機会のさらなる創出や読書意欲の向上につながっていく、そんな手応えを感じています」(井上氏)。OPAC画面

将来の展望

町立図書館から学校図書館への蔵書貸出蔵書の相互貸借などの活用に期待

 同町では、WebiLisの「学校分館接続オプション」を今後、どのように活用していこうと考えているのでしょうか。井上氏は、「例えば、町立田布施図書館から各小学校への蔵書貸出の充実、小学校同士での蔵書の相互貸借など活用の可能性はさまざまに広がっていると感じています」と展望を示します。
 また、町内の各小学校で子どもたちが「図書館システムの操作に慣れる」ことで、「デジタルに慣れ親しむきっかけ」となることにも期待しています。「田布施町が提供する行政サービスも今後、デジタル化が進展していくでしょう。子どもたちの将来を考えたとき、身の回りのさまざまなことがデジタル化されることは避けられないと思います。デジタルに慣れ親しんでおけば、そうした社会の変化にも対応していけるでしょう。そのための入口に学校図書館がなればいいと思っています」(井上氏)。
 同町では今後も、町民にとって最適なデジタル化を進めていきたいと考えています。「田布施町はこれまでも富士通グループと一緒にさまざまな行政サービスのデジタル化に取り組んできました。今後、田布施町でもデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みをさらに進めなくてはなりません。富士通グループには最適なソリューションの提供、その安定的な運用を期待しています」(井上氏)。町民や子どもたちの未来を豊かにするデジタル化に向けて、着実に進んでいるようです。

図書館情報

名称 田布施町
URL https://www.town.tabuse.lg.jp/
所在地 山口県熊毛郡田布施町大字下田布施3440番地1
人口 14380人(2023年11月1日現在)
蔵書数(町立図書館) 94,794冊

公共図書館向けソリューションに関するお問い合わせ

Webでのお問い合わせ

  • お問い合わせ

    当社はセキュリティ保護の観点からSSL技術を使用しております。

お電話でのお問い合わせ

  • 0120-835-554
    (通話無料)

    富士通Japan株式会社(お客様総合センター)
    受付時間 9時~12時、13時~17時30分(土曜・日曜・祝日・当社指定の休業日を除く)

ページの先頭へ