SaaS型教務システムで
公立大学への移行準備と
システム刷新を同時に実現

公立大学法人旭川市立大学 様

お問い合わせ・ご相談

ご不明点、ご要望などございましたらお気軽にお問合せ下さい

公立大学法人旭川市立大学様は、私立大学だった旭川大学から公立大学への移行により、2023年4月1日に開学しました。その際、 教務システムを富士通のSaaS「Campus-Xs 大学事務」に刷新。履修登録や出席管理など複数のシステムを教務システムで一元 管理して業務効率を高め、あわせて学生や教員が活用できるポータルサイトを構築して利便性も向上しました。通常業務と公立 化に付随する移行業務で職員の業務負担が増大する中、新システムの稼働を実現した同大学の取り組みを紹介します。なお、本稿 は2023年8月に富士通 Japanが主催したWebセミナー「SaaS型大学事務システム導入の実際」での講演内容に基づくものです。

導入ソリューション

ソリューション Campus-Xs大学事務

課題と効果

1 通常業務、公立化に付随する業務、システム刷新を並行して進めるにあたり、業務負担増と現場の混乱が懸念された SaaSの利点を生かし、早期に環境を構築。SE支援のもと段階的な切り替えを経て、安心して導入を進められた
2 履修登録や出席管理など複数のシステムが連動しておらず、手作業でデータを連携させるなど運用が煩雑だった 履修登録や出席管理などの情報を教務システムで一元管理し、業務効率が向上
3 学生がシラバスや時間割、休補講の連絡などを確認できるポータルサイトがなく、利便性向上が求められていた 教務システムで一元管理したデータをもとにポータルサイトを構築して、連携。学生だけでなく教員の利便性も向上

導入の背景

公立化にともなう業務負担増の中、効率化と学生の利便性向上を目的にシステム刷新

公立大学法人旭川市立大学様は、経済学部経営経済学科、保健福祉学部にコミュニティ福祉学科と保健看護学科の2学部3学科を擁し、大学院、短期大学部を合わせて約1000人の学生が在学しています。2026年4月には文理融合型の地域創造学部(仮称:2023年9月時点)を開設する予定です。
同大学では、公立移行にあわせて公立大学の会計基準への適合が求められ、会計システムの更新が必須となりました。ところが会計システムと履修登録や出席管理などの教務システムを同一環境で運用していたため、教務システムについても刷新を検討。旭川市立大学教務課の大塚尚氏は「この機会に教務システムを変更することにしました。従来の教務システムでの業務や運用における課題の解決、学生の利便性向上を目的に見直すことにしたのです」と説明します。
以前の教務システムは、ベースとなるシステムの周辺に履修登録や出席管理、成績管理などの周辺システムが後付けされ、バラバラに点在している状態でした。点在するシステムのデータを担当者が手作業で連携させなくてはならず、さらに時間割や教室の利用状況は個別に表計算ソフトで管理するなど運用も煩雑。教務ポータルシステムがなく、教員も学生も情報の確認に負担がかかっていました。そこで、システム構成全体を見直し、教務に関する業務・サービスを一元管理できるシステムへの刷新に踏み切ったのです。

導入の経緯

選定ポイントはSaaS、段階的な稼働で「安心して」開学を迎え

同大学ではいくつかのシステムを検討し、最終的に富士通の「FUJITSU文教ソリューションCampus-Xs大学事務」の導入を決定しました。選定のポイントについて、大塚氏は「SaaS型で、システムが自動的にアップデートされ、管理する人材が不要でメンテナンス負荷もなく、『ただ利用するだけでいい』ことが大きな決め手になりました」と示します。また、「Campus-Xsなら、バラバラに点在していた履修登録などのシステムを統合して一元管理できます。職員の業務効率向上が期待できたのも選定のポイントでした」と説明します。
ただし、実際には「不安もありました」と振り返ります。「通常業務に加えて、私立大学から公立大学への移行に付随する膨大でイレギュラーな業務に追われながら、システム刷新プロジェクトを推進しなくてはなりませんでした。『通常業務』『移行業務』『システム刷新』の3つを同時並行で行いながら、2023年4月1日の開学を迎えられるか。時間との闘いでもあると感じていました」。
しかし、そうした不安もプロジェクトを推進していく過程で解消されていきました。「システムの説明会を開いてもらい、本学のカリキュラム、行事や授業の年間スケジュールを示した学年暦への対応など実際の運用を想定した細かい質問にも答えてもらいました。富士通JapanのSEの説明がとても丁寧で、プロジェクトの進め方も明確でわかりやすく、『これならいける』という感触を持ちました」と話しています。
実際のシステム構築では、サーバーなどのハードウェアを用意する手間がなく、早期にシステム環境が提供されるSaaSの特長が生かされました。同大学の職員の方々は、実際に業務で使う自学のデータが入った新しいシステムの操作画面に早い段階で触れることができ、「移行後はこういう使い方になるのか、と実感を持ちながら効率的に導入作業を進めることができました」(大塚氏)。
さらに、主幹となる教務課だけでなく入試広報課、学生支援課、財務課、情報教育センターなど関係する部署が参加して、日常業務などと照らし合わせて業務の発生時期に合わせて順次、切り替えていきました。SE立会いのもと、運用手順や業務がきちんと処理されたかを確認しながら、段階的に稼働させて全体を作り上げることで、確実に導入作業を進めることができました。大塚氏は「いずれは自分たちで行う業務を、SEのサポートを受けながら予行演習的に実践できたことで大きな安心感がありました」と話します。
こうした取り組みによって、同大学では2022年5月のキックオフの約4カ月目から順次サブシステムの稼働を開始。その後、日常業務、移行業務と並行して、適用分析やデータ移行を進め、トータル約10カ月でシステム刷新を実現しました。

■ 段階的な稼働スケジュール

今後の展望

学生の学修履歴の管理などさらなる機能充実に期待

大塚氏は今回の教務システム刷新プロジェクト成功のポイントを、「プロジェクトマネジメント力だったと感じています」と示します。教務課以外の関係部署の担当者が参画した会議を適宜開き、富士通Japanと大学関係者が一体となって進められたことで、「教員も職員も常にSEの支援を受けながら順次システムを使い始めることができました。富士通Japanがそのマネジメントをしっかりしてくれたことが成功のポイントでした」と振り返ります。
そして、今後は新たな教務システムをフルに活用していきたいと考えています。そのひとつが、学修成果の可視化への取り組みです。学生の学修歴を示すポートフォリオの外部システムとCampus-Xsとの連携を準備中ですが、「今後、Campus-Xsのポートフォリオの機能が充実していくのであれば検討したい」と将来を見据えています。公立大学への移行に合わせて教務システムを刷新し、公立大学としての新たな門出に着実な一歩を踏み出すことができました。

お客様情報

所在地 北海道旭川市永山3条23丁目1番9号
代表者 三上 隆
教員数 58名
学部学生数 817名
ホームページ https://www.asahikawa-u.ac.jp/

概要:2023年4月1日に旧・旭川大学の公立化にともない開学。「豊かな人間性を備え、地域社会に貢献する自律した市民の育成」「国際的な視野を有し、市民と協働して地域課題に取り組む実践的職業人の育成」「知の拠点として、経済・保健・医療・福祉の教育と研究を通じ、地域から世界を切り拓く人材の育成」を教育目標に、経済学部経営経済学科、保健福祉学部にコミュニティ福祉学科と保健看護学科の2学部3学科を擁し、2026年4月には文理融合型の地域創造学部(仮称:2023年9月時点)を開設予定

[ 2023年12月 掲載 ]


本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は取材日のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

本事例に関するお問い合わせ

Webでのお問い合わせ
  • お問い合わせ

    当社はセキュリティ保護の観点からSSL技術を使用しております。

お電話でのお問い合わせ
  • 0120-835-554
    (通話無料)

    富士通Japan株式会社(お客様総合センター)
    受付時間 9時~12時、13時~17時30分(土曜・日曜・祝日・当社指定の休業日を除く)

ページの先頭へ