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DX CASE FILE:導入事例
学校法人 青山学院大学様

富士通のLMS「CoursePower」とWeb会議システムとの組み合わせで1万7,000名強の遠隔授業を推進

2013年度から学修支援システムとして富士通の「CoursePower」を活用している青山学院大学では、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)対策として、Web会議システムとCoursePowerとを組み合わせた遠隔授業を2020年5月1日から始動させ、コロナ禍の下での学生1万7,000人強の学びを支え切りました。本稿では、その遠隔授業のお取り組みについて青山学院大学附置情報メディアセンターの上之薗 和宏氏にお話いただきます。なお、本稿に示す上之薗氏のお話しは、2020年11月に富士通が主催したWebセミナー「ニューノーマルにおけるLMS活用事例セミナー」でのご講演内容に基づくものです。

CoursePowerとWebexとの組み合わせで遠隔授業を始動

青山学院大学は2013年度から富士通の学修支援システムCoursePowerを全学で活用しており、資料配布やレポート課題、出席管理などの基本機能に加えて、クリッカー、グループワーク、グループトークなどのグループ活動の機能などを使用してきました。2019年度の時点で全科目(約8,500科目)の4割程度でCoursePowerが使われ、1万7,000名強の学生のほぼ100%が同システムを使用しています。

本学情報メディアセンターでは、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)の流行が深刻化した2020年3月19日から遠隔授業の検討を始動させ、同月23日には、シスコシステムズとWeb会議システム「CiscoWebex」(以下、Webex)に関する包括契約を結び、WebexとCoursePowerとの組み合わせによって遠隔授業を実施する方針を固めました。そして同月末から、全教員と全学生に向けてWebexのアカウントの発行・配布を行い、5月1日から遠隔授業の形式で前期授業を始動させました。

同時アクセス急増も安定稼働を確保

本学では、CoursePowerとWebexの組み合わせによって可能になる遠隔授業のスタイルを以下の3タイプに類別して教員に提示し、必要に応じていずれかのタイプの遠隔授業を行うよう提唱しました。

リアルタイム型: 通常の90分間授業をWebexで行う形式。教員と学生との質疑応答はWebexを使い授業内で行うが、授業後にCoursePowerの質問機能や掲示板機能を介して質疑応答を行うことも可能。

オンデマンド型: 教員が作成した授業動画ファイルを学生が好きな時間(通常1週間以内)に視聴する形式。教員と学生との質疑応答はCoursePowerの質問機能や掲示板機能を使って行う。

自己学習型 : 通信教育に近い形式の遠隔授業。教員が毎回学習すべき文献と課題を学生に与えて、提出された解答・レポートに対してフィードバックを返す。

このうち、多くの教員が選択したのは「リアルタイム型」の遠隔授業です。結果としてCoursePowerへの同時アクセスが授業開始時間や小テスト実施時間に集中し、5月には1万3,000件にも上る同時アクセスが発生しました。ただし、それによって大規模な障害が発生したのは1日だけで、CoursePowerは基本的に安定稼働を続けてくれました。

また、全学での遠隔授業の始動によってCoursePowerへの教材の登録やレポートの提出が急増し、レポートの提出件数だけでも1日3万件に上りました。これにより、システムのストレージが枯渇しかけるという問題にも直面したのですが、この問題もストレージ/バックアップ環境の見直しやクラウドサービスの導入──具体的には、GoogleDriveやYouTubeの活用(仮導入)によって解決することができました。

“プロジェクトベースドラーニング”の遠隔授業も実践

図:CoursePowerグループトーク機能の活用画面例 図:CoursePowerグループトーク機能の活用画面例

私は自身でも、キャリアデザインセミナーと呼ばれる「プロジェクトベースドラーニング」の授業を受け持っていますが、もちろん、その授業も遠隔授業として展開しました。

この授業は、協力企業が課すテーマを学生がグループで取り組み、その成果を発表する実習形式の授業です。「6人1グループ×6グループ」で課題に取り組みます。

私は、この授業のリモート化にあたり、CoursePowerを教材配布やレポート提出、そしてグループトーク機能を使ったグループ内チャットを行うためのプラットフォームとして使用しています(図)。また、CoursePowerだけではなく、学生同士が自律的にコミュニケーションやグループワークを展開するためのツールとしてWebexやMicrosoftOffice 365なども活用しました。ちなみに、キャリアデザインセミナーでのシステムの使い分け方をまとめると次のようになります。

  • グループ発表・全体への講義:Webexを使用
  • レポートの提出・Webexへのアクセス情報の登録:CoursePowerを使用
  • 授業資料:CoursePowerとWebexによるファイル共有を併用
  • 学生同士のファイル共有:Webexを使いファイル共有、「MicrosoftOffice 365」(=青山学院大学の学生は全員がアカウントを持つ)を用いて共同編集
  • 学生同士の連絡:Webexによるチャットとビデオチャット

遠隔授業の成功をこれからの授業にも生かしていく

以上のように、CoursePowerとWebex、さらにはMicrosoft Office 365などを適所で活用することで、本学では遠隔授業をかなりスムーズに展開できたと言えると思います。ただし、本学における遠隔授業のあり方に課題がないわけではありません。

とりわけ、今回の遠隔授業の実施を通じて私が強く感じたことは、遠隔授業の実施方針をもっと明確にすべきではないかということです。

例えば、CoursePowerへの教材・レポートの大量のアップロードによってストレージが足りなくなるような場合、現状では現場判断でリソースの調達・調整を図るしかなく判断に迷いが生じます。そこに明確な方針があれば、より適切な対応がスピーディにとれると考えています。

コロナの完全終息がいつになるかの予測は難しく、また、コロナ終息後に対面・現地授業と遠隔授業の比率をどうするのかという課題もあると思います。しかしながら、CoursePowerやWebexの使用はこれからも継続し、遠隔授業でうまくいった点については、コロナ禍の状況いかんによらず、今後の授業の発展に生かしていきたいと考えています。

青山学院大学附置
情報メディアセンター 助教
上之薗 和宏 氏

学校法人 青山学院大学様

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代表者 学長 阪本 浩
学部教員数 549名(2020年5月1日現在)
学部学生数 1万7,436名(2020年5月1日現在)
ホームページ https://www.aoyama.ac.jp/新しいウィンドウで表示
概要 キリスト教信仰にもとづく人間教育をベースに、「知をつむぎ、世界をむすび、未来をつくる」大学を目指しています。青山キャンパス、相模原キャンパス合わせて11学部、25学科、12研究科を擁します。

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