被災者支援 活動レポート:公益財団法人 日本財団様の取り組み

【特集】

企業が持つ本業の強みを会社貢献に産官民が連携して被災地を支援

公益財団法人 日本財団 様の取り組み

公益財団法人日本財団様は、東日本大震災発生後、いち早くNPOの支援金を集める基金を立ち上げ、被災地で活躍するNPOの活動を支援してきました。そこでは、日本財団をはじめ、産官民が連携し大きな成果を得た事例も生まれました。
富士通は、NPOからの支援金申請の受付システムとしてSaaS型アプリケーションサービス「CRMate(シーアールメイト)/お客様接点力」を提供し、日本財団様の活動に協力しています。

公益財団法人 日本財団とは…

競艇の売上金の一部を財源とし、財団・社団・社会福祉法人、NPOなどへの支援や事業を通じて、海や船、社会福祉、教育・文化などの幅広い領域で国内外の公益活動を支援している。また、公益事業のコミュニティサイト「CANPAN(カンパン)」により、公益活動を行う人たちの活動内容を情報発信。その活動に共感した人が寄付などの形で応援する“活動応援サイクル”を加速する取り組みを行っている。現在、民(NPO)、産(企業)、学(学術団体)の活動を支援し、民間主体のより豊かな社会づくりに貢献するCANPANプロジェクトを推進。 その一つCANPAN CSR+では、企業のCSR(注1)活動を促進するためのCSR情報の発信なども行っている。

(注1)CSR : corporate social responsibility。企業が、顧客、株主、従業員、取引先、地域社会等、様々なステークホルダーとの関係を重視しながら果たす社会的責任

NPOへの支援金を集めるため基金を立ち上げる

これまで日本の支援は、被災者に対して義捐金を贈るというあり方が一般的だった。しかし、今回象徴的だったのは、被災者のために活動をしているNPOにも寄付をしようという動きが出てきたことである。

今回の震災は非常に規模が大きく、範囲が広域ということもあり、沢山のNPOが現地に行って活動をすることが想定された。そこで、日本財団では震災の6時間後に、そういったNPOへの支援金を集める基金を立ち上げたのである。

NPO活動の支援金申請に2000件を超える応募が集まる

震災の寄付のあり方には、主に義捐金と支援金の2種類がある。一般の人々が、被災者に対して、日本赤十字等を通して寄付するのが義捐金である。しかし、阪神・淡路大震災の事例で言えば、義捐金が被災者に届くまで最終的には1年3カ月ほどかかった。

日本財団では、阪神・淡路大地震以来の災害支援の経験を踏まえ、被災地の復旧・復興に向けたNPO、ボランティア活動に対して、支援金の提供を行うことを決めた。そして早急な被災地支援を念頭に、100万円以下の事業に関し、書類と電話による審査を実施した。当初は500団体程度の規模を想定していたが、フタを開けてみると2000件を超える応募が集まった。

CSRの中で震災支援を捉える動きが企業に出てくる

今回の震災に関しては、民間の寄付やNPOの活動と並んで、企業も迅速に支援に動き出した。震災の発生から、多くの企業では寄付金の拠出や支援物資の提供、ボランティアの派遣など、様々な取り組みを行ってきた。それは、ここ数年CSR活動というものが、社会的にも注目されるようになっていく中で、企業自身が震災に対して何ができるのかを考えた結果ではないかと考えられる。

CSRと企業のビジネスは決して相反するものではない

義捐金を出すことも支援の形としては立派なことではあるが、金銭面での寄付をするだけではそれ以上の価値を生むことはない。企業には企業としての本業のビジネスで築いてきた価値がある。例えば、ICT企業にとっては、自分たちのICTを提供することで、社会に価値を提供している。その本業であるICTを震災支援に活用することで、より大きな価値が生まれる。それは支援活動というだけでなく、認知度を高めることで将来的なビジネスとしての広がりも生むことになる。

CSRと企業のビジネスは決して相反するものではない。むしろ、義捐金を出したからおしまいではなく、その企業の技術や強みを活用することも復興への足がかりとなる。

避難所での実態をNPOへとつなぐ“つなプロ”の活動を支援

企業の本業を災害支援に活かすという意味で、今回一つの事例を示したのが、富士通がつなプロに支援を行ったSaaS型アプリケーションサービス「CRMate(シーアールメイト)/お客様接点力」の提供である。

つなプロは、東日本大震災による被災地・被災者に対する支援を行うことを目的として発足したプロジェクトである。日本財団も資金援助を行うほか、幹事団体として参画して、つなプロの活動全般の支援している。つなプロでは、避難所の実態把握のためのアセスメント(注2)を実施。アセスメントによって判明したニーズや課題は、専門性を持つNPOとマッチングさせることで解決を図っていった。その際の情報の入力や集計、分析などでクラウド(SaaS)のシステムが活用されたのである。

(注2)アセスメント : 起きた事象に対してどのような影響を与えるかを予測、調査し、評価すること

産官民の連携を通して社会の課題を解決していく

アセスメントで得た情報はマッチングに活かされただけでなく、データベース化したことで最終的な結果を活動レポートとして記録に残すことができた。

今回、富士通が提供したクラウドの仕組みは、NPOと企業とがつながることで、一つの解決策を被災地で生み出すことができた象徴的な実例となった。

迅速な機動性と幅広いネットワークを持つNPOと、本業の中で被災地支援に役立つリソースを持つ企業。それぞれの持ち味を活かし、行政と一緒になって震災直後の段階から意味のある支援を行うことができた。まさに、産官民の連携を通して社会の課題を解決していくという一つのあり方を示せたプロジェクトであった。

今後は中長期的な視点で支援を考えていかなければならない

震災から月日が経ち、震災直後の緊急支援の段階から、今は復興のフェーズに差し掛かっている。緊急支援では困っている人を救うという対処療法的な支援が必要だった。しかし、今後は困っている人をどうやって助けるかというよりも、なぜ困っているのか原因を見極め、そういった人たちが増えないようにするためにはどうしたらいいのか、目先だけではなく中長期的な視点で支援を考えていかなければならない。

さらに詳しい内容は、PDFにてご覧いただけます。

写真提供 : 公益財団法人 日本財団様
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