被災者支援 活動レポート:ケアプロ株式会社様の取り組み

【特集】

避難所での被災者の血液検査を通じて生活習慣病の早期発見と予防へ

ケアプロ株式会社 様の取り組み

駅ナカでのワンコイン(500円)健診など、血液検査の出張サービスを展開するケアプロ株式会社様。同社では、メンバーを被災地の避難所に派遣し、被災者に無料で血液検査を実施。検査活動のデータは、病気の早期発見や経過報告に活用されました。
富士通は、情報を蓄積する仕組みとしてSaaS型アプリケーションサービス「CRMate(シーアールメイト)/お客様接点力」を提供し、ケアプロ株式会社様の活動に協力しています。

ケアプロ株式会社とは…

ケアプロ株式会社様は、代表 川添高志氏が東京大学医学部付属病院で看護師として糖尿病患者と出会った際に健康診断を受けずに重い合併症に患ってから入院している現状に問題意識を持ち、事業を構想。看護師・保健師を中心メンバーに設立された。自営業者や主婦、フリーターなど、健康診断の機会がなかったり、日中は忙しくて健康診断を受けられないという人たちに、“ちょっと立ち寄り、ちゃんと健康”をコンセプトに、手軽にできる生活習慣病関連の血液検査を提供。事業を通じて、現代日本人の健康増進・予防はもちろん、我が国の医療費抑制への貢献も果たしていきたいと考えている。

被災者の状況を把握するため合同でアセスメントを実施

3月11日の東日本大震災後、多くの被災者は避難所に逃れ、長期間の避難所生活を余儀なくされることとなった。被災者支援のために、国や自治体、NPO団体など様々な人たちが支援へと動き出した。しかし、そこで大きな問題になったのが被災者の状況把握である。

被災者の状況を把握するために、全国のNPOが連携し「被災者とNPOをつないで支える合同プロジェクト(つなプロ)」という組織が立ち上げられた。ケアプロはこのプロジェクトの一員として合同で避難所でのアセスメントを行うことになった。

避難所での感染症予防のため、ボランティアの体調管理を進める

ケアプロは、3月28日に被災地石巻市に入った。現地での活動の目的は大きく3つ。ボランティアの体調管理と、被災者への血液検査。そして検査を通じたアセスメントによる現状調査である。

現地に着くと、すでに被災地では感染症が流行っていた。ボランティア自身によって各避難所に感染症を広げてしまう危険性があったため、ケアプロはボランティアの体調を管理し、感染者が出た場合はすぐに隔離するか帰宅させるという処置を取った。こうして、初期には100人中14名の感染者が発生していたが、翌週からは100人中1人程度にまで減らすことができた。

病気の早期発見へとつなげる避難所での無料血液検査を開始

避難所では、日々菓子パンやお菓子、おにぎりなどが被災者に配られる。そのような食生活では栄養状態は当然悪くなる。

避難所で生活する人たちの健康をチェックすることで、病気の早期発見、医療機関での早期受診へとつなげる。こうした目的で、避難所での無料血液検査が始められることになった。

避難所では移動が多く、その場で検査結果がわかるのがメリット

ケアプロの血液検査の一番のメリットは、血糖値は15秒、総コレステロール、中性脂肪は3分、その他も全て5~7分以内にその場で結果がわかるということである。

結果が出ると、それをもとに簡単な健康相談などを行う。その場でどうしようという相談ができるので、被災者の方々からも喜ばれたと言う。

蓄積データを医療機関と共有、患者を提携病院につなげる

5月1日から6月26日までの間に、石巻市を中心に7カ所の避難所を回り、延べ453名の被災者に血液検査を行った。

全ての検査結果は、データベースに蓄積された。情報を蓄積する仕組みとしてSaaS型アプリケーションサービス「CRMate(シーアールメイト)/お客様接点力」を富士通が提供し、活動の協力を行った。

検査の結果、緊急に治療が必要な患者は、提携先である石巻赤十字病院や東北大学病院の糖尿病専門医の医師につなげるなど、多くの事例をつくることができた。また、避難所ごとの検査結果を近隣から往診する医師に伝え、必要な人には診察・処方をしてもらった。

従来、Excelで入力していた時には、それらのデータをメールで送る必要があり、メールの転送漏れなどもあった。それがシステムで共有されたことで、連携がスムーズにできるようになったと言う。

検査活動を集計し、結果報告と改善のための必要施策を発表する

集計結果の報告は『被災地での生活習慣病の早期発見と予防のための検査活動の経過について』という形でまとめられ、7月にプレスリリースされた。

集計の分析結果から、「避難所におけるストレス解消のためにプライバシー保護を行う必要がある」「栄養バランスのとれた食事を提供する必要がある」「ラジオ体操・ウォーキングイベント等の継続的な実施によって運動不足を解消する必要がある」等の改善のための必要施策を示すこともできた。

ナレッジの蓄積を地域の自立支援に活かす

蓄積した情報を活用することで、地域の訪問看護の人たちが血液検査の過去の推移を事前に把握できるようになる。それをもとに予防を行ったり、病気を早期の段階で発見し、医師の介入につなげることもできる。そうしたセーフティネットを目指している。

さらに詳しい内容は、PDFにてご覧いただけます。

写真提供 : ケアプロ株式会社
掲載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
本特集中に記載の数値、固有名詞等は取材日(2011年8月)時点のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

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