自治体の窓口届出システムに
おけるアジャイル開発

アジャイルプロジェクト事例

[本事例のポイント]

  • お客様と一体となってXPを適用したアジャイル開発プロセスを推進
  • 実際にシステムを使うエンドユーザーや自治体職員からのフィードバックを取り入れ、使いやすいシステムを実現

開発の背景

地方自治体の窓口には異動などの各種届出のために多くの人が訪れます。使用される申請書の様式は決まっていて、そこで用いられる用語(本籍、筆頭者、続柄など)も多く、記載内容は難しくなっています。住民の方は、記載台にある用紙をとり、同じような申請書を何枚も書かなくてはいけない上、窓口での申請内容の確認や処理に時間がかかるため、長時間待たされることになります。
こういった課題を解決するため、本事例の自治体では、

  • 紙とペンからペンタブレット活用に移行し業務の効率化を図りたい
  • 初めての方でも高齢者でもわかりやすく、申請書が作成できるようにしたい
  • 申請のデジタル化によって、バックヤードでのシステム入力を自動化したい
  • 効率化、自動化を進めて「待たされない」窓口を実現したい

といったニーズがありました。
もともと難しい手続きをわかりやすくすること、初めての住民の方が使うシステムであることから、わかりやすさや、イレギュラーな操作や入力も想定しなければならないなど、柔軟な要求にも応えられるよう、富士通が提案したアジャイル開発を採用しました。

開発体制

開発プロセス

※2回目以降も2週間単位でイテレーションを実施

プロジェクトの進め方:ポイント

(1) ワンチームでイテレーション
富士通の開発メンバーとお客様開発メンバーとワンチームとして一体となり計12回のイテレーションを実施しました。
(2) 評価端末で実地検証
自治体の業務スペースにいつでも触れられる評価端末を設置しました。2週間の評価期間に多数の職員も操作、様々なフィードバックを得ました。特に「初めての人が使う」ことを意識して操作することで、その前提による多くのコメントがあり、チーム全体で対応を検討して機能を実現しました。
(3) フィードバックの反映
イテレーションの2週間の間に別途評価シートも集めたうえ、隔週の合同ミーティングで評価内容を検討し、全ての要件に優先順位をつけ、適宜組み替え、以降のイテレーションで対応しました。なお、要件の実装にあたっては、富士通が対応案を作成し合同ミーティングで検討し、仕様を具体化しました。

結果

これらの取り組みにより、住民の方の視点で使い勝手の良いシステムが出来ました。操作性や入力補助に対しては、お客様から想定以上に要望が出てきました。システムをより良くするための仕様の追加・変更もありましたが、予定していた開発期間については変更せず、その中で価値の最大化を目指しました。何を優先すべきかシステムにどう反映するかを、職員の方と富士通で一緒に考え進めました。
お客様には、受入テストでイレギュラーな操作を徹底して行っていただいたため、利用者の入力で不具合が発生することはなく、安心して使用していただけるものができました。
システム完成後、住民の方からアンケートを取った結果、80%以上の方から便利で使いやすいという評価になりました。また、申請データを利用したシステム自動入力による時間短縮についても効果が認められました。

参考)システムの概要

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