ワットラインサービス株式会社 様

メインフレーム同等の高信頼性とハードウェア冗長構成により
物流サービスの要となる倉庫管理システムの安定性を向上し業務継続を実現

スマートメーターを中心に物流サービスを提供するワットラインサービス。同社は、物流サービスの要として自動倉庫を支える次期倉庫管理システム(WMS※)の基盤に富士通の基幹IAサーバPRIMEQUESTを導入しました。ソフトウェアによる冗長構成だった既存WMSは、システム停止により復旧に長時間を要したことがありました。採用にあたって、同社は「止まらないこと」とシステム障害時も「迅速に復旧できること」に徹底的にこだわりました。同社が高く評価したのは、PRIMEQUESTのメインフレーム同等の高信頼性と、予備システムボードを活用したハードウェア冗長化による迅速・確実な復旧の実現でした。2020年3月に本稼働後、新WMSは安定稼働を続けています。

※WMS: Warehouse Management System、倉庫管理システム

課題
効果
課題既存WMSの老朽化に伴い、次期WMSでは「止まらない」システムを実現したい
効果メインフレーム同等の高信頼性・高可用性を実現する基幹IAサーバPRIMEQUESTを導入し、止まることが許されないWMSの「さらなる安定性」を図り、業務継続を実現
課題万が一システム障害が起きた場合、運用負荷をかけることなく短時間かつ確実に復旧したい
効果故障時に予備システムボードに自動的に切り替わることで、複雑な手順や高度なスキルも必要なく、1時間以内(事前テストでは20分)で確実な復旧が可能に
課題ワンストップで迅速にトラブルを解決できる体制を確立したい
効果トラブル発生時、PRIMEQUESTはハードウェア冗長構成のため、ソフトウェアによる冗長化で課題となる障害原因の切り分けが不要。富士通のワンストップサポートで迅速な対応を実現

背景

物流品質の向上と人材不足の解決の両方を実現する
自動倉庫を支えるWMSでは「止まらないこと」を最重視

電気料金メニューの多様化や社会全体の省エネ化に寄与するスマートメーター。1962年設立以来、電力流通システムを支えてきたワットラインサービスは、近年、スマートメーターの物流サービスをメインに運送・物流・倉庫・工事などの事業を展開しています。また東光高岳グループの一員として、変革が進む電力流通システムの運用を担い、新事業の創造に挑戦を続けています。

電力新時代に欠かせないスマートメーターの需要拡大に応え、“安全・確実・迅速な物流”を実現するために、ICTの活用は欠かせません。「当社は、物流品質の向上と人材不足の解決を実現するために、倉庫業務の自動化に積極的に取り組んでいます」と同社 取締役 西 豊治氏は話し、こう説明する。「スマートメーターの入庫時にハンディターミナルやRFIDタグで読み取ったデータをWMS(Warehouse Management System、倉庫管理システム)にインポートし、スマートメーター個別データ管理システムで、メーター1台1台の個体管理を全自動で行っています。また、出荷に関しても検品後、自動倉庫へ格納・払い出しを連動させることで誤出荷防止を図っています」。

スマートメーターの入庫・保管・出庫を一元管理するWMSは、まさに同社の心臓部です。「先進の自動倉庫は、WMSの安定性の上に成り立っています。WMSの停止は、倉庫業務が止まるだけでなく、後工程の運送、工事に大きな影響を及ぼします」。(西氏)

既存WMSは、営業時間中にシステム障害により停止し、復旧に数時間を要するトラブルが発生したことから、同社は老朽化に伴う次期システムの選定において業務継続性を最重視しました。

西 豊治 氏
ワットラインサービス株式会社
取締役

経緯

メインフレーム同等の高信頼性・高可用性と
ハードウェア冗長化による迅速・確実な復旧を高く評価

次期WMSの採用ポイントについて「ハードウェアが“故障しない、止まらない”ことを大前提に、万が一止まってしまった場合も迅速に復旧できることに徹底的にこだわりました。また既存システムの停止により、当社が抱いた不安や懸念を払拭してくれる提案力も、今回は採用のポイントになりました」と西氏は振り返ります。

「故障しない、止まらない」という観点から、次期WMSの基盤に基幹IAサーバPRIMEQUESTを導入する富士通の提案は非常に説得力があったと同社 物流部 スマートメーターグループ グループマネージャー 岩田雅征氏は話します。「PRIMEQUESTは、一般的なサーバと異なり、メインフレーム同等の設計・品質基準でつくられており、厳しい製品検査により高い信頼性を確保していること、またハードウェアコンポーネントを徹底的に冗長化し部品が故障しても即時復旧できることなどを高く評価しました」。

万が一止まってしまった場合の復旧面でも、PRIMEQUESTにはメリットがあると岩田氏は付け加えます。「既存WMSは、ソフトウェアによる冗長化システムでした。ハードウェア障害の検知に関して、ソフトウェア制御では限界があるため、上手く検知できず事態が悪化し業務継続の面で大きな課題となりました。PRIMEQUESTはハードウェアの冗長化により、CPUやメモリなどの障害時に予備システムボードに自動的に切り替わり、1時間以内(OS再起動、アプリケーション動作確認等)で復旧できるとの提案は、採用の大きなポイントとなりました。また、ソフトウェアによる冗長化ではハードウェアとソフトウェアの両面から障害対応が必要となるため、復旧に時間を要しました。ハードウェア冗長化は、富士通によるワンストップサポートとなるため、迅速かつ的確なトラブル対応ができることを評価しました」。

岩田 雅征 氏
ワットラインサービス株式会社
物流部 スマートメーターグループ グループマネージャー

ポイント

PCサーバを利用したVMware HAによる冗長化と比較
若干の価格差を超えて“さらなる安定性”を選択

最終的に決め手となったのは、品質やトラブル発生時の対応に関する同社からの質問に対し富士通から真摯な回答があったことだと西氏は話します。「富士通に対し、システムが完全停止するリスクを全て洗い出してくれるように依頼したところ、可能性のある条件を隠すことなく丁寧に提示していただきました。様々なリスクについて社内で議論・検討しPRIMEQUESTの採用を決めました」。

富士通からは、PCサーバを利用したVMware HAによる冗長化の提案もあったと岩田氏は話します。「ソフトウェア制御のため障害時の切り分けに時間がかかるなど、少人数でIT管理を行っている当社にとって、運用の複雑さが発生することにデメリットを感じました。当社は若干の価格差を超えて、メインフレーム同等の高信頼性と、シンプル・簡単・確実な切り替えを可能にするハードウェア冗長化による“さらなる安定性”という価値を選択しました」。

2019年9月、次期WMSの基盤にPRIMEQUESTの導入を決定、同年10月からアプリケーションの更新を含めて構築を開始しました。富士通の拠点でインフラ環境構築・アプリケーション移行を実施後、サーバルームに移設したため、導入はスムーズに行えました。ハードウェア冗長化のテストは満足できる結果が得られたと岩田氏は話します。「当社立ち会いのもとで行った予備システムボードへの自動切り替えテストでは、20分で復旧しました」。

効果と今後の展望

自動倉庫の運用における安定性が一層向上
物流サービスのDX推進に向けて富士通のさらなる支援に期待

2020年3月に本稼働して以来、PRIMEQUESTをベースとするWMSは安定稼働を続けています。導入効果について岩田氏はこう話します。「故障せずに安定稼働を続けて、当社の業務を止めることなく支え続けることが、最大の導入効果です。また、従来4台のサーバからなる冗長化システムが、1台のPRIMEQUESTに集約できたことで、運用負荷の軽減も図れました。さらに、故障時も予備システムボードへ自動的に切り替わるため、管理者の手間や高度なスキルも不要です。シンプルな運用はトラブルの早期解決にも重要なポイントとなります」。

今後の展望について西氏は次のように述べます。「今回、PRIMEQUESTを基盤とするWMSを構築したことで、自動倉庫の運用における安定性はより高まりました。当社では今後スマートメーター以外にも取り扱い品目の拡大を目指しており、業務範囲の拡大を視野に入れ、本システムの活用も検討中です。富士通には、安定稼働のサポートはもとより、倉庫のさらなるデジタル化や、ハードウェアからロジスティックソリューションまでのトータルな提案により、当社における物流サービスのDX(デジタルトランスフォーメーション)推進に向けた支援をお願いします」。

電力流通システムを支え、社会インフラの発展に寄与するワットラインサービス。富士通はこれからも先進技術と総合力を駆使し、同社の取り組みを支援していきます。

担当営業メッセージ

ワットラインサービス様は、自動倉庫やRFIDなどを使った倉庫業務のデジタル化に積極的に取り組まれており、社会インフラを支える先進的な倉庫事業をICTで支えることに大きな責任を感じています。
今回ご採用いただきました「PRIMEQUEST」は、富士通のメインフレームと同等の品質で製造されており、安定的な運用が可能であると考えております。
今後もお客様の業務拡大に合わせた最適な提案を行い、お客様業務のご支援に力を尽くしてまいります。(安楽)

担当SEメッセージ

本提案においては、安定稼働およびお客様の運用負荷軽減に重点を置きました。
近年のITインフラは、ソフトウェアで制御する機構が増え、機能が増える一方、IT管理者が習得しなければならないことが増えてきております。
特に、障害発生時は、ハードウェアとソフトウェアの切り分けなど、IT管理者が実施する範囲が多く、復旧までの時間がかかるケースもございました。
今回ご採用いただきました「PRIMEQUEST」は、安定性はもちろんのこと、冗長化機構もハードウェアで兼ね備えていることから、簡単・確実な自動切り替えとともに富士通一体で迅速なサポートを実施し、業務継続性の向上とお客様の運用負荷軽減の両方を実現できると考えております。(堀内)

富士通Japan株式会社

システム本部 第二インフラソリューションセンター 首都圏インフラソリューション部
堀内 靖史(左)

地域ビジネス本部 関越支社 流通ビジネス部
安楽 享祐(右)

ワットラインサービス株式会社 様

本社所在地〒349-0101埼玉県蓮田市大字黒浜字桜ケ丘3506番地3
設立1962年8月
資本金3000万円
事業内容運送、物流管理、特高変成器・電力メーター設置工事
ホームページhttp://wattlineservice.co.jp/

[2020年12月掲載]

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