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第02回 部門別業績管理を重視する段階に入った中堅企業が使いやすい管理会計機能(配賦機能)

製品レビュー 「GLOVIA smart きらら 会計」を使ってみた

仰星マネジメントコンサルティング株式会社
プリンシパル 公認会計士 金子 彰良 氏

2015年04月24日更新

はじめに

中堅企業が初期に取り組む管理会計の領域として、部門別の損益管理の実効性を向上させるための「配賦処理機能」をあげることができる。配賦処理機能は、予算管理機能と並び、経理部門がマネジメントニーズに対応するために取り組む管理会計の一つのテーマである。 
一般に、売上高や売上原価で構成される売上総利益までは、比較的早期に部門別管理を実現している場合が多く、経営会議資料でも部門別売上・売上総利益の数字をもとに討議が行われる。しかし、部門別営業利益の数字となると、部門別損益の計上ルールが未整備であったり、共通費を配賦する仕組みを採用していることがある。そのために、会計システムから出力される帳票データそのものの精度が低く、部門別の業績評価指標として利用できないことがある。そこで、配賦処理を利用して、販売費や一般管理費も部門別に実績を計上することで、部門別営業利益まで把握できる仕組みを構築するのである。

 

そもそも、費用項目を部門別に管理する場合、取り得る方法の一つは、部門個別に紐付けられる費用を当該部門に直課して計上するという方法である。部門に個別に紐付けられて直課された費用はそのまま利用できるため、部門別の損益管理にあたって何ら問題はない。しかし、現実にはできるだけ部門に直課しようとしても、その根拠が乏しく難しいことが多い。配賦処理というのは、部門に紐付けることができない、または直接その発生額を把握することが難しい費用について、何らかの方法で各部門に計上するために利用される。配賦処理では、例えば、部門共通費を費用発生との因果関係を考慮して一定基準で各部門に配賦する。また例えば、本社費を売上高など負担能力に応じて各部門に配賦することもある。

ところで、配賦処理のしくみを構築するうえで、気をつけたいのが「過度に複雑なロジックにしない」ということである。なぜならば、各部門に対して費用を直課できるならばともかく、配賦計算を実施するという時点で厳密な費用把握ができないための代替案を検討しているからである。そのため、配賦計算はあくまでも費用を合理的に配分するためのルールであると考え、そのロジックは直感的に理解しやすいシンプルなものにするのが望ましい。それでは、上記を念頭に「GLOVIA smart きらら 会計」の配賦機能についてみていきたい。

「GLOVIA smart きらら 会計」を使ってみた : 『配賦機能』

配賦処理を利用して各部門が実際に儲かっているのかを知る

配賦処理の仕組みで経営の意思決定に役立つ情報を提供する

配賦処理の仕組みを導入する以前は、各部門の損益計算書における営業利益は、売上高から部門個別費を控除した共通費等を配賦する前の利益、いわゆる貢献利益に近いものを表す。(各部門には部門で管理可能な個別費が直課されている前提)。
これに対して、配賦処理の仕組みを導入した後は、部門にとっての管理不能費や本社費などのコストセンターの費用を配賦した後の利益、いわゆる本社費配賦後の利益となる。組織図上の各部門が事業部や店舗などを表している場合、共通固定費を含めた回収が必要となる際の業績評価として役立つほか、新規進出、撤退など経営の意思決定に役立つ情報を提供することができる。

「GLOVIA smart きらら 会計」では、部門と勘定科目の残高データを対象とした事後配賦の機能を用意

会計システムと配賦仕訳の関係は、配賦計算と配賦仕訳の計上タイミングの観点からは事前配賦と事後配賦に分けることができる。具体的には、例えば、本社ビルの水道光熱費を外部には本社総務部で一括支払いするが、各部門の負担割合を事前に決定しておいたとする。この場合、取引仕訳の計上タイミングで各部門に按分した金額を都度計上するのが事前配賦である。一方、毎月末など一定のタイミングで本社総務部の水道光熱費の勘定残高データを各部門に振替計上するのが事後配賦である。会計システムにおける配賦機能といった場合には、後者の事後配賦の方を指すことが多い。
「GLOVIA smart きらら 会計」の配賦処理機能も、月次で蓄積された配賦対象の部門と勘定科目の残高データを対象に処理する事後配賦の機能が用意されている。

事後配賦イメージ
事後配賦イメージ


拡大イメージ

配賦基準マスタはExcelで配賦処理をするときのイメージと同じで馴染みやすい

会計システムにおける配賦処理機能は、何を基準として(配賦基準)、どこから(配賦元の部門や勘定科目)、どこへ(配賦先の部門や勘定科目)配賦するかをあらかじめマスタとして登録しておく。
「GLOVIA smart きらら 会計」では配賦基準マスタと配賦手順マスタの二つを準備することに相当する。
配賦基準マスタには、従業員数や面積などを配賦基準として登録するとともに、配賦元部門と配賦先部門の組み合わせ、さらに配賦先部門ごとの配賦率(配賦基準値)を設定する。複数のマスタにわたることなく、また、画面遷移をせずに一画面で登録できるのは、Excelのような表計算ソフトで配賦処理をするときと同じイメージで実施することができるので馴染みやすい。

配賦基準設定
配賦基準設定


拡大イメージ

なお、「GLOVIA smart きらら 会計」では配賦基準の考え方を二つ持っている。
一つは、統計項目を使用する方法で、例えば、本社ビルの賃借料を各部門に使用スペースの割合で応益的に負担してもらうことを考えて「建物面積比」を配賦基準とするような使い方である。「GLOVIA smart きらら 会計」では、このような統計項目を配賦基準に設定することを「自由配賦基準」と呼んでいる。自由配賦基準は名前のとおり、システム外で算出した配賦率を登録して使用するという点で、非財務項目を含めて任意の配賦基準を採用することができる。
もう一つの方法は、勘定科目の実績(予算)金額を配賦基準とする方法で、システム内で取得することができる当該勘定科目の残高を利用する。例えば、本社共通費をプロフィットセンターに応能的に負担してもらうことを考えて「売上高比」を配賦基準とするような使い方である。これを「参照配賦基準」と呼んでいる。参照配賦基準では、配賦基準とした勘定科目を選択するだけで、配賦率を含めてシステム内で計算してくれる点で効率的である。配賦処理においてどのような配賦基準を採用するかは、部門損益管理に微妙な影響を与える。売上高基準で、本社共通費を配賦する方法では、売上高が大きいほど多くの費用を負担させるので、各部門の売上高増大の努力を抑制する方向に作用しかねない。これに対して、従業員数を配賦基準として配賦処理すると、各部門は人員を削減する、または増加を抑制する努力を行う方向に作用するかもしれない。
配賦基準の選択には、一定の管理効果があることを考慮しながら、一方で、部門の利益責任をより明確にするという目的の下、配賦する費用がどのような原因で発生し、それがどのように利益として貢献しているか検討して決定する。
このように「GLOVIA smart きらら 会計」では、企業の実態に合わせた配賦が可能となっている。

配賦手順マスタは配賦段階、わかりやすさを意識する

配賦基準マスタを設定したら、次に配賦手順マスタを用意する。配賦手順マスタでは、配賦基準を具体的な配賦元と配賦先の情報に紐づける。つまり、「建物面積比」という配賦基準には、すでに配賦基準マスタで配賦元部門と配賦先部門の組み合わせと、配賦先部門ごとの配賦率が設定されている。そして、この配賦基準を使って、配賦処理の対象である「賃借費」などを決め、その配賦元と配賦先の勘定情報(勘定科目・補助科目・内訳)を定義する。具体的な画面を見てみよう。

配賦手順設定
配賦手順設定


拡大イメージ

配賦基準マスタが既に設定されているので、この配賦手順マスタでは「配賦元と配賦先の勘定情報」にのみ注力すれば良い。そのため、Excelなどを使用して設定する作業と比べると、配賦基準と配賦対象勘定の紐付けや手順の設定はシンプルでミスが起こりにくい。なおこのとき、配賦手順としてとりまとめて登録する単位に決まりはないが、配賦の段階や一度に配賦処理したい単位を意識すると良い。例えば、「GLOVIA smart きらら 会計」では3段階までの配賦処理が可能であるが、段階的に配賦をする場合は、少なくとも段階ごとに手順コードは分け、その上で配賦処理の実行単位のわかりやすさなどで勘定情報をグルーピングして手順コードを分ければ良い。

配賦処理の運用では、予算管理との両立も必要である

配賦された数字は部門では管理できない

配賦処理の結果、配賦仕訳として共通費が各部門へ按分計上されたのちの損益計算書では、販売費や一般管理費も含めて部門別の営業利益までが表示されるようになる。部門の業績評価としてはよりリアルな数字になり、現場に共通費配賦後の利益数字に対する意識を持たせることにもつながる。しかし、一方で配賦された数字について各部門が直接管理可能な費用かと問われると別の問題になる。例えば、本社ビルの減価償却費を各部門に配賦計上したとしても、当該減価償却費については各部門でコントロールすることはできない。この点について、本社共通費のような性質の費用では、一つの方法として、配賦処理の結果生成される配賦先の勘定科目を、配賦元勘定科目とは別に設定するという方法が考えられる。

配賦用勘定科目を使用する方法

「GLOVIA smart きらら 会計」では配賦元の勘定情報に対して、配賦先の勘定情報を同じものに設定する他、配賦用に特定の勘定科目を指定することができる。配賦手順マスタでは「特定勘定科目」と呼んでいる。特定勘定科目とは、配賦元勘定科目から配賦先として別の勘定科目へ按分結果を振替えることができるというものである。仕訳入力で実績を計上する勘定科目を配賦先とすることも可能であるが、想定される使い方の一つには、例えば「本部費配賦勘定」のように本社共通費などを一括して配賦するための勘定科目を用意して、配賦先勘定情報に設定する方法である。

配賦手順設定
配賦手順設定


拡大イメージ

本社共通費としてどの勘定情報を配賦元勘定として範囲に含めるかを検討し、それらの配賦元勘定科目に対して、一律に「本部費配賦勘定」を配賦先勘定科目に設定する。配賦用勘定情報がまとまることで配賦手順マスタのメンテナンスもしやすくなる。
こうすることによって、各部門に実績が計上された勘定科目の残高は残ったままなので、部門の貢献利益的なものと本社共通費回収後の利益の両方を見ることができ、予算実績対比の分析作業もやりやすくなる。

配賦処理の作業を軽減する

配賦処理を正確に早く実施する

配賦基準と配賦手順が設定できれば、あとは毎月次で配賦処理の実行をするだけである。「GLOVIA smart きらら 会計」では設定した配賦手順を指定して実行処理を行う。このとき、多段階配賦であればそれぞれの配賦手順を一緒に指定しておくと、一回の実行処理で順次自動的に配賦計算と配賦仕訳の計上ができる。

配賦処理
配賦処理


拡大イメージ

また、「GLOVIA smart きらら 会計」では、配賦仕訳は通常の仕訳種別とは別の仕訳種別を持ち、配賦仕訳も一次配賦、二次配賦、三次配賦とそれぞれで作成される。そのため残高試算表など実績系の照会機能では、「通常伝票のみを出力対象とする」ことも「配賦仕訳を含めた伝票を出力対象とする」ことも選択することができる。

合計残高試算表照会
合計残高試算表照会


拡大イメージ

なお、月次決算に配賦処理を組み込む際、伝票の計上漏れや修正が後から発生した場合、それが損益に影響を与える項目であれば、配賦処理も再度やり直さなければいけない。Excelなどで配賦計算をしている場合は、配賦元データの再取込みや会計伝票の赤黒修正を伴うが、会計システム内で配賦機能を運用することによって、その手間が軽減される。「GLOVIA smart きらら 会計」では、配賦処理をリランすると、既計上の配賦仕訳の取消と配賦処理の再計算および配賦仕訳の再計上が連続して実行されるため効率的である。

配賦処理再実行
配賦処理再実行

まとめ

配賦処理機能も、多くの中堅企業が管理会計の構築に取り組む初期段階で、取り入れられることが多い。Excelなどの表計算ソフトは自由度が高い反面、組織や勘定科目の変更などのメンテナンスや実績修正時の再実行にまつわる処理が煩雑になる。もし、現在、Excelなどの表計算ソフトで配賦処理を実行している企業で同様の問題意識をお持ちの企業は、「過度に複雑なロジックにしない」ように、必要に応じて現在の配賦処理のロジックも見直してみると良い。その上で、会計システムへ配賦処理機能を移管することを検討してみてはどうだろうか。

ポイント

配賦処理を利用して各部門が実際に儲かっているのかを知る

  • 配賦処理の仕組みで経営の意思決定に役立つ情報を提供する
  • 「GLOVIA smart きらら 会計」では、部門と勘定科目の残高データを対象とした事後配賦の機能を用意
  • 配賦基準マスタはExcelで配賦処理をするときのイメージと同じで馴染みやすい
  • 配賦手順マスタは配賦段階、わかりやすさを意識する

配賦処理の運用では、予算管理との両立も必要である

  • 配賦された数字は部門では管理できない
  • 配賦用勘定科目を使用する方法

配賦処理の作業を軽減する

  • 配賦処理を正確に早く実施する

(注1)記載されているお役職、製品名等の情報につきましては、2015年4月1日現在のものです。
(注2) 2016年4月22日、GLOVIA smart きらら 会計はGLOVIA きらら 会計にブランド名を変更いたしました。

記事一覧

注)タイトルについて一部変更となる可能性があります。ご了承ください。

著者プロフィール

金子 彰良 氏

仰星マネジメントコンサルティング株式会社 プリンシパル

金子 彰良 氏

公認会計士、ITコーディネータ

慶應義塾大学経済学部卒業。大手監査法人系のコンサルティングファームを経て、仰星マネジメントコンサルティング株式会社に所属。
経理・財務分野を主な専門領域とし、決算の早期化や内部統制報告制度への対応、経理シェアードサービスセンター構築の支援に加え、各種ERPパッケージの導入コンサルティングと構築フェーズにおけるプロジェクトリーダーを歴任。
【著書】
・『内部統制評価にみる「重要な欠陥」の判断実務』(共著、中央経済社)
・『阻害要因探しから始める決算早期化のテクニック』(共著、中央経済社)

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