最先端テクノロジーに注目

新聞協会のFujitsu Uvance Kawasaki Tower施設見学会をレポート

5月31日、一般社団法人日本新聞協会(以下、新聞協会)の作業部会「情報技術部会」を招き、Work Life Shift 2.0の旗艦拠点であるFujitsu Uvance Kawasaki Towerの施設見学会を開催した。新聞協会は、全国123の新聞社・通信社・放送局が加盟し、編集、広告、技術など各分野の課題について調査・研究している。コロナ禍、働き方改革、人的資本経営への注目の高まりなど、「働き方」を取り巻く環境が大きく変わるなかで、参加者たちはWork Life Shift 2.0の取り組みやFujitsu Uvance Kawasaki Towerのオフィスをどのように受け止めたのか。当日の様子や、イベント参加者の声をレポートする。

Work Life Shiftで富士通の働き方はどう変わったのか

Work Life Shiftでは、「働く」ということだけでなく、仕事と生活の両方をトータルにシフトすることで、社員のWell-Beingの実現を目指している。そのためには、社内の人事制度や組織文化の変革だけでなく、社員一人ひとりが働く場所の変革が欠かせない。そこで、富士通はWork Life Shiftの重要な柱として「Borderless Office」を掲げ、組織やロケーションの境界を取り払ったオフィス環境の構築を進めてきた。
具体的には、コロナ禍における感染症対策としてリモートワーク向けの「Home&Shared Office」、社員専用で外出時や出張時などに利用できる「Satellite Office」、社員、お客様とのコラボレーションを目的とした「Hub Office」と3種類のオフィスに再定義。従来の「通勤」や「勤務地」を前提とした働き方を変革し、時間や場所にとらわれない働き方を可能にした。
なかでも、注目なのがHub Officeだ。富士通ではHub Officeを「コラボレーションの場」と定義し、完全フリーアドレス化、施設機能や設備の統一などを通じて、社員、お客様とのコラボレーションを促進。対面コミュニケーションによるイノベーション創出を後押ししている。

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メタバース、静脈認証、e Sports Room…。最新テクノロジーに関心を寄せる

まず、最初に訪れたのは23階の執務エリアだ。ここには社員間のコラボレーションを促進する様々な工夫が凝らされている。その一例が、多様な形式のミーティングエリア。フロア中央には可動式のホワイトボードで仕切られたミーティングエリアが配置され、壁面にアジェンダや議事録を記載しながらミーティングを行える。

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次に、27階の社内向けSatellite Officeでは、フロア中央の大型プロジェクターの画面に同フロアのメタバースが映し出されていた。社員はこのメタバースで混雑状況を確認しながらSatellite Officeを利用できる。

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続いて26階には社外向けSatellite Officeが設けられており、富士通の社員だけでなく、パートナー企業や取引先、元社員なども利用できる。社外人材との交流を通じて、イノベーション創出を促すのが目的だ。入退場管理は静脈認証で行っており、富士通の社員でなくても、利用登録時に静脈登録すれば入場できる。

メタバース、静脈認証など、最新テクノロジーの活用に参加者たちからは何度も驚きの声があがった。他にもe Sports Roomがあり、社内イベントや社外との交流会などに利用される以外にも、学生を招き、富士通がこんな取り組みもしていると知ってもらうことでリクルートにも貢献している。

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<参加者の声>
「新聞業界は『単なるデジタル化』の次を見据えるべき」

「コロナ禍以降、新聞業界でもデジタルシフトが加速したので、今後は従業員がいかに働きやすい環境を作るのかが課題です」。そう話すのは、全国の新聞社ほか67社のシステム部門の代表者で組織する新聞協会 情報技術部会で部会長を務める森口剛氏(日本経済新聞社)だ。Fujitsu Uvance Kawasaki Towerの施設見学会に参加して、「今後あるべき新聞社の働き方」について思いを巡らせたという。

コロナ禍以降、他業界と同様に新聞業界でもデジタル化が加速した。各社で在宅勤務制度が導入され、各種ITツールの活用、情報機器利用やセキュリティなどのガイドラインの整備が進んだ。森口氏は「既存業務の多くをオンライン上で完結できる程度には、デジタル化を推進できたと思います」と、ここ数年の働き方の変化を振り返る。

コロナ禍以前、取材で外出の多い記者職などを除けば、新聞業界では「出社=働くこと」という意識が根強かった。バックオフィス部門や情報システム部門、組版作業を担う整理部門などの従業員は、一つのオフィスに集合し、机を並べて勤務するのが一般的なワークスタイル。それが、ここ数年間で大きく変化し、オンライン上でのコラボレーションも珍しくなくなった。しかし、森口氏は「単なるデジタル化」では、従来の働き方にあった長所の部分が抜け落ちてしまうと話す。

「日常の仕事を円滑に進めるためには、雑談などのコミュニケーションも欠かせない要素です。また、様々な業務を遂行するうえで、ブレインストーミングは重要な作業ですが、これもオンラインより面と向かって話したほうが、はかどる傾向があります。そのため、働き方を単にデジタル化するのではなく、オンラインとオフラインを組み合わせた働き方を確立する必要があるのだと思います」

オンラインとオフライン、それぞれの特性や価値を最大限に引き出す働き方は、どうすれば実現できるのか。今後のあるべき働き方を模索するうえで、Fujitsu Uvance Kawasaki Towerは良いヒントになったと、森口氏は施設見学会の感想を述べた。特に印象深かったのは、両面がホワイトボードになっている壁でエリアを仕切り、いくつものミーティングルームを作り出しているコーナーだ。

「オンライン会議でちょっとしたメモやイラストを共有しながら会話するのはなかなか難しいです。私自身、オンライン会議中に画面で資料を共有しながら、細かいニュアンスが伝わらず、もどかしい思いをすることがあります。その点、あのミーティングルームのように壁面に簡単にメモができれば、より深いコミュニケーションができると思いますし、オフラインの長所をより引き出せるのではないでしょうか。壁が可動式でミーティングルームを柔軟に拡縮できる点も効率的だと感じました」

さらに、静脈認証による入退場管理やフリーアドレス、明るく見通しの良いフロアなど、快適なオフィス環境も印象的だった。

「今後、優秀な人材を獲得していくうえで、オフィス環境の整備は重要なポイントになってくるはずです。近年、新聞社でもペーパーレス化が進み、デスク上に資料が山積みになった旧来的な職場像からは抜け出しつつあります。しかし、快適なオフィス環境という観点ではまだまだ足りない部分も多いです。建物が古い新聞社も多く、施設的な制約もあって、すぐに着手できるわけではありませんが、検討すべき施策の一つだと思います」

これまで、森口氏ら新聞協会の情報技術部会は、月1回の会合やセミナー開催などを通じて、各社間で情報共有を進め、新たな働き方の確立に向けて知見を深めてきた。セミナーではAI、RPA、セキュリティなど、最新テクノロジーに関する活用事例報告やパネルディスカッションを実施している。今後は、こうした機会を通じて、働き方の変革に向けた議論を進めていきたいと展望を語った。

「新聞社の価値はコンテンツにあります。正確な情報を発信するという社会的責務を果たすとともに、他社と切磋琢磨しながら、読者の期待に応える魅力的なコンテンツを作っています。一方で、システムや就業環境などコンテンツ発信を支援する部分では新聞業界全体で協力し合いながら知見を蓄え、発展させていくものだと思っています。その意味でも、今回の施設見学会のような取り組みは非常に有意義だったと感じています」

新聞協会 情報技術部会長 森口剛氏(日本経済新聞社)

参加者の興味は「オフラインコミュニケーション」に向けられていた

約2時間の施設見学会を通じて、参加者の多くはFujitsu Uvance Kawasaki Towerのコラボレーションを促進する各種施策に興味を向けていた。森口氏の感想にも述べられている通り、オンライン環境が整備されつつある昨今だからこそ、オフラインにおけるコミュニケーションの価値が見直されつつあるのだろう。ハイブリッドワークの発信拠点として、Fujitsu Uvance Kawasaki Towerに託された役割の大きさが改めて確認できるイベントとなった。

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